埼玉県の市町村について調べる(調べものに役立つ資料案内)
埼玉県は明治から平成にかけての大合併を経て、現在63市町村(市40、町22、村1)があり、日本で一番市の数が多い県です。埼玉県立熊谷図書館埼玉資料室では、県内市町村に関する資料を多数所蔵しています。
今回の調べものに役立つ資料案内では、市町村を調べる時に役立つ資料やウェブサイト情報をご紹介します。
(本稿は『県立浦和図書館広報紙 調(しらべ)』第32号を全面改訂したものです)
(2025年1月30日作成)
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1 市町村の概要を調べる
(1)市町村の公式ホームページで探す
各自治体では公式ホームページを公開しています。「市の紹介」「プロフィール」「沿革」などのページがあり、人口、歴史、産業、観光、合併状況等を紹介しています。
・統計、例規、政策、広報、各種報告書、市町村勢要覧などの最新情報が公開されています。
・トップページにある検索窓にキーワードを入力して検索できます。
「埼玉県市町村(全63市町村)」(埼玉県ホームページ) (埼玉県)
県内各市町村の公式ホームページへのリンク集です。
(2)統計で調べる
統計は、人口数、面積、住宅数、消費者物価指数、火災や事故の発生件数など様々なことについて調査した結果を数値や図表で表しており、その市町村の特徴がわかります。ほとんどの市町村公式ホームページで最新の 統計を公開しています。
S350/サイ『埼玉県統計年鑑 第70回(令和5年)』(埼玉県総務部統計課2024)
埼玉県に関する基礎的な統計データを人口、産業、福祉、経済、教育など18の分野にわたり収録した年鑑です。埼玉県ホームページ や当館ホームページ内の「埼玉県立図書館デジタルライブラリー」 でも公開されています。
【所蔵状況】
・『埼玉県統計書』 明治10年~昭和26年 (欠:明治11、13~16、19、21、22、32、昭和19)
・『埼玉県統計年鑑』昭和27年~現在
※「埼玉県立図書館デジタルライブラリー」 からもデジタル化された資料を閲覧できます。
S350/トウ『統計からみた埼玉県市町村のすがた 2024』 (埼玉県総務部統計課2024) ※2023年度以降はWEB版のみになります
人口、産業、医療、福祉、環境、安全などの統計データを、県内における各市町村の位置(順位)を示しながら、市町村の特色をわかりやすくまとめた統計資料です。埼玉県ホームページ や当館ホームページ内の「埼玉県立図書館デジタルライブラリー」 でも公開されています。
【さいたま市の統計書】
S351.1/サイ『さいたま市統計書 第21回(令和3年版)』(さいたま市都市戦略本部情報政策部編 さいたま市2023) ※令和4年版(第22回)からWEB版統計書へ移行
さいたま市の自然、人口、経済、社会、教育などの統計資料が収録され、区ごとの統計も調べることがで きます。さいたま市のホームページ では、 最新版から平成13年までの『さいたま市統計書』や平成4年から合併前までの旧市の統計書も公開しています。
【旧市の統計書】
・旧岩槻市 :岩槻市統計書・統計いわつき
・旧浦和市 :浦和市統計書・うらわの統計
・旧大宮市 :大宮市統計書
・旧与野市 :よの統計・与野市統計書
「埼玉県立図書館デジタルライブラリー」(当館ホームページ)
デジタルライブラリーでは、当館所蔵資料のうち、デジタル化された貴重書、絵図、図書、雑誌、県発行の 刊行物(デジタル行政資料)等を公開しています。
「埼玉県内自治体統計書(リンク集)」(当館ホームページ)
県内の統計書のある自治体名が50音順で見られます。 旧市町村の統計書の資料名が記載されており、合併前の統計を調べるのに参考になります。
「彩の国統計情報館」(埼玉県ホームページ)
埼玉県に関する統計調査の結果や統計資料を公開しているホームページです。探している統計データを 18の分野やキーワードから検索できます。また統計調査以外の統計情報も充実しています。
(3)市町村合併
各明治時代以降、自治体の合併は何度も行われてきました。市町村の公式ホームページのほか、次の資料で現在の市町村の成り立ちの様子が分かります。
S312/サ『埼玉県市町村合併史』
(埼玉県総務部地方課編 埼玉県)上巻:1960 下巻:1962 附録:[1960]
上巻総説、下巻各論からなります。
上巻総説は古代前期からの地方自治制度の改革、明治時代以降の市町村成立の意義や変遷がわかります。
下巻各論は、市町村ごとに概要と明治から昭和の各合併についての記述や合併の様子を表した表や現市町村名を付記した旧町村名の索引があります。
S350/トウ『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1988)
「総説」「地名編」「地誌編」「資料編」で構成されています。「地誌編」に発行当時の各市町村の現況、 沿革(歴史や行政区画の変遷)、現行行政地名等を掲載しています。「資料編」には今はない小字を知りたい時に参考になる「小字一覧」や市町村合併を表にした「市町村沿革表」などがあります。
S290.1/サ『武蔵国郡村誌』(埼玉県編 埼玉県立図書館 )1953-1955)全15巻
皇国地誌編纂のために埼玉県が編纂した郡村誌です。明治初期の各村の状況がわかります。
S290.1/サ『埼玉県市町村誌』(埼玉県地域総合調査会/編 埼玉県教育委員会 1972-1980)全20巻
明治9(1876)年~昭和45(1970)年頃までを対象とした、各市町村の地誌で、市町村ごとの項目になっています。近世の領有関係と町村施行までの行政区画が表になっており、市町村合併がわかりやすいです。
「埼玉県の市町村合併の状況」(埼玉県ホームページ)
平成13年以降の市町村合併の概要や状況地図が見られます。
「合併デジタルアーカイブ」(総務省ホームページ)
全国の各合併協議会のホームページにおいて公開されている、合併に関するデータを検索することができます。
2 市町村史を調べる
特定の地域について調べたい場合には、はじめから市町村史に当たる方法もあります。 古代から刊行年までの歴史、地誌、文化、産業、民俗等について詳しく記載されており、調査に必須の資料です。合併前の市町村がそれぞれ市町村史を刊行している場合もあるため、調査地によっては合併前の市町村名で市町村史を調べるのも有効です。
【たとえばこんな資料があります】
・S289/クマ 『熊谷市史』(熊谷市)⇒ 通史編、資料編、別編、調査報告書
・S279.3/ヨシ『吉川市史』(吉川市)⇒ 通史編、資料編、民俗編、調査報告書
・S237/カワ『川島町史』(川島町)⇒通史編、資料編、地誌編、調査資料
♢史・資料編・・通史編を作成する際に典拠とした史・資料等が掲載されています。
♢分野別・・・・民俗編、自然編、地名編、調査資料等を発行している市町村史もあります。
【インターネットで閲覧できる市町村史】
『北本市史』▶「北本デジタルアーカイブ」 (北本市)
『越谷市史』▶「越谷市デジタルアーカイブ」 (越谷市)
『鶴ヶ島町史』▶「鶴ヶ島市立図書館/鶴ヶ島市デジタル郷土資料」 (鶴ヶ島市立図書館)
『新座市史』▶「新座市立図書館 デジタルアーカイブ』(新座市立図書館)
『宮代町史』▶「宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料」 (宮代町立図書館)
『嵐山町誌』▶「嵐山町Web博物館 郷土史アーカイブ」 (嵐山町)※目次「第1章:地誌」に「第10節:嵐山町誌」あり
『和光市史』▶「和光市歴史の玉手箱 和光市デジタルミュージアム」 (和光市)
「埼玉関係データベース」(当館ホームページ)
「埼玉新聞記事見出し索引データ」、「埼玉関係雑誌記事索引データ」、「埼玉関係人物索引データ」、「埼玉県内史誌目次データ」の4つのデータを検索できます。
「埼玉県内史誌目次データ」は、『新編埼玉県史』、『武蔵国郡村誌』、『埼玉県教育史』、『埼玉県行政史』など県史に係る資料80冊以上の目次を検索できます。また、県内全市町村史誌の目次を検索できます。
やや専門的な資料で『○○史資料調査報告書」や『○○史研究』等を刊行している市町村もあります。これらの一部の資料は、 「埼玉関係雑誌記事索引」で記事等を検索できます。
「リサーチナビ 自治体史を探す」(国立国会図書館ホームページ)
「リサーチ・ナビ」は、調べものに役立つ情報を紹介する国立国会図書館の調べ方案内です。
テーマや各種資料ごとに、調査の参考になる資料、データベース、情報サイト、関係する機関などを紹介しています。
「国立国会図書館デジタルコレクション」(国立国会図書館ホームページ)
国立国会図書館がデジタル化した資料が利用できます。県内の市町村史(誌)も収録されているものもあり、検索・閲覧ができます。
検索して閲覧方法が「送信サービスで閲覧可能」となっている資料は、国立国会図書館での利用者登録 をしてご覧いただくか、当館のデータベース端末からご覧いただけます。
3 広報・議会だよりを調べる
市町村では政策や行事について住民に知らせるため、広報や議会だよりを定期的に刊行しています。選挙や議会、予算、公共事業など住民に必要な情報を、わかりやすく紹介しています。埼玉資料室では県内各市町村の広報誌を収集しており利用できます。また各市町村の公式ホームページでも公開しています。
【例えばこんな資料があります】
♢さいたま市の広報
・『市報さいたま』平成13(2001)年5月~最新号
・『市報さいたま 年鑑版(区版)』平成13年創刊号~前年号
♢旧浦和市の広報
・『広報うらわ』平成4(1992)年5月~13(2001)年4月(欠号あり)
・『浦和市広報』昭和30(1955)年12月~平成4(1992)年4月(欠号あり)
♢さいたま市議会だより
・市議会だよりさいたま』No.1~最新号(欠号あり)
※『ロクヨン』(No.34~ No.43)、『ロクマル』(No.44~最新号)と改称しています。
※「ロクマル」は、さいたま市議会のホームページ で公開されています。
・『市議会だよりさいたま 縮刷版』 No.1~ No.43
「埼玉県内自治体議会会議録」(当館ホームページ)
埼玉県議会会議録や県内市町村議会のホームページ(または自治体サイトのトップページ)のリンク集です。
4 地域の図書館・博物館で調べる
(1)図書館で調べる
図書館では地域資料コーナーなどが設けてある場合が多く、その地域に関する資料や市町村が刊行した資料を閲覧できます。
・統計、例規、政策、広報、各種報告書、市町村勢要覧などの最新情報が公開されています。
・トップページにある検索窓にキーワードを入力して検索できます。
「埼玉県内公共図書館等一覧」(当館ホームページ)
県内公共図書館のリンク集です。図書館のホームページにある「蔵書検索」でどんな資料を所蔵しているのか調べられます。
(2)博物館や郷土資料館で調べる
地域の博物館や郷土資料館では多くの収蔵品を保存管理し、展示の開催、展示図録や研究誌等を刊行しています。そのような刊行物は図書館で利用できるものもあります。
【例えばこんな資料があります】
・S223/シヤ『写真でたどる飯能市の70年』飯能市立博物館2023)
・S225/イマ『今・昔絵巻 いるまタイムカプセル』入間市博物館2011)
・S221/シリ『資料でたどる川越市の歩み』川越市立博物館2002)
「ようこそ埼玉の博物館へ 加盟館案内」(埼玉県博物館連絡協議会ホームページ)
埼玉県博物館連絡協議会に加盟している埼玉県内に所在する博物館(博物館類似施設を含む)情報が得られます。各博物館等のホームページへのリンク、企画展情報、加盟館園マップ等が掲載されています。
5 PDF版(2025年3月5日発行)
No.50 埼玉県の市町村を調べる (PDF:1.4 MB)
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