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文部科学省委託事業「令和3年度読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修」記録

「読書バリアフリー」という言葉を聞いたことがありますか。

私たちの周りにはさまざまな理由で読書に困難がある人達がいます。障害や高齢などの理由で見えにくい人、発達障害などの理由で見えても内容が分からない人、肢体不自由や寝たきりなどで本が利用できない人達などです。

そんな人たちの読書を支援するため、公共図書館・点字図書館・学校図書館等ではいろいろな形式の資料を使って、多彩なサービス方法で資料や情報を提供しています。
それらの資料やサービスをまるごとすべて紹介する研修を、令和3年度に開催しました。(主催:埼玉県教育委員会、主管:埼玉県立久喜図書館、共催:埼玉県図書館協会)

読書に障害のある当事者はもちろん、家族の方、支援者、図書館関係者、学校図書館や特別支援に関心のある教職員、音訳資料等を作成している方など、多くの方に御参加いただき、好評をいただきました。

研修の成果はDVDにして、各都道府県立図書館にお送りしております。
DVDを御覧になりたい方は、お住いの地域の都道府県立図書館にお問い合わせください。

研修内容などを、以下に御紹介いたします。

1 研修の内容

2 研修成果DVDについて

3 問い合わせ先

4 読書バリアフリー法について

1 研修の内容

講演「録音資料製作と音訳者に求められる技術」

講師:安田知博氏(音訳講師・フリーアナウンサー)

安田氏の写真

自身が録音資料ユーザーであり、音訳にも携わっている安田氏より、音訳技術向上のためのポイントについて御講義いただきました。

用意された原稿を会場参加者が読み、講師が指摘していくという緊張感ある実戦形式です。日々の音訳に関する疑問にも分かりやすくお答えいただいています。

【アンケートより】

  • 「自然に読むカッコの読み方などとても良く理解できた」
  • 「リスナーとしてのご意見、図表等の情報の絞りこみ手法など、具体的で参考になりました」
  • 「中学の国語の講師ですが、音読するのに役に立つ内容でした」

記念講演「発達障害の子供を持つ親として思うこと 子育てから学びまで」

講師:牧野綾氏(調布デイジー代表)

牧野氏の写真

講師の牧野氏は、調布市内でマルチメディアデイジー教科書の制作活動をしている「調布デイジー」の代表者であり、図書館職員であり、読み書きが苦手なお子さんを持つ親でもあります。

当事者・支援者の視点から、文字が読みにくいとはどういうことか、学校や図書館ができる支援方法などについてお話しいただきました。

【アンケートより】

  • 「発達障害をもつ子どもの親、という今まで知る機会のなかった立場からのお話がとても参考になった」
  • 「11人に合った学習方法や進路をみつけることの重要性を学んだ」
  • 「どんな障害があっても、読書を楽しむ方法があるのだと改めて考えさせられました」

パネルディスカッション「読書バリアフリー法を活用して視覚障害者等への情報提供を 公共図書館・学校図書館・点字図書館の役割」

パネリスト:杉山雅章氏(川崎市視覚障害者情報文化センター所長)、生井恭子氏(東京都立鹿本学園)、牧野綾氏

パネルディスカッションの写真1

パネルディスカッションの写真2パネルディスカッションの写真3

公共図書館・学校図書館・点字図書館それぞれにお勤めの3名のパネリストに御登壇頂きました。

杉山氏からは、視覚障害者情報文化センターが行っている視覚障害者に寄り添った幅広い支援について御紹介頂きました。

生徒が使いやすい図書館を1から作り上げた生井氏に、特別支援学校の読書や、おはなしの会「うさぎ」の誕生秘話もお話頂きました。

牧野氏に再度御登壇頂き、図書館職員としてのバリアフリーサービスについて、そして予算獲得の裏話について伺いました。

【アンケートより】

  • 「バリアフリーサービスに携わる方々が長く根気強く活動を行ってきたからこそ、読書バリアフリー法成立へとつながったのだなと皆さんの発表を聴き感じました」
  • 「それぞれ具体的なお話で、充実感がありました」

行政報告「読書バリアフリー法とその基本計画」

講師:戸田陽介氏(文部科学省職員)

戸田氏の写真

令和元年度に施行された「読書バリアフリー法」。よく耳にはするけれど、どのような法令なのでしょう。図書館が行うべきはどんなこと?

文部科学省 総合教育政策局地域学習推進課 図書館・学校図書館振興室の戸田氏より、読書バリアフリー法について、具体例を交えながら御教授頂きました。

【アンケートより】

  • 「全国の図書館や教育に関わる施設での具体的取組み事例を紹介いただき、勉強になりました」
  • 「学校図書館との連携・福祉部局との連携について考えさせられました」

講義「さまざまな障害者サービス用資料とその使い方、サピエ図書館の紹介」

佐藤聖一氏(埼玉県立久喜図書館)、望月優子氏(さいたま市立中央図書館)

佐藤氏の写真

活字が読みにくい方は、拡大図書、音声デイジー、点字図書など様々な資料で読書を楽しんでいます。ではそれらの資料をどのようにして入手しているのでしょうか。図書館が行っている基本的なサービスと、インターネットを通じて資料のやり取りができる「サピエ図書館」を分かりやすく御紹介しています。

【アンケートより】

  • 「存在は知っていたけれど、実際に見る・聞く機会のなかった資料について、詳しく知ることができ、とても勉強になりました」
  • 「デイジーなどを実演していただいたので、具体的なイメージをつかめてよかった」

事例紹介「視覚障害者の最新の読書環境 点字・デイジーから電子書籍の音声読み上げ機能まで」

講師:荒川明宏氏((株)ラビット代表取締役)、木下良一氏((株)ラビット)

荒川氏の写真

活字をスマホに映すと音声で読み上げてくれるアプリや、視線を向けた先にある物の名前を教えてくれる眼鏡型カメラ・・・そんな夢のような装置が、もうこの世にはあるそうです。視覚障害者のための最新の機器を、荒川氏に御説明頂きます。

【アンケートより】

  • 「最新の情報を学べてとてもためになりました」
  • 「知らなかった読み取りツールを知ることができ、興味深かったです」

2 研修成果DVDについて

DVDの閲覧を御希望の方は、まずはお近くの都道府県立図書館に御連絡お願いします。

*以下のルールは、非営利の利用に限定します。(有料の研修会などでの利用の場合は、御相談ください。)

DVDの取り扱い

(1)上映について

  • 図書館・公民館・市民団体の研修会などでの上映、またはオンラインでの送信が可能です。(参加者による保存は認めません)
  • 配布資料データを紙に複製して、またはデータをメールなどに添付して提供することができます。

(2)図書館や図書館関係者への提供について(いずれの場合も同梱の資料データCDを含む)

  • 市区町村立図書館や公民館への相互貸借が可能です。
  • 市区町村立図書館に複製して貸し出す、または配布することが可能です。ただし、提供先の図書館にもこのページの文書を送って、同じルールで利用してもらうようにしてください。
  • 図書館職員・自治体職員などが個人で利用することができます。
  • 画像データ・資料データを職員のみが利用できるクラウド上に保存して、利用することができます。

(3)市民への貸し出しについて(同梱の資料データCDを含む)

  • 利用者に個人貸出をすることが可能です。複製して配布することはできません。

(4)データのウェブサイト掲載について

  • 画像データ・資料データをウェブサイトに掲載したり配信したりすることはできません。

3 問い合わせ先

埼玉県立久喜図書館 バリアフリー読書推進担当
電話番号 : 0480-21-2659
メールアドレス:lib-shogai●pref.saitama.lg.jp(●を@に差し替えてください)

4 読書バリアフリー法について

令和元年に制定された「読書バリアフリー法(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)」は、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにするための法律です。
第九条では、国及び地方公共団体は、各図書館について、点字図書館とも連携して、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、利用のための支援の充実、図書館の利用に係る体制の整備が行われるよう、必要な施策を講ずるとしています。

法令の全文はe-Gov法令検索の視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」のページから確認できます。

読書バリアフリー法に基づく埼玉県の施策については、埼玉県の読書バリアフリー推進計画関連情報を御覧ください。

活字の読みにくい児童生徒の読書については、学校図書館等における読書バリアフリーコンソーシアムウェブサイトを御覧ください。