小学校5,6年生むけ 令和元年度紹介
令和2年春紹介(しょうかい)
科学者の目
かこさとし 文と絵 童心社 2019年
科学技術を発展させた41人の科学者。その人がらや生涯(しょうがい)、発見や業績(ぎょうせき)などが、1人あたり4ページほどで書かれています。あまり知られていない科学者もいますが、ただ単にすごい発見をしたえらい人ということではなく、「真の科学者とはどうあるべきか」がわかりやすく書かれています。
かこさんによる肖像画(しょうぞうが)とともに、副題としてその人の「目」を一言で表現しているのも面白いです。
しずかな魔女
市川朔久子 作 岩崎書店 2019年
不登校の草子(そうこ)は、毎日図書館ですごしています。ある日、司書の深津さんから <しずかな子は、魔女(まじょ)に向いてる> というメモをもらい、草子がたずねると、二人の女の子の夏休みをえがいた物語をわたされます。
<しずかな子は、魔女に向いてる>と教えられた二人が、「魔女修行(しゅぎょう)」をした夏休みのお話です。
「魔女修行」をした女の子たちから、草子が受け取ったものを、みなさんも感じてみてください。
きつねの橋
久保田香里 作 佐竹美保 絵 偕成社 2019年
平安時代、名をあげるべく京の都にやってきた平貞道(たいらの さだみち)は、人に化けた白狐(しろぎつね)、葉月(はつき)に出会います。
盗賊(とうぞく)と戦ったり、宮中にしのびこんだりするたびに、葉月に助けられ、やがて二人の間にきずなが生まれます。そして、葉月の正体が知られてしまいそうになった時、貞道がとった行動とは?
個性(こせい)豊かな登場人物たちから目がはなせない、歴史(れきし)ファンタジーです。
令和1年秋紹介(しょうかい)
手紙 -ふたりの奇跡-
福田隆浩 著 講談社 2019年
秋田市に住む六年生の穂乃香(ほのか)は、会ったことも話したこともない長崎市の六年生の耕治(こうじ)に手紙を書きます。その手紙の内容(ないよう)は「わたしのお母さんが若(わか)いとき、長崎市で体験した奇跡(きせき)みたいな出来事がなにかをいっしょに探してほしい」というものでした。
ふたりは、まずありのままの自分を伝えようと、手紙のやりとりを始めます。
そして、ふたりは手紙のやりとりを通してお母さんの秘密(ひみつ)をさがしていきます。
ことばハンター 国語辞典はこうつくる
飯間浩明 著 ポプラ社 2019年
著者(ちょしゃ)の飯間浩明(いいまひろあき)さんは、新しいことばさがす「ことばハンター」です。ことばが大好きな飯間さんの仕事は国語辞典を作ること。
辞典作りには、地道な努力と、とても長い時間がかかります。
目指すのは、「人と人とのことばのやりとりを手助けする」国語辞典です。そのために、日々、人々によりそうようなことばの説明を考えています。
飯間さんのことばへの熱い想いと、辞典が身近に感じられる本です。
ふしぎなカビ オリゼー 千年の物語 ~和食をささえる微生物~
竹内早希子 著 岩崎書店 2018年
日本にしかいないふしぎな微生物(びせいぶつ)オリゼーの仕事、それは「しょうゆやみそ、お酢(す)、酒、みりんを作ること」。
そして、約六百年も前からそのオリゼーを育て守ることで、日本の伝統(でんとう)の味を守ってきた「もやし屋さん」。もやし屋さんは長い歴史(れきし)の中で、何度も、何軒(なんげん)も、危機(きき)に直面した醸造屋(じょうぞうや)さんをささえ続けてきました。
さあ、もやし屋さんとオリゼーの謎(なぞ)をのぞいてみましょう。
令和1年夏紹介(しょうかい)
しあわせの牛乳
佐藤慧 著 安田菜津紀 写真 ポプラ社 2018年
岩手県岩泉町にある「なかほら牧場」では、日本でもめずらしい「山地酪農(やまちらくのう)」をおこなっています。牛たちは自然の草を食べ、山でうんちをし、そのうんちを栄養にして草が育つ。
「牛も人間も、しあわせに生きていける酪農を実現するんだ!」
きびしい環境の中、決してあきらめず困難(こんなん)をのりこえ、信じた道をつき進んだ牧場長の中洞(なかほら)さんが山地酪農を完成させるまでを追いかけたお話です。
ビワイチ! 自転車で琵琶湖一周
横山充男 作 よこやまようへい 絵 文研出版 2018年
山本斗馬(とうま)は滋賀(しが)県に住む小学6年生。
始業式の日、クラスメイトが春休みの思い出を発表する中、何も語れずこまっていました。あこがれの女の子が、自転車で琵琶湖(びわこ)を一周する、「ビワイチ」に挑戦(ちょうせん)したことを知り、あせります。
そこで、滋賀の子たちにとって大人への第一歩というべきこのイベントに、斗馬も挑戦することにしました。
はたして、斗馬は無事に一周することができるのでしょうか?
池の水をぬいた! ため池の外来生物がわかる本
加藤英明 文 越井隆 イラストレーション 徳間書店 2018年
池の水をぬくことを、「かいぼり」とよびます。
ため池の水をぬいて池の底をきれいにし、天日ぼしをして、もう一度水をはります。
最近は、ゴミや本来池にすんでいない外来生物が、池の生態系(せいたいけい)を変えてしまったりします。かいぼりをすることで、自然の豊かな池にもどすことができます。
「ため池」の歴史、「かいぼり」のこと、そして外来生物についてまでわかる本です。