小学校5,6年生むけ 令和4年度紹介
令和4年夏紹介(しょうかい)
楽しく読みとく鳥獣戯画 1 個性的なキャラクターたち
三戸信惠/監修 WAVE出版 2021
『鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)』を知っていますか?平安時代から鎌倉(かまくら)時代にえがかれた国宝の絵巻(えまき)で、4巻からなります。文字は書かれておらず、えがかれている多くの動物たちは、擬人化(ぎじんか)といって人間のような動きをしています。
うさぎとかえるはすもうや弓矢で勝負をし、さるはすごろくなどのゲームを楽しんでいます。動物や人物の表情(ひょうじょう)にも注目して、楽しく読みときましょう。
なんで洞窟に壁画を描いたの?美術のはじまりを探る旅
五十嵐ジャンヌ/著 中島梨絵/画 新泉社 2021
秋山理乃(りの)は歴史(れきし)が大好きな中学1年生。歴史の事なら、何でも興味津々(きょうみしんしん)だ。
ある日、おじいちゃんと、大昔にヨーロッパの洞窟(どうくつ)にえがかれた壁画(へきが)「ラスコー展」を見に、博物館へ行った。
謎(なぞ)の多い壁画に圧倒(あっとう)される理乃。さらに、研究者タバタさんとの出会いによって、理乃ははるか遠いフランスへ行くことに。
理乃の壁画の謎をさぐる壮大(そうだい)な旅が始まった。
マンチキンの夏
ホリー・ゴールドバーグ・スローン/作 三辺律子/訳 小学館 2022
背(せ)が低いジュリアは、音楽も苦手。それなのに、夏休みにママの言いつけで劇(げき)のオーディションを受けるはめになってしまった。
しかも、『オズの魔法(まほう)使い』のマンチキン(小人)役に選ばれてしまったから、もう大変!
けれども、いつしかジュリアも真剣(しんけん)に劇と向き合うようになっていく。
ひと夏の挑戦(ちょうせん)が一人の少女をかえる。果たしてジュリアは無事にマンチキンになれるのか。
令和4年秋紹介(しょうかい)
アーマのうそ
キャロル・ライリー・ブリンク/作 谷口由美子/訳 堀川理万子/絵 文溪堂 2022
本をよむのが大好きなアーマは、ある日クラスメイトに大きなうそをついてしまいます。
「あたし、世界一大きな人形を持ってる。あたしくらいの背があって、あたしの服が着られるの」
一人の子についたうそがあっという間にクラスのみんなにまで広まってしまいます。さらに、学校の催(もよお)しの出し物として、その人形を出したいということに。心落ち着かない日々を過ごすアーマ。このピンチをどのように乗りこえるのでしょうか。
荒野にヒバリをさがして
アンソニー・マゴーワン/作 野口絵美/訳 徳間書店 2022
ニッキーと特別支援(しえん)学校に通う兄ケニーは、ちょっとしたハイキングのつもりが、雪が積もるなか、はい色の丘(おか)をさまよっていた。どうやら迷子(まいご)になったらしいと思ったニッキーは、ケニーを安心させようとあせる気持ちをおさえ、吹雪(ふぶき)の中、歩き続けていった。
しかし、あたりはだんだん暗くなっていく。
そして、指のあいだから落ちたスマホに手をのばした時、ニッキーは、がけから落ちていった。
星ぼしでめぐるギリシア神話
百々佑利子/著 花松あゆみ/絵 岩波書店 2022
ギリシア神話を知っていますか?はるか昔に生まれて今にいたるまで、何千年もの時をこえ伝えられてきた、神がみの物語です。
ギリシア神話に登場する神がみや英雄(えいゆう)、動物たちは、ジュピターやビーナスのように惑星(わくせい)の名前や、カシオペア座やオリオン座などの星座の名前になっています。
夜空を見上げて、星ぼしの物語を楽しんでください。
令和5年春紹介(しょうかい)
ガリバーのむすこ
マイケル・モーパーゴ/作 杉田七重/訳 小学館 2022
オマールは、戦争で家も父さんも妹も失ってしまった。生き残ったオマールと母さんは、せまりくる戦争からのがれるため、難民(なんみん)キャンプから海へ目指して歩き続けた。ようやく海にたどり着いたが、一人しかボートに乗ることができない。母さんとイギリスで会うことを約束し、ボートに乗りこんだオマール。しかし、大あらしでボートがしずみ始め、オマールは海に投げ出されてしまった。次にオマールが目ざめるとそこは...。
手で見るぼくの世界は
樫崎茜/作 酒井以/装画・挿絵 くもん出版 2022
病気が原因で目が見えなくなった佑(たすく)は、視覚支援(しかくしえん)学校の小学部に通っていた。たった一人の同級生である双葉(ふたば)は、いつも佑をささえてくれていた。ところが双葉は、卒業間近に起こったある出来事をきっかけに、学校を休むようになる。ラインをしても返事がこない。
中学部に進んだ佑は、一人で双葉に会いに行くために、白杖(はくじょう)を使って、おそれていた外の世界へ歩み出す練習を始めた。
バンドゥーラ "ジャングルの誇り"とよばれたゾウ
ウィリアム・グリル/作 佐藤見果夢/訳 評論社 2022
ビルマ、今のミャンマーでは昔から人とゾウが力を合わせて林業をいとなんできました。重い木を運んでくれるゾウは生活にかかせない動物です。イギリスからやってきたウィリアムズは、そこでゆうかんなゾウ、バンドゥーラに出会います。
第二次世界大戦中、ウィリアムズたちがくらす場所にもやがて戦火(せんか)が近づいてきました。安全な土地にのがれるため、ジャングルをこえるきびしい旅を決意します。