小学校3,4年生むけ 令和2年度紹介
れいわ3年春紹介(しょうかい)
コヨーテのはなし
リー・ペック 作 ヴァージニア・リー・バートン 絵 安藤紀子 訳 徳間書店 2020年
もっともかしこい動物はなんでしょうか? アメリカ先住民やメキシコの人びとは、コヨーテだといいます。
コヨーテはオオカミに似(に)たイヌ科の動物で、北アメリカ大陸に多く生息し、アメリカの先住民の昔話や民話にたくさん登場します。
そのかしこさから、人間に「火」や「太陽」をあたえたり、他の動物を助けるいっぽうで、からかったりだましたりもします。
そんなコヨーテが登場する17話のおはなしです。
トゥクパをたべよう
プラバ・ラム ぶん シーラ・プルイット ぶん シルパ・ラナデ え イマジネイション・プラス 2020年
目の見えないツェリンは、つえをつきながら家へと急いでいます。だって、こんやのごはんは、ばあちゃんが作るおいしいごちそうスープのトゥクパ。ツェリンは、出会った人に「たべにくる?」とさそいます。
みんなが集まり、ばあちゃんがトゥクパを作り始めた時、てい電で家の中はまっくらに。ばあちゃんがこまっていると、ツェリンが「ぼくにまかせて」。においと手ざわりで手伝い、大かつやくします。
わたしたちの家が火事です 地球を救おうとよびかけるグレタ・トゥーンベリ
ジャネット・ウィンター 文・絵 福本友美子 訳 鈴木出版 2020年
世界に向けて、グレタはこう言いました。
「わたしはあなたがたに希望(きぼう)をもってほしくありません。もっとあわててもらいたいのです。」大人しかったグレタは、地球温暖(だん)化のおそろしさを知ると思い切った行動にでます。
学校を休み、大人たちに抗議(こうぎ)したのです。その行動は世界中の子どもたちを動かしました。
一人のしずかな声は、やがて一つの大きなさけび声になる。この声を聞いてあなたは何をしますか?
れいわ2年秋紹介(しょうかい)
お蚕さんから糸と綿と
大西暢夫 著 アリス館 2020年
昔は、日本中で育てられていた「お蚕(かいこ)さん」。小さなお蚕さんですが、10,000頭育てるには、大きくなると一日で80kgもの桑の葉を食べつくします。お蚕さんのはき出すせんいは、生糸(きいと)になり、真綿(まわた)になります。お蚕さんの命をいただき、つむいだ糸は、わたしたちの生活をゆたかにしてくれます。
滋賀県のある集落で、お蚕さんを育て、糸をつむぎ、真綿を作る西村さん一家の様子を美しい写真でしょうかいします。
セイギのミカタ
佐藤まどか 作 イシヤマアズサ 絵 フレーベル館 2020年
四年生のぼくは、はずかしいと思うだけで、顔が赤くなってしまう「赤面症(せきめんしょう)」。すぐ顔が赤くなるぼくは、同じクラスの大我(たいが)にそのことをからかわれる。でも、ぼくがもっと苦手なのは、大我にからかわれているといつも「セイギのミカタ」のように止めに入る周一(しゅういち)。ぼくは、周一の行動にもこまっていた。だけど、一番いやなのは、そんな気持ちを伝えることができないぼくだった。
わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話
鈴木海花 文 はたこうしろう 絵 福音館書店 2020年
岩手県の葛巻(くずまき)には、においを出す「やっかいもの」のカメムシがたくさんいます。ある日、小学校の校長先生が、子どもたちにカメムシをしらべて<カメムシはかせ>になろう!と声をかけました。
カメムシを見つけたら写真をとり、図鑑(ずかん)で名前を調べて、廊下(ろうか)の壁(かべ)にはりました。こうして、子どもたちによるカメムシさがしが始まったのです。
れいわ2年夏紹介(しょうかい)
金魚ははらぺこっ!!
H.M.ボウマン 作 渋谷弘子 訳 タカタカヲリ 絵 文研出版 2019年
エリナーは、アパートにひっこししてきた女の子。そのアパートには、男の子のオーウェンも家族と住んでいて、二人はすぐに友達になります。
エリナーは、大好きな金魚が死んでしまったのは、ひっこししたせいで、今まで住んでいた家にもどりたいと考えていました。エリナーは家出を実行するため、オーウェンに協力をたのみます。家出計画の暗号は「金魚ははらぺこ」。エリナーとの約束のため、オーウェンは決だんします。
ナマコ天国
本川達雄 作 こしだミカ 絵 偕成社 2019年
ナマコって知ってる?海の中で生きている動物だよ。
ナマコは、ギュッとにぎったら、かたくなり、ごしごしこすれば、とけちゃう。まっぷたつに切ると2ひきにふえる。おまけに、ナマコは目も鼻も脳(のう)も心臓(しんぞう)もない!
さらに、敵(てき)に食べられそうになったら、腸(ちょう)をはきだして、敵にあげちゃう。でもだいじょうぶ。腸はまた、はえてくる。
そんなふしぎなナマコには、まだまだひみつがいっぱいあるよ!
森の診療所ものがたり カモの子がやってきた
竹田津実 作 岡本順 絵 偕成社 2019年
野生動物の保護(ほご)が、「ユウカイ」になってしまうこともあるなんて、あなたは知っていましたか?
「森の診療所(しんりょうじょ)」には、今年も人間に「ユウカイ」されたカモのヒナたちがつれてこられました。院長はつれてこられたヒナを、自然に返そうとしますが、なかなかうまくいきません。母ガモの代わりにヒナたちを育て、巣立ちを見とどける院長のすがたから、野生動物との向き合い方がわかる一冊(いっさつ)です。