2018年4月
2018年4月7日
ビジネス支援講座「仕事に活かすデータ分析入門」を開催しました
去る3月11日、ビジネス支援講座
「仕事に活かすデータ分析入門 ~『ロジック』と『ストーリー』でデータ分析の説得力アップ!」を、
熊谷商工会議所を会場に開催しました。
ビッグデータ時代の到来によって、ビジネスパーソンにとって「データの分析、活用」が必須のスキルになりつつあります。
事業計画や意思決定のため、また時代や社会の動きやニーズを読み、自分の会社・組織の強み弱みを把握するためにもデータ分析は欠かせません。
そのため大企業では専門家を雇ったり、データ分析を専門機関に外注していますが、中小企業や個人はそうはいきません。
県立図書館では、22種の商用データベースを無料で提供し、統計やデータ探しのお手伝いしてきましたが、これからはデータの活用方法も支援していきたいと考え、この講座を企画しました。
講師は、データ&ストーリーLLC代表 柏木吉基(かしわぎ・よしき)氏。
データ分析・ロジカルシンキングを武器とした課題解決トレーナーとして、企業や自治体などからひっぱりだこのプロ講師です。
当日は、県内有数の企業の経営者を含むビジネスパーソンから、商工機関職員、自治体職員まで、69名の参加があり、みなさん頷きながら熱心に耳を傾けていました。
今回の講座の目的は「データ分析の基本について理解を深める」とともに、
それぞれの課題を解決するために「必要な考え方を学ぶ」こと。
データを取ってみた。グラフにしてみた。さて、どうやって分析しよう.. これは NG!!
「データをじっくり眺めていても、答えなんて出てこない」
何を知りたいのか、何のためにデータ分析をするのか。データを集める前に、まず 目的を明確にし、仮説を立てる。
そして、答えを見つけるために データの特徴を多面的に捉える、比較する。
データには大きさ、比率、推移、バラつきといった尺度があります。まずは2つの軸のデータを比較してみる。どう組み合わせれば、過去のデータから一般的な原則、ストーリーを見つけられるのか、試行錯誤する。
小学生にして柏木先生の著書を全冊読破したという、息子さんの夏休み研究を事例として、データ分析のはじめの一歩をわかりやすく解説してくださいました。
これを書いている私自身、今まで業務統計やアンケート調査をただ何となく実施し、報告してきたわが身を振り返り、恥ずかしくなりました..(それは「データ分析」でなく、単なる「データ整理」と言うのだそうです)。
講座の最後には「必要な情報収集については、(図書館を含む)行政を利用するとよい。コストをかけなくてもデータを入手できる」とご紹介くださいました。
実は、柏木講師には講座の前に熊谷図書館ビジネス支援室をご案内したのですが、「豊富な情報が得られる、地域経済の活性化に役立つ」と嬉しいご感想をいただきました。
講演のあとは、埼玉県統計課より「役に立つ統計ツールについて」のミニ講座。
統計課では「彩の国統計情報館」(https://www.pref.saitama.lg.jp/theme/tokei/index.html)を公開しています。
埼玉県の様々な統計データを入手でき、将来人口や経済波及効果の計算もできる便利なサイトです。
県庁内にある「統計相談室」 (https://www.pref.saitama.lg.jp/a0206/toukeisoudanshitsu.html)で各種統計書を閲覧したり、電話で相談することもできます。
最後に、司書より熊谷図書館のビジネス支援室をご紹介しました。
「熊谷図書館のビジネス支援室をご存知ですか..?」
データ分析以前に、必要なデータをどう探してよいか困惑している方も多いかもしれません。そんなみなさんの情報・データ探しのお手伝いをするのが図書館です。
ビジネス支援室で一番人気のデータベース
「市場情報評価ナビ MieNa」(商圏分析)や
「TSR企業情報ファイル CD-Eyes50」(企業情報) についてもご案内しました。
個人で契約するには高額なデータベースが図書館では無料で検索できますので(コピーは実費)、遠方からこれらを目当てに通ってこられる方も少なくありません。
おかげさまで、講座終了後には「データベースを試してみたい!」と熊谷図書館へ駆け込んでくださる方もいらっしゃいました。
参加者のご感想より
- データを見る前にまず考える。目的をはっきりさせて要因をつかむ思考について、素人が陥りやすいポイントを事例も踏まえて説明してくださったので、概念が変わって視野が広がりました。
- データ整理とデータ分析の違いは明確で分かりやすかったです。ビジネスに取り入れて、有効活用したいと思います。
- 仮説の上でデータ整理する2軸での分析は衝撃でした。
会場には柏木講師の著作や、統計・データ分析を学ぶ図書、雑誌を展示。
休憩時間や講座終了後に、みなさんが非常に熱心に図書をご覧になっていたのが印象的でした。
講座で基本的な考え方を学び、さらに図書を読んで実践してみよう!という意気込みが伝わってきました。
柏木先生の著書 も、講座同様、とてもわかりやすくデータ分析を学べるので、おススメです。
柏木吉基氏著作リスト/「ビジネス数字を味方に」おすすめ資料リスト
https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/business/kashiwagiyoshiki_list.pdf
県立熊谷図書館 ビジネス支援サービスのご案内
https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/business/index.html