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2011年8月

2011年8月31日

障害者サービス担当の紹介など

こんにちは。
久喜図書館の障害者サービス担当です。

こちらの担当からの投稿は初めてということもありますので、
最初に簡単に仕事の内容を紹介させていただきます。

障害者サービス担当は、主に録音資料(図書や雑誌を音読して録音したもの)や点字資料の貸し出しをしているところです。
なお、これらの資料をご利用いただける方は、長らく視覚障害の方だけでしたが、
平成21年6月に著作権法が改正されたことを受けて、現在は「活字による読書に障害のある方」へ
対象を広げてサービスをしています。
(詳しい説明は図書館ウェブサイト「視覚障害者等へのサービスのご案内」https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/shogai/sikaku.htmlをご参照ください。)


・・・と、お知らせはこのへんにさせていただき、
今回は録音資料についてのお話をしたいと思います。


現在、広く利用されている録音資料には、主に2種類の形式のものがあります。

デイジー図書の写真.jpg
デイジー(DAISY)図書とデイジー再生機
デイジー図書は、一見音楽CDと同じですが、専用の再生機などを使って聞くようにできています。

テープ図書の写真.jpg
テープ図書
テープ図書はカセットデッキなどで聞けます。


2枚の写真のデイジーとテープは、元は同じ1冊の活字本です。
デイジーは、テープと比べて容量が大きいので、だいたいの図書が1枚に収まります。
テープのアナログな感じもいいですが、入れ替える手間などない分、使う方はデイジーのほうが楽かもしれません。

テープもまだ現役ではありますが、録音資料の製作、利用の主流はデイジーになってきています。
録音資料の世界も、アナログからデジタルへ、という流れなのかもしれません。

デイジーについては、次の機会に詳しくご紹介します。

(文責:障害者サービス担当 S)

2011年8月24日

中学生の職場体験

熊谷図書館では、毎年夏休み期間中に2~3校、中学生の職場体験・社会体験の受入を行っています。
今回は、8/10~8/12に実施した、深谷市立上柴中学校2年生4人の職場体験の様子をご紹介します。


初日は、まずガイダンスから始まります。

図書館の概要や、仕事内容についての説明の後に、館内見学を行いました。
1階から3階の閲覧室と、1層から5層の書庫、電動式書架を収めた収蔵庫を回ります。所要時間は、45分ほど。
せっかくの機会なので、1800年ころの和綴じ本なども、手にとってもらいました。


1周ぐるりと館内を巡ったあとは、職場体験期間中の3日間を通して行う基本的な仕事、「配架」と「書架整頓」について説明をします。

棚の並び方や、本の分類方法など覚えることがたくさんあります。


※「配架」とは、決められた順番(分類)に従って、本を棚に正しく並べる仕事です。


説明のあとは、2Fの閲覧室へ移動して、さっそく作業スタートです。

窮屈な棚もあって、本を納めるのに苦労していました。
P7110156.JPG

お昼休憩をはさんで、午後は、図書の検索シミュレーション。
利用者からリクエストのあった本を、どのように探していくのか、様々な検索システムを体験しました。

県立図書館の検索システム・・・県内横断検索システム・・・総合目録ネットワーク・・・〈目録〉なんて、初めて聞く言葉でしょうか。
真剣に説明を聞いています。
P7110158 (2).jpg

初日の最後は、本の修理体験、「四つ目綴じ」に挑戦です。
A5の冊子に、4つ、目うちで穴を開けて、糸で綴じていきます。
いかに糸を通しやすい穴を開けるかがポイント!
皆さん、上手に作ることができました。
P7110162.JPG

2日目・3日目も、本の装備をしたり、新聞のスクラップブックを作ったり、16mmフィルムの試写を体験したり、盛りだくさんの内容です。
本の装備の様子。バーコードシールを貼っています。

P7120165.JPG

意外と力を使う仕事もあって、最終日はかなり疲れた様子。

それでも熱心に作業に取り組む姿は、とても気持ちよく、印象的でした。


今回の体験を、これからの生活の中で活かしてもらえると嬉しいです。

2011年8月19日

土地の記憶と古地図

少し前の話になりますが、5月10日に県立浦和図書館からNHKゆうどきネットワークの生中継が行われました。
この放送以外にも各局の情報番組や朝のニュース番組、読売新聞を始めとする新聞各紙で、埼玉資料室と古地図が取り上げられました。

それは「現在の南栗橋駅周辺にあったといわれる沼の名前と位置を確認したい。」という質問から始まりました。
郷土資料の中には、沼の点在を語った古老の記録がありますが、折々の土地の経過を表す地形図から、沼の名前や位置を読み取ることはできませんでした。
唯一明治期に作成された迅速測図のみが古老の記録を裏付ける痕跡を示していました。

bousai2.jpg

<取材のきっかけになった展示「いざという時のために-知って備える 埼玉県防災資料-」>

この迅速測図がその後話題を呼び、埼玉資料室に多くのお客様が訪れるきっかけとなり、冒頭で御紹介した生中継にもつながったのです。
迅速測図は現代の測量につながる地図として、また大規模な開発が行われる前の埼玉県をうつす地図として、郷土史を研究される方に良く知られている地図です。

自分の住む場所にはどんな歴史があるのか。過去に何が起こったのか。古い地図をはじめ、土地条件図や地質図から、土地に刻まれた歴史を読み取ることが出来ます。また過去の災害史は未来への予測ともいえます。

ご参考に、
埼玉資料室でご覧いただける地図の案内です。
「土地の昔、土地の現在を知るには」
https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/saitama/pdf/tizuannai.pdf

また、県立久喜図書館で所蔵している
『日本の液状化履歴マップDVD 745-2008』
(東京大学出版会 2011)
※貸出はできません。図書館内でご覧ください。
も、過去の地震で起きた液状化の地点など履歴がわかります。


東日本大震災以降、家族や地域のつながりの重要性が再認識されてきました。
9月1日防災の日を前に、水や食料の確保と一緒に、ぜひ知識も備えて下さい。地域の特色に応じた備えはそれぞれに異なるはずです。

各市町村のハザードマップの確認とともに、家族で、地域で、土地の昔とこれからを知るきっかけに、図書館を訪ねてみませんか。
県立図書館のみならず、お住まいの地域の図書館もあわせてご利用下さい。思いがけない発見があるかもしれません。

埼玉資料室からでした。

2011年8月11日

夏休みの子ども室

久喜図書館子ども室です。

夏休みは、一年でいちばんにぎやかな時期。

いつも来てくれる「常連さん」だけでなく、
普段は忙しくてこられない「時折くん」や
宿題やらなきゃの「はじめてちゃん」まで
毎日、たくさんの子どもたちがきてくれます。

そんな子どもたちを
子ども室では、あの手この手でお出迎え。

tenji-umi2.jpg
<ミニ展示「でかけよう!うみ・やま・キャンプ」>

季節にぴったりの絵本をあつめました。
本の中では、どこへでも出かけられますよ。



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<窓辺の緑のカーテン>

毎朝、ポカリポカリと咲く朝顔

よ~く見ると、ニガウリの赤ちゃんや葉っぱの裏にバッタがひそんでますよ。

shirokuma.jpg
<おはなしの部屋のしろくまさん>

8月10日(水)は、毎月2回の小さい子向けおはなし会の日
8組20人の方が親子で参加してくれました。
絵本や手遊び、わらべうたであっという間の20分。
小さなおはなしの部屋がぎっしり、熱気であふれました。

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絵本『ひとつひまわり』

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わらべうた「ちゃぷちゃぷ小波」

<今日のプログラム>

絵本 『ひとつ ひまわり』
絵本 『せんべ せんべ やけた』
わらべうた 「ここはとうちゃんにんどころ」「ももやももや」「ちゃぷちゃぷ小波」「もどろもどろ」「ぞうきんがけ」

おはなし会は、毎週土曜日15時から
小さい子向けおはなし会は、第2・4水曜日の11時から
やっています。

猛暑が続く夏、楽しみをみつけに、ぜひ子ども室におこしください。

2011年8月4日

本の修理ボランティアに参加しました

「諦めない」震災復旧に立ち向かう茨城県立図書館
~本の修理ボランティアに参加しました~

久喜図書館のよーかん&ぺこです。

8月3日(水)、東日本大震災の影響で休館が続く茨城県立図書館に行って、
本の修理ボランティアに参加してきました。

付近には、茨城県指定史跡の「水戸城跡(塁及び濠)」、
水戸藩の藩校であった旧弘道館があります。

同館は旧県議会議事堂を改修した建物で、震災の被害に関しては
蔵書ももちろんですが、建物の被害も大きかったそうです。

館内を見学させていただいたところ、
壁材の落下箇所等を工事するための足場が組まれており、
今なお復旧工事が続いていました。

ibaraki.jpg
<復旧工事中の館内>


今回参加したのは、
「Help-Toshokan 図書館支援隊」 (http://www.jla.or.jp/home/earthquake/tabid/346/Default.aspx)
という、日本図書館協会の被災地図書館への支援活動の一つ。

本棚から落下して壊れた大量の本を修理してほしい、
という茨城県立図書館からの要請にこたえて、
修理ボランティア隊として9名が派遣されました。
うち3名がよーかん、ぺこを含む埼玉県立図書館の職員でした。

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<修理はこつこつ地道な作業>

1冊ずつ、手作業で本を修理するのはたいへん時間がかかりますが、
茨城県立図書館の職員や修理ボランティアの方々と共に、
計180冊を修理することができました。

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<生き返った本たち>

同館の修理ボランティアの方々は熱意にあふれ、修理の方法についてもたくさんの質問があり、
熱気のこもったアツ~い1日となりました(^^)

「こうして人と人が支え合っていることに希望を感じました。」

同館職員の方の言葉に、よーかん&ぺこの心もあたたかくなりました。

茨城県立図書館は、9月上旬の開館を目指しているとのことです。
みんなの熱意によってよみがえった本が、早く茨城県民の皆さまの手に届きますように...

なお、茨城県立図書館の修理作業については、
『茨城新聞』2011年7月31日19面の記事「1300冊超の修理急ピッチ 慣れぬ作業「諦めない」」
でも紹介されています。
(※Webサイト 茨城新聞 http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13120352556184)
(※『茨城新聞』原紙は浦和図書館所蔵(2年保存))


(文責 ぺこ)