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2023年11月

2023年11月14日

文化講座「ことばの不思議」を開催しました!

こんにちは。久喜図書館 芸術・文学資料担当です。

10月7日(土曜日)に久喜図書館の視聴覚ホールで、文化講座「ことばの不思議」を開催しました。

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今回の文化講座では、歌人の穂村弘氏をお招きして、日常の中で発した言葉や短歌の中の言葉を取り上げ、言葉の面白さについてお話していただきました。

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前半では、日常生活の中で見聞きする言葉を取り上げ、ご家族のエピソードを添えながら、お話ししてくださいました。その中で、「言葉は道具ではなく、生きている」とおっしゃっているのが印象的でした。

おっとりとした語り口でユーモアを交えながらのお話で、笑いが起こる場面も多くありました。また、参加者の方はメモを取ったり、頷いたりして、熱心に聞き入っている様子が窺えました。

後半では、いくつかの短歌を取り上げ、同じ短歌でも言葉の選び方や並べ方を変えたものと比較して、お話してくださいました。

質疑応答では、短歌と俳句の違いについてなどの質問があり、穂村さんの回答をお聞きして、新たな発見をすることができました。

その後、当館司書より 調べ方案内(Milestone_69)「和歌と短歌の調べ方」 (PDF:861.4 KB)をもとに、県立図書館での調べ方についての説明がありました。

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県立久喜図書館では、関連資料展「三十一文字(みそひともじ)の文学~万葉集から現代短歌まで~」を1126日(日曜日)まで開催しています。図書館ウェブサイトで資料リストを公開していますので、ぜひご覧ください。

【久喜】資料展「三十一文字(みそひともじ)の文学~万葉集から現代短歌まで~」のページ

資料展「三十一文字(みそひともじ)の文学~万葉集から現代短歌まで~」

【期日】令和5年9月26日(火曜日)~令和5年11月26日(日曜日)

平日9時~19時、土日祝日9時~17時 ※休館日を除く

【場所】県立久喜図書館 2階公開図書室(無料、申込不要)

2023年11月7日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。

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さて、今月は...

■No.1■

『極楽征夷大将軍

(垣根涼介著 文藝春秋 2023)

<所蔵館:久喜図書館 913.6/カキ005 >

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太平記とは異なる新たな足利尊氏を提示した、長大な歴史小説。逆に、後醍醐天皇・楠木正成・新田義貞等の誰もが知っている英雄を従来通りに描いているため、新解釈に説得力を持たせ安心感を与えている。実は戦べたな高師直と弟の足利直義の活躍と苦悩を軸に、室町幕府ができるまでを資料に基づき実に実に丹念に描いている。

この小説は、戦記物として不可能なことを成し遂げていくことを描くことで痛快性や娯楽性を求めているのではなく、人の助け合いや心の繋がりを大きなテーマにしていると考えるが、どうだろうか。

一気に読むにはやや長すぎるので、じっくり腰を据えて取り組む1冊。かっこいい足利尊氏を期待する方にはお勧めできない。(第169回直木三十五賞受賞作品)

(紹介者:バリアフリー読書推進担当)

■No.2■

『かわいい仏像 たのしい地獄絵 -素朴の造形-』

(須藤弘敏、矢島新著 PIE International 2015)

<所蔵館:久喜図書館 718.3/カワ>

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仏像といえば、まず思い浮かべるのは奈良の大仏や阿修羅像だろう。だが、この本では、そういった誰もが知っている仏像をとりあげていない。仏師の手によるものではないが、東北の地で、今なお人々から慕われている民間仏を紹介している。ポケットにでも入れておきたくなってしまうような素朴でかわいい仏像だ。常に飢えや病気の苦しみにさらされていた農民たちにとって、なぜ、やさしくて、かわいいのかを説く。

後半では、死への恐怖、とりわけ地獄へ落ちるかもしれないと思っていた庶民に身近な地獄絵を紹介している。あまり恐ろしさを感じない地獄絵も民間の画工によるものだ。

写真はすべてカラーである。埋もれた美を掘り起こしたい、一方で、これらを大事に守り続けたいという著者の心が伝わる1冊である。

(紹介者:情報・地域協力担当 M.S)

■No.3■

『わたしはこうして執事になった

(ロジーナ・ハリソン著 新井潤美監修 新井雅代訳 白水社 2016)

<所蔵館:久喜図書館 591.0233/ワタ>

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日本でも近年、アニメや漫画、ドラマなどで認知されるようになった執事。19世紀のヴィクトリア朝時代のイギリスで多く活躍していたが、時代とともに下火となり、現代ではあまりなじみのない職業である。本書では、20世紀初頭から1960年代までの間に、実際に使用人として貴族のお屋敷で働いていた5人の男性それぞれの体験談がリアルに描かれている。

執事となった者は、雑用係や下男、従僕などを経て、その地位を掴んだが、誇りを持って仕事を行っていたということが窺える。従うだけではなく、時として意見を言うこともある主人とのやり取りが面白く、またお互いの信頼関係を感じることができる。

当時のイギリスの使用人たちだけではなく、貴族の内実をも垣間見ることができる貴重で興味深い資料だろう。

(紹介者:芸術・文学資料担当 S)


それでは、次回もお楽しみに。