2018年1月
2018年1月10日
資料展「料理雑誌に見るおせちの40年」(久喜図書館)
こんにちは。
埼玉県立久喜図書館の新聞・雑誌担当です。
久喜図書館では、1月28日まで
資料展「料理雑誌に見るおせちの40年」を開催しています。
ここ40年間の料理雑誌(『栄養と料理』『NHKきょうの料理』等)から特徴的な号を抜き出し、おせち料理の変化をたどっていきます。
由来を添えたおせち料理の模型も展示中です。
おせちと一口に言っても、個人個人イメージは異なりそうです(当館内調べ)。
伝統を重んじ縁起物を中心に詰めるお宅もあれば、とにかく家族が喜ぶメニューを重視してこしらえるお宅もあるようです。出来合いのおせちを少しだけ用意してお正月の気分を楽しむという人も...。
おせちは、一年の初めを飾る大切な行事食であることは今も変わりませんが、この数十年の間に様々に多様化していたことが、料理雑誌の記事から伺えます。
今から40年くらい前の料理雑誌には、伝統的なおせちのレシピしか見られないのでは?と想像しながら本展示の準備をしていたのですが、この頃にはすでに「アンチおせち」などという言葉が誌面に見られました(驚)。
また、おせちのメニューが当たり前のように洋食や中華にアレンジされており、かなり想像を裏切られました...。
古い雑誌を紐解くと、いろいろなことが見えてきますね。
おせちの多様化は、メニューのアレンジにとどまりません。
重箱を使わない大皿・小皿の写真が表紙を飾るようになったり、少量のレシピ、塩分・カロリーを意識したレシピが登場したり...。
いろいろな路線の記事が誌面を賑わせています。
家族構成の変化や健康志向ブームが行事食にまで影響を及ぼし始めたのかな?等とそれぞれの記事が出始めた背景がいろいろと想像されます。
(写真は、ある年の当館職員の正月の食卓です。美味しそう!)
多様化しながら、今もなお正月の定番として輝くおせち。
最近の雑誌では、多くの人に気軽に作ってもらえる簡単なレシピ、時短レシピの記事がよく見られるようになりました。その一方で、本格的なおせちを丁寧に作る、一品だけでも手作りしてみよう!といった記事も見られます。こういった記事には、行事食の伝統を大切にしていきたい!という料理関係者の願いが込められているように感じられます。
雑誌は、資料保存の観点から、刊行後2年以上経過しているものは、館内のみでの閲覧となります。
本展示は、2年以上経過している雑誌が中心の展示となりますので、館内の閲覧スペースで、ゆっくりご覧いただければと思います。
今年の正月はおせちを食べずに終わってしまったな...という方、
ぜひ、料理雑誌で行事食おせちに触れてください。
ご来館を心よりお待ちしています!
資料展「料理雑誌に見るおせちの40年」
期間 平成29年12月12日(火)~平成30年1月28日(日)※休館日を除く
場所 埼玉県立久喜図書館 2階 閲覧室