2019年7月
2019年7月26日
こんな時に使える!埼玉資料のご紹介
県立熊谷図書館地域・行政資料担当です。
みなさんは県立図書館で「埼玉資料」を利用したことはありますか?
埼玉県立図書館では、「地域資料」や「郷土資料」を「埼玉資料」と呼んでいます。
熊谷図書館では3階の埼玉資料室で利用することができます。
埼玉資料と聞いても馴染みがなく、どんな資料があるのか、どんな時に使えるのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「こんな時に埼玉資料が使える!」という場面を紹介していきます。
◆市町村の歴史を調べたい。
市町村の歴史を調べる入り口には、各市町村史の「通史編」がオススメです。
埼玉資料室には県内全市町村の市町村史資料が揃っています。資料はエリアごと(旧郡制時代の区分)にまとめて置いてあります。そのエリアの中が市町村の50音順になっています。
隣接する地域の資料には関連する内容が書かれていることがあり、目的の情報を効率よく集めることができます。
棚から出ている各市町村の見出し板の色は、カウンター後方の旧郡制時代の区分図の色と対応しています。
◆一般の道路地図よりもさらに細かい地図が見たい。
一般の道路地図の縮尺は大きいもので1万分の1程度です。
これに対しゼンリンが発行する「住宅地図」は縮尺が千5百分の1、3千分の1(地域によって異なります)で、より細かく地域を見ることができます。住宅地図に地番や公図番号などを付けた「ブルーマップ」もあります。
県内の住宅地図やブルーマップは埼玉資料室のカウンターでご用意します。ご覧になりたい地図の市町村名と年代を職員へお伝えください。
なお、久喜市をはじめとする県東部地域の最新版の住宅地図は県立久喜図書館にあります。詳細は「住宅地図・ブルーマップ(埼玉県内市町村)」から「住宅地図所蔵一覧」(PDFファイル)をご覧ください。
◆県内の古い地図が見たい。
熊谷図書館で所蔵する古い年代の地図には以下のものがあります。
明治13年から19年にかけて参謀本部陸軍部測量局によって作成された、関東地方の縮尺2万分の1の地図です。
東日本大震災の後、昔の地形がどうだったのかを確認できる地図として大変話題になりました。
火災保険特殊地図
昭和のはじめごろから昭和30年にかけて火災保険会社によって作られた地図です。
縮尺は6百分の1、千2百分の1です(地域によって異なります)。
熊谷図書館には浦和、大宮、春日部(粕壁)、川口、川越、行田(忍)、熊谷、秩父、所沢、羽生方面、飯能、深谷、本庄の地図があります。
◆電話帳を過去にさかのぼって調べたい。
熊谷図書館には最新版から一番古いもので1920年(大正9年)版までの電話帳があります。所蔵状況については「埼玉県内電話帳所蔵状況」をご確認ください。
電話帳には企業名別と個人名別の2種類がありますので、調べたい電話帳の種類、市町村名、年代をカウンターの職員にお伝えください(最新版の電話帳は埼玉資料室の窓際の棚にあります)。
いかがでしたでしょうか。この他にも埼玉資料には一度には紹介しきれない貴重な資料やユニークな資料がたくさんあります。
◆埼玉資料室の資料は館内利用です!
県立熊谷図書館埼玉資料室の埼玉資料は、保存等の観点から館内利用となっています。
また、埼玉資料の中には国内で埼玉県立図書館のみが所蔵する資料もあり、遠方から来館する方もいらっしゃるため、個人貸出をしておりません。
複本(同じ本)が県立久喜図書館や外部書庫にある場合は、取り寄せの上、貸出できる場合もあります。
◆調べもののお手伝いもしています!
資料の内容についてのご質問などは来館・電話・FAXのほか「調査・相談(レファレンス)サービス」から受け付けています。また熊谷図書館まで来られないという方にも、「郵送複写サービス」によって資料の複写物を郵送でお届けすることができます。
その他埼玉資料についてわからないことは、どうぞお気軽に県立熊谷図書館の地域・行政資料担当までお問合せください。
2019年7月23日
ビジネスライブラリカフェ2019を開催しました













2019年7月11日
16ミリフィルム講習会
しっとりとした空気のなかに緑の薫りが漂う季節。ときおりのぞく雲の切れ間からは、確かな夏の到来を感じます。
こんにちは。
県立熊谷図書館 視聴覚資料・図書館振興担当です。
熊谷図書館では去る6月4日、6月7日に「16ミリフィルム映写機講習会」を開催しました。
突然ですが、皆さんは16ミリ映画フィルムをご存じですか?
最近では映画館でも、フィルムを目にする機会が少なくなり、イメージを持ちにくくなってきているのかなと思います。
ちなみに私も映画フィルムと聞いて真っ先に思い浮かべたのが、某テレビ番組のオープニングに登場する、シルクハットをかぶったおじさんがフィルムを回すというシーンでした。
いまではフィルムを上映する機会はあまりないかと思いますが、かつては家庭用の映像記録媒体として8ミリフィルムがあり、家族の行事を記録して、それを上映して見るということが一部の家庭では行われていました。
しかし時代が下り、ビデオやDVDがそうした役割にとって代わるようになりました。現在では映画を撮影する場合にも、デジタル形式が採用されることが多く、映画館でもフィルムを使った作品数は減少し続けています。
そんな普段の生活ではあまりお目にかからななくなった16ミリ映画フィルム。でも、図書館では現役で頑張っているんです。
しかし、なぜ図書館ではいまでも16ミリ映画フィルムを使っているのでしょう。
その理由としては、大きく2つあります。
まず1つ目として、図書館が所蔵している映像資料のなかには、16ミリフィルムでしか見ることのできない貴重なものが多く存在していることがあげられます。
県立図書館が所蔵する16ミリフィルムのなかには、埼玉県に関する作品や、過去の記録映像など、現在では手に入らなくなってしまった資料も多く含まれています。
これらは地域の歴史を伝える資料であり、図書館はこうした映像を保存し、次の時代につなげるという役割も担っています。
そして2つ目としては、16ミリフィルムが上映することを主目的としているために、著作権上の様々な制限をクリアしていることです。
実は図書館で貸出可能のDVDやビデオテープでも、資料によって館内で上映できるもの、できないものがあり映画会の度に確認をしなければなりません。
しかし16ミリフィルムは心配ご無用。すべての資料を上映することができます。まさに上映会のための資料といっても過言ではないですね。
前置きが長くなりましたが、なぜ今でも16ミリフィルムが使われているのか、ご理解いただけたでしょうか。
それでは今年度の講習会についてご紹介していきたいと思います。
毎年恒例となった講習会ですが、今年度は25人の受講者が集まってくれました。
講師は北辰映像株式会社の樋口一雄先生。樋口先生は元映写技師で、この道何十年のプロフェッショナルです
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、県立図書館では講習会を受けた人の所属する団体に16ミリフィルムを貸し出しています。
逆に言えば、講習を受けないと16ミリを使った映画会は開けないということ......。受講者の皆さまにはどうしても取らなければならない理由があるということですね。
開講式の後、まず最初に映写機の構造と操作についての講義を受けました。
スプロケット、パーフォレーション、送りツメ...などの聞きなれない言葉と格闘しながら、なぜ映像が投影されるのかについての知識を学んでいきます。
▲知らない言葉が多いですね......
次に午後からの実技テストに向けての映写機操作実習。はじめてさわる人ばかりなので、自然におよび腰に......。
▲映像が映っても、少し不安なご様子
お昼休みを挟んで、午後からも実習の続きです。操作に自信がない方は昼休みの時間を使って練習をしていました。
実技テストは100点満点中、90点以上を取らないといけないので、わずかなミスが命取りになります。
皆さん取りこぼしのないように細心の注意を払って練習していました。
▲受講者のまなざしは真剣そのもの!
最後の休憩を終えて、いよいよ実技テストです。
グループごとになって、相手の点数をチェックするという方式。
緊張が高まります......。
▲一つ一つ確認しながら、映写機を回します
そして、試験の結果は.........
全員合格でした!!
講習会の最後に、樋口先生から講習会修了証をもらいます。
これで映写機を使った映画会が開催できるようになりました。
これからそれぞれの地域で、素晴らしい映画会を開催してくれるでしょう。
最後になりますが、16ミリフィルムを借りる際には、団体登録が必要です。県立図書館のHPに用紙がありますので、ダウンロードしてご利用ください。(https://www.lib.pref.saitama.jp/collection/docs/yousiki1.pdf)
それでは、また次の映画会でお会いしましょう。