図書館ブログ
2025年5月31日
資料展「高校生におすすめの外国語の本と多文化共生を知る本 ~みんなで読書を楽しもう~」開催中です。
こんにちは。
熊谷図書館の多文化サービス担当です。
現在、熊谷図書館2階ロビーでは資料展「高校生におすすめの外国語の本と多文化共生を知る本 ~みんなで読書を楽しもう~」を開催中です。
埼玉県には現在、24万人以上の外国人が暮らしています。日本語を母語としないクラスメイトがいる、という高校生も少なくありません。異なる文化を理解し、互いに尊重しながら共に生きていく「多文化共生」を知ることが、今後ますます必要になっていきます。そして、読書は、母語に関わらず、同じ本を読んで一緒に楽しむことができる大切な手段です。
今回は、そんな現代を生きる高校生におすすめしたい外国語の本や多文化共生を学ぶことができる本を展示しています。
「ロングセラーに間違いなし」/「読んでおきたい日本文学」
世界的なロングセラー小説や教科書によく掲載される日本文学作品を展示しています!
様々な言語に翻訳されているので、母語が異なる人とも読書体験を共有し、一緒に楽しむことができます。
「本もアニメも両方楽しむ」/「SFとファンタジー」
▲海外でも人気のある日本のアニメ。アニメだけでなく本でも楽しんでください。
▲SFやファンタジー小説も展示しています。
「生きるヒントを見つけよう」/「仕事やお金について考える」/「科学って面白い」
進路や将来、仕事にお金・・・ 悩んだり迷ったりした時に読んでもらいたい本を集めました。
同じ展示ケース内には「科学」が楽しくなる本も展示しています。

「多文化共生って、なに」/「安心して暮らせる世界のために」
これからの時代に大切な「多文化共生」や「SDGs」について考える本を紹介しています。
「趣味にハマる」
共通の趣味があれば、言葉の壁も越えられる!
「今読みたい世界の小説」
近年話題になっている各国の小説を集めました。
ご紹介した11のテーマで200冊以上の本を展示しています!
展示している本は展示期間中でも貸出ができます。ご希望のものがございましたら職員にお声がけください。
また、資料リストは以下のページからもご覧いただけます。
高校生におすすめの外国語資料と多文化を知る本 ~みんなで読書を楽しもう~
高校生以外の方にも楽しんでもらえる本ばかりなので是非ご来館ください。
みんなで読書を楽しみましょう!
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資料展「高校生におすすめの外国語の本と多文化共生を知る本 ~みんなで読書を楽しもう~」
期間:令和7年5月24日(土)~8月3日(日)
場所:埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー
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2025年5月28日
子ども読書の日記念「おおきなおはなし会」を開催しました!
みなさんこんにちは。久喜図書館の子ども読書推進担当です。
新緑がまぶしい季節になりましたね。
埼玉県立久喜図書館では、4月26日(土)に「おおきなおはなし会」を開催しました。
「子ども読書の日」を記念して行われる、1年に一度のスペシャルなおはなし会です。
当日は424名の方々にご参加いただきました。例年以上にたくさんの方にお越しいただき、うれしい限りでした。
ここでは、「おおきなおはなし会」の様子をお知らせします。
↑「おおきなおはなし会」会場入り口のシロクマ
↑にぎわう会場
今回のおおきなおはなし会は、午後から「おはなしのじかん」「かがくのじかん」「おんがくのじかん」の3部構成で行いました。
「おはなしのじかん」では、ボランティアグループ「トムの会」のみなさんと県立久喜図書館職員で、大型絵本や紙芝居、おはなしを披露したり、会場のみなさんで手遊びを楽しんだりしました。
↑おはなしのじかん・県立久喜図書館職員による手遊び
↑おはなしのじかん・ボランティアグループ「トムの会」さんによる大型絵本
「かがくのじかん」では、埼玉県立久喜高校JRC部(Junior Red Cross=青少年赤十字)のみなさんが科学絵本の読み聞かせをしたり、実際に実験を行ったりしました。いろいろなものを水に入れ、浮かぶか沈むかを調べる実験では、大根やピーマン、ゆで卵と生卵などを水に入れるのを子どもたちに手伝ってもらい、大いに盛り上がりました。
↑かがくのじかん・実験
↑かがくのじかん・埼玉県立久喜高校JRC部のみなさんによる手遊び
「おんがくのじかん」は、音楽ユニット「たまごさんど」のお二人がオカリナやギター、三線、ウクレレ、オーシャンドラムなど、たくさんの楽器で演奏してくださいました。「さんぽ」や「となりのトトロ」、「パプリカ」など、知っている曲はみんなで口ずさみながら、楽しみました。
↑おんがくのじかん・たまごさんどさんによる演奏
↑会場ステージのピアノの様子。絵本に登場するぬいぐるみがずらり。
ちいさい子から大人まで、たくさんの方に楽しんでいただくことができました。
来場者アンケートでは、
「いろいろなジャンルのおはなしや音楽がきけて楽しかったです。」
「子供が楽しそうに参加していたので、また参加したいです。」
との声をいただきました。
トムの会さん、久喜高校JRC部のみなさん、たまごさんどさん、そしてご来館くださったみなさん、ありがとうございました!
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この「おおきなおはなし会」の様子が、ケーブルテレビ久喜にて特集されました。
ケーブルテレビ久喜のYouTubeチャンネル【ケーブルテレビ久喜「きゅーちゃんねる」】にて見ることができます。
く・わ・し・く 彩たま2025年4月28日号「子ども読書の日記念 おおきなおはなし会」
ぜひ、映像でも「おおきなおはなし会」を楽しんでください。
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久喜図書館子ども図書室では、以下の日程でおはなし会を行っています。
【大きい子向き】
〇おはなし会:第1~3・5土曜日の14時から14時30分
絵本の読み聞かせ・紙芝居・素話 など
【ちいさい子向き】
〇親子ふれあい講座:毎月第2水曜日の11時から11時20分
手遊び・絵本の読み聞かせ など
〇ちいさい子むきおはなし会:第4土曜日の14時から14時30分
手遊び・絵本の読み聞かせ など
詳しくはこちらから。
いつものおはなし会にもぜひお越しください。
いっしょに楽しいひとときを過ごしましょう。
お待ちしています!
2025年5月24日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『ひみつの王国 評伝石井桃子』 (尾崎真理子著 新潮社 2014)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:J910.268/イシ006>
石井桃子。その名を知らなくても翻訳書 「クマのプーさん」「ちいさいうさこちゃん」、編集に関わった「星の王子さま」「ドリトル先生」...数多ある縁(ゆかり)の本に触れずに育った大人がいるだろうか?
しかし明治40年生まれ平成20年に101歳で終えた石井の前半生は、子どもの本の世界を切り開いた後半生に比べあまり知られていない。高等女学校を卒業したら農家に嫁ぐのが当たり前の時代、女子大学に進学し「英語」を武器に職業を持つ女性として生きた100年には様々な顔がある。菊池寛との出会いを機に草創期の文藝春秋で編集の力を培った20代、菊池寛、吉野源三郎、太宰治、井伏鱒二等、人脈は昭和の出版史とも重なる。戦時下の混乱のなか宮城の農村ではじめた開墾生活の意外性。80代で書き上げた自伝的小説の原動力とは?
自己喧伝と無縁だった石井に晩年インタビューを許された著者が、親しい友人たちへの膨大な手紙を手掛かりに知られざる「ひみつの王国」にせまる初の評伝。
(紹介者:神原陽子)
■No.2■
『水族館の歴史』(ベアント・ブルンナー/著 山川純子/訳 白水社 2013)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:486.76/スイ >
水族館の始まりは、今から約170年前にも遡る。海の生物や深海の様子が現代ほど解明されていなかった当時、水槽で見る小さな海(アクアリウム)は、人々にとって未知の世界だった。本書は、海の生物を室内で飼育しようとした試みから、やがてアクアリウムが人々の関心の的となり、水族館という形に至るまでの歴史を丁寧に追った資料である。
水槽の中でどうやって海の生物が生きられる環境を維持するのか、どうやって遠い海から衝撃に弱い魚たちを運んでくるのか......世界中の人々の試行錯誤がやがて集結し、水族館として発展していく様子はとても興味深い。資料内で紹介される、海の生物や当時のアクアリウムが描かれた多種多様な絵も見応えがある。
水族館が好きな人もそうでない人も、新鮮な視点から楽しめる1冊となっている、ぜひ手に取ってみてほしい。
(紹介者:T・M)
■No.3■
『引き出しに夕方をしまっておいた』 (ハン・ガン/著 きむ・ふな、斎藤真理子/訳 クオン 2022)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:929.11/ハン>
2024年に著者がノーベル文学賞を受賞したことは記憶に新しい。本書は詩60篇が2人の共訳によって刊行されたものである。
収録された詩は、夜明けの静けさや夕方から夜になる時間に思い浮かぶ様々な感情が多く描かれているが、時には詩が難しく感じることもあるかもしれない。
巻末にある翻訳家対談を読むと韓国現代詩や著者について知ることができ、言葉を自分なりに捉えていいのだと安堵する。言葉が自分に染み込んでいく過程をじっくり味わうことで、自分なりに詩の解釈をすればよいのだと。
小説は読むけれど詩はあまり読まない人にもぜひ手に取ってほしい一冊。
(紹介者:A・M)
それでは、次回もお楽しみに。
2025年4月15日
国立国会図書館からレファレンス協同データベース事業の御礼状をいただきました!
国立国会図書館では全国の図書館の調査や相談に関する事例を蓄積するデータベースを構築しています。埼玉県立図書館もこのデータベースにレファレンス事例を登録しています。
この度、埼玉県立図書館は令和6年の活動が表彰され、御礼状をいただきました!
データベースへの年間データアクセス件数を示す「年間データ被参照件数」は15,778,282件で全国1位でした。
たくさんの方に当館の事例を見ていただき、ありがとうございました。皆様の調べ物のお手伝いのヒントが見つかっていれば、うれしいです。
またこの御礼状ですが、実は当館は17年連続でいただいています。これまでの感謝状をすべてお見せします!
現在(2025年4月現在)、当館はレファレンス協同データベースに9,787件の事例を登録しています。ご興味がある方は下記のリンクから事例をご覧ください。
レファレンス協同データベース 埼玉県立図書館事例(国立国会図書館)
調査・相談(レファレンス)サービスは、埼玉県立図書館が提供する基本的なサービスのひとつです。窓口やお電話だけではなく、インターネットからも申し込むこともできます。ぜひお気軽にご相談ください。事前の利用者登録をしなくても、お申し込みいただけます。
調査・相談(レファレンス)の内容については下記のウェブページをご覧ください。
《埼玉県立図書館ウェブサイト》
「調査・相談(レファレンス)サービスのご案内」
(https://www.lib.pref.saitama.jp/reference/guidance.html 埼玉県立図書館)
2025年3月31日
令和6年度外国語資料普及事業「知ろう!語ろう!ベトナム文学の魅力」を開催しました(県立熊谷図書館)
資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」
こんにちは。埼玉県立熊谷図書館の多文化サービス担当です。
皆さまは、「ベトナム文学」を読んだことはありますか?
熊谷図書館では、令和7年1月~3月にかけてベトナムに関する3つの事業を行いました。
今回のブログでは、それぞれの事業の様子をご紹介するとともに、時代ごとにいくつかベトナムの有名な文学作品をピックアップして、ご紹介します。
ひとつめの事業は、熊谷図書館の2階ロビーで開催した資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」です。
当館ではベトナム語の資料を約300冊所蔵しています。
今回の資料展では、その中からベトナム文学作品を各時代ごとに展示したほか、ベトナム語に翻訳された日本文学や、ベトナムの歴史や文化に関する資料なども展示しました。
日本語の資料もありますので、ベトナムにご興味のある方は、ぜひ展示リストから読んでみたい本を探してみてください。
資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」
2025年 1月 7日(火) ~ 2025年 3月 2日(日)
埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー
- 資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」チラシ(PDF:1519KB).pdf
- 資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」資料展示リスト (PDF1058 KB).pdf
- 資料展「Sách tiếng Việt- 本で訪れるベトナムの世界 -」紹介ページ
令和6年度外国語資料普及事業「知ろう!語ろう!ベトナム文学の魅力」
展示と併せて令和7年2月9日(日)には、講座「知ろう!語ろう!ベトナム文学の魅力」を開催しました。
この講座では、東京大学附属図書館アジア研究図書館から田中あき氏をお招きして、フランス植民地期以降のベトナム文学について、推薦本を例示しながら、特徴や時代背景・楽しみ方などを紹介いただきました。
令和6年度外国語資料普及事業「知ろう!語ろう!ベトナム文学の魅力」
2025年2月9日(日)13:30~16:00
埼玉県立熊谷図書館 1階鑑賞室
講座の後には、参加者同士でおすすめのベトナム語図書について語り合うワークショップも開催しました。
ワークショップでは、参加者の方々が読んでみたい本や、おすすめの本について和気あいあいと話されていました。
ワークショップで話題に上がった本を以下に数冊ご紹介します。
・702.231/ヘト『ベトナム近代美術史』(二村淳子著 原書房 2021)資料コード:103370078
・523.231/ケン『建築のハノイ』(増田彰久写真 白揚社 2006)資料コード:101736742
・929.373/クエ504『つぶらな瞳』(グエン・ニャット・アィン 著 てらいんく 2004)資料コード:101489458
・『神々の時代』(ホアン・ミン・トゥオン著 東京外国語大学出版会 2016)※県立図書館未所蔵
県立図書館に所蔵のない本もありますが、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
また、講師の田中先生の翻訳されたベトナム文学は以下のリンクから読むことができます。
〇遠きひとの声 / カイ・フン:https://sites.google.com/view/sealit/11%E5%8F%B7
〇文学談義(一幕劇) / カイ・フン:https://sites.google.com/view/sealit/12%E5%8F%B7
〇省行政長官 / カイ・フン :https://sites.google.com/view/sealit/16%E5%8F%B7
ベトナム文学の代表作
今回のブログでは、行った展示の中から時代ごとにいくつかベトナムの有名な文学作品をピックアップして、ご紹介します。
- 阮朝(げんちょう)期
阮朝は、1802年から1945年にかけて存在したベトナム最後の王朝です。
この時代を代表するベトナムの文学作品に、19世紀前半に阮朝の文人グエン・ズーが中国の小説『金雲翹伝』を翻案し、チュノム(漢字をもとにしてつくられたベトナム独自の文字)で記した長編叙事詩『金雲翹』があります。
チュノム文学の最高峰と考えられ、ベトナムでは国民的文学作品として広く知られています。
・VIE929.37/Ngd『Truyện Kiều』(Nguyễn Du/[boi] Nhà xuất bản Văn học 2016)資料コード:103228185(日本語訳書名:金雲翹伝 著者名:グエン・ズー) - フランス植民地期
阮朝はフランスの侵攻を受け、1887年から1945年までフランスの植民地となっていました。
この時代で有名な作家は、ヴー・チョン・フンやタック・ラム、ナム・カオ、マーヴァン・カーンなどです。
この時代の文学は、フランスの影響を受けている作品も多くあります。
展示では以下の資料を紹介しています。
・VIE929.373/Vup『Số Đỏ』(Vũ Trọng Phụng/[boi] Nhà xuất bản Văn học 2018)資料コード:103228052(日本語訳書名:幸運 著者名:ヴー・チョン・フン)
ヴー・チョン・フンは20世紀初頭の有名なベトナム人作家兼ジャーナリストです。
この『幸運』という作品は、ヴー・チョン・フンの代表作で、フランスの影響により東西の文化が混在するベトナム社会をユーモラスに描いた小説です。
・VIE929.37/Thl『Hà Nội băm sáu phố phường』(Thạch Lam/[boi] Nhà xuất bản Hội nhà văn 2019)資料コード:103228136(日本語訳書名:ハノイ36区通り 著者名:タック・ラム)
タック・ラムは、20世紀初頭の有名なベトナム人作家兼評論家です。
情感豊かな短編作品で高く評価されています。
この『ハノイ36区通り』という作品は、ハノイの食文化や社会風俗を紹介したエッセイで、講座でも紹介されていました。
・VIE929.37/Nac『Sống mòn』(Nam Cao/[boi] Nhà xuất bản Văn học 2018)資料コード:103228144(日本語訳書名:生き疲れて 著者名:ナム・カオ)
・VIE929.37/Nac『Chí Phèo』Tập Truyện Ngắn Nam Cao/[boi] Nhà xuất bản Văn học 2023)資料コード:103444527(日本語訳書名:チー・フェオ 著者名:ナム・カオ)
ナム・カオは、20世紀初頭の有名なベトナム人作家です。
家庭教師をしながら知識人や農民の生活に取材した短編などを書きました。
今回の展示では、自伝的長編『生き疲れて』のベトナム語版を紹介しました。
また3階の外国語資料コーナーには、ベトナムの『阿Q正伝』と呼ばれる短編『チー・フェオ』のベトナム語版もあります。
・929.37/マ『夏の雨』(マー・ヴァン・カーン/著,加藤栄/訳 新宿書房 1992)資料コード:115361198
マーヴァン・カーンは、20世紀のベトナム人女性作家です。
ハノイを舞台に社会の現実を鋭く捉えた作品を書き続けています。
代表作の『夏の雨』は、大洪水とそれに伴う堤防の決壊をテーマに、戦後ベトナム社会の抱える様々な問題を浮き彫りにした作品です。 - ベトナム戦争期
1964年頃から1975年頃にかけて、社会主義陣営の北ベトナムと資本主義陣営の南ベトナムの間でベトナム戦争が起こりました。
戦争期を代表する作家バオ・ニンは、代表作『戦争の悲しみ』でベトナム戦争での従軍体験を元に、戦争のもたらす悲しみを描き、ヴェトナム作家協会賞受賞を受賞しています。
今回の展示では、『戦争の悲しみ』を日本語で、またその改題版『愛は戦いの彼方へ』を日本語とベトナム語で展示しています。
・929.373/ハオ501『戦争の悲しみ』(バオ・ニン/著,井川一久/訳 めるくまーる 1997)資料コード:100029537
・929.373/ハオ501『愛は戦いの彼方へ』(バオ・ニン/著,大川均/訳 遊タイム出版 1999)資料コード:100439181
・VIE929.373/Ban『Nỗi buồn chiến tranh』(Bảo Ninh/[bởi] Nhà xuất bản tre 2014)資料コード:102629623(日本語訳書名:愛は戦いの彼方へ 著者名:バオ・ニン) - ドイモイ以降
1986年12月からドイモイと呼ばれる市場経済導入を中心とした経済再建政策が進められ、ベトナムは急激な経済成長をとげます。
この時期に活躍した代表的な作家には、グエン・フイ・ティエップやズオン・トゥー・フォン、グエン・ティ・トゥー・フエなどがいます。
・VIE929.37/Ngt『Tướng về hưu』(Nguyễn Huy Thiệp/[bởi] Nhà xuất bản Văn hóa Thông 2011)資料コード:102505765(著者名:グエン・フイ・ティエップ)
・VIE929.37/Ngt『Truyện ngắn nguyễn huy thiệp』(Nguyễn Huy Thiệp/[bởi] Nhà xuất bản Văn học 2021)資料コード:103444691(著者名:グエン・フイ・ティエップ)
グエン・フイ・ティエップは、現代ベトナム文学の著名な作家です。
特に短編が評価されており、グエン・フイ・ティエップの短編は世界中の多くの国で翻訳、出版され、多くの賞を受賞しています。
展示ではグエン・フイ・ティエップの2つの短編集のベトナム語版を紹介しています。
・929.3/キ『虚構の楽園』(ズオン・トゥー・フオン/著,加藤栄/訳 段々社 1994)資料コード:116999830
ズオン・トゥー・フオンは、現代ベトナム文学の著名な女性作家です。
ベトナム戦争後詩人としてデビューし、その後小説家に転じました。
ベトナム共産党などを告発した内容のシナリオが検閲にかかり一時期は執筆を制限されていたこともありました。
『虚構の楽園』は、触れずらいネガティブなテーマとされていた1950年代の土地改革を正面から見すえた作品です。
日常生活や、食べ物、自然についても細かい描写があり、当時のベトナム様子を垣間見ることができます。
・929.373/クエ501『魔術師』(グエン・ティ・トゥー・フエ/著,加藤栄/訳 紀伊国屋書店 1997)資料コード:100050152
グエン・ティ・トゥー・フエは、現代ベトナム文学の著名な女性作家です。
日常生活や女性の暗い情念を赤裸々に描いた作品が高く評価されいます。
『魔術師』は、代表的短篇5篇を収めた短編集です。 - 2000年以降
近年人気のある作家は、グエン・ニャット・アンです。
ベトナムではグエン・ニャット・アンの作品がしばしば映画化され、いずれも人気となっています。
・929.373/クエ504『幼い頃に戻る切符をください』(グエン・ニャット・アィン/著,伊藤 宏美/訳,加藤 栄/監訳 大同生命国際文化基金 2020)資料コード:103412037
・VIE929.37/Nha『Cho tôi xin một vé đi tuối thơ』(Nguyễn Nhật Ánh/bởi Nhà xuất bản trẻ 2014)資料コード:103227641(日本語訳書名:幼い頃に戻る切符をください 著者名:グエン・ニャット・アン)
グエン・ニャット・アンは、この短編集の表題作の『幼い頃に戻る切符をください』で2010年にアセアン文学賞を受賞しました。
この表題作は、男性が子供時代の仲良し4人組の思い出を綴った作品です。
・929.37/Nga『Tôi thấy hoa vàng trên cỏ xanh』(Nguyễn Nhật Ánh/[bởi] Nhà xuất bản tre 2011)資料コード:102505740(日本語訳書名:草原に黄色い花を見つける 著者名:グエン・ニャット・アン))
ベトナムの貧しい村に生きる兄弟と、幼なじみの少女の物語『草原に黄色い花を見つける』の原作です。
この作品は映画化され、2017年に日本でも上映されています。
今回の展示では、展示していませんが、とても有名な作品です。
当館ではベトナム語の原作のみ所蔵しています。
ベトナムは、その地理的条件や歴史により、多様な文化と豊かな自然が融合した、独自の文化を育んできました。
ベトナム文学からは、そのようなベトナムの魅力と奥深さを知ることができます。
名作映画観賞会「ベトナムの風に吹かれて」
資料展、講座にちなみ、令和7年2月7日(金)の映画会では、映画「ベトナムの風に吹かれて」を上映しました。
日本語教師としてベトナムに住んでいた女性が、認知症の母をベトナムに連れて行く物語です。
当日は、たくさんの方がご来館くださり鑑賞室は満員になりました。
この映画は、久喜図書館の所蔵ですがDVDを借りることもできます。(資料コード:740037791)
2015年に公開されましたが、ベトナムの風土やほがらかな雰囲気が感じられる映画です。
ベトナムにご興味のある方はぜひ視聴してみてください。
名作映画観賞会「ベトナムの風に吹かれて」
令和7年2月7日(金) 14:00~16:00
埼玉県立熊谷図書館 1階鑑賞室
映画会 名作映画鑑賞会「ベトナムの風に吹かれて」チラシ