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2012年7月

2012年7月15日

緑の前庭

こんにちは。久喜図書館総務担当です。

久喜図書館の前庭には、緑が美しい広場があります。けやきが大きく枝を広げて木かげを作り、涼しく、気持ちのよい空間です。

この広場は昭和57年(1982年)の春につくられ、「野外読書広場」と名付けられました。現在まで、読書のほか、休息、語らい、食事などの場として、広くお使いいただいております。

久喜図書館へお越しの折りには、お時間がありましたら、この広場もご利用ください。
緑の前庭(H24).jpg

2012年7月11日

レコードの病気

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先日、久しぶりにリパッティのモーツァルトが聴きたくなり、レコード棚からレコードを取り出した私は思わず叫び声をあげた。
「何!? ゴキブリ!?」
カミさんも別の部屋からとんでくる。
なんとレコードの盤面全体に蚊に刺されたみたいな無数の凸凹が発生しているのだ!!
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なんだ、こりゃ?? 泣きたくなってきた(気に入ってたんだヨ~、この盤)。これならゴキブリさんと「こんばんは。」したほうがまだマシだ。

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不安そうに覗きこむニッパー犬

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モンスターもビックリ!

「針、ちゃんとトレースするかな?」
恐る恐るレコードに針を下ろしてみる。
(・・・ボコッ・・・ボコッ・・・ボコッ・・・)
針はどうにかトレースするものの、リパッティの盤上珠を転がすようなピアノの音と一緒に「ボコッ」という音(←「ゴロ音」と呼ぶアナログ盤愛好家もいる)が聴こえてくる。
ネットで調べてみると、いくつかのサイトで話題になっていた。この凸凹は、1950年代後半から1960年代初めにドイツで製作されたレコードに"発症"するのだそうだ(前掲のコロムビア盤をはじめエレクトローラ盤、オイロディスク盤、ハルモニア・ムンディ盤、ドイツ・グラモフォン盤等が特にあぶないらしい)。この頃のドイツ盤の素材そのものに起因するのか、夏冬の寒暖の差で特殊な材質が経年変化したためか、原因は特定されていないが、ヨーロッパでは起こらない"日本特有の"現象らしい。ヨーロッパにくらべ日本は湿気が多いから、湿度も関係しているのかもしれない。
不安にかられ、家にあるこの頃製作されたドイツ盤をチェックしてみると・・・嗚呼、他のレコードも数枚やられていた!!
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トホホ・・・ガックリ肩を落とすニッパー犬
いったん凸凹が始まったら最後、もとには戻らない(泣)。ネットでは、「ゴロ音」に身悶えしながら聴いてます、と嘆くLPファンの声も。
(・・・ボコッ・・・ボコッ・・・ボコッ・・・)
たしか狐狸庵先生こと遠藤周作さんが自宅の庭に作った鹿威しの音も「ボコッ」だったような。凸凹が発生した盤を聴く時は「鹿威しの音(「ボコッ」ですがw)をバックにレコードを聴くのも風情があっていいじゃないか」と自分に言い聞かせることにしよう。それもまたオツな世界・・・なワケない!!
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
今でもアナログで音楽を愉しんでおられる皆様、LPレコードを所蔵する図書館の担当者様、もし、お持ちのコレクションの中に、1950年代後半から1960年代初めにドイツで製作されたレコードを架蔵されていたら、一度、レコード棚をチェックされてみては。

(文責:熊谷図書館 図書館協力担当 A)