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2012年3月

2012年3月29日

熊谷図書館 資料展「中世の歴史書にみる平清盛と源平合戦」

熊谷図書館人文科学資料担当です。
現在、熊谷図書館では、資料展「中世の歴史書にみる平清盛と源平合戦」を開催中です。

大河ドラマで取り上げられていることもあって、今年はさまざまな場所で平清盛に関する展示が行われています。そのため、展示の内容を決めるうえで、熊谷図書館らしい展示ができないかしら、と真っ先に考えました。
熊谷図書館の棚を見まわしてみると、『大日本古記録』『大日本史料』をはじめ、『史料纂集』『国史大系』、各時代の日記まで、歴史書がたくさん並んでいます。

そこで、今回のメインテーマを「中世の歴史書に平清盛はどのように記されているのか」として、平清盛に関する資料と、熊谷図書館所蔵の中世の歴史書をあわせて紹介することにしました。

展示風景.jpg

中世の歴史書といっても色々ありますが、平清盛に関するものとして、『玉葉』(九条兼実)や『兵範記(ひょうはんき/へいはんき)』(平信範)などの日記や、平清盛の出世の足跡を伺える官員録『公卿補任』などを展示しています。

『玉葉』には、清盛が没した翌日の、 治承5年(1181)閏25日に、九条兼実が平清盛の人物像を評した記事があり、とても興味深いです。

(冒頭部分)
「準三后入道前太政大臣清盛(法名静海)は、累葉武士の家に生 まれ、
勇名世に被ぶり、平治の乱逆以後、天下の権、偏にかれ の私門にあり。」
(『訓読玉葉 5』九条兼実原著 高橋貞一著 高科書店より)

中世の歴史書のほかにも、埼玉県立熊谷図書館所蔵している『源平盛衰記』(寛政8年(1796)刊)も展示しています。

表紙.jpg

47.48巻の奥書きに、次のように記されていて、寛政8年の発行であるとわかります。
「寛政丙辰蒲月既朔 京師 六角通御幸町西江入町 書林 茨城多左衛門方正」
※「寛政丙辰」は寛政8年(1796)のことをいいます。


奥書.jpg

とても古い資料ですが、実際に手にとってご覧いただくこともできます。

資料展示は、525日(木)まで、埼玉県立熊谷図書館2Fロビーにて開催しています。ぜひ、ご覧ください。

2012年3月22日

法律情報サービス講座「よくわかる!相続と成年後見の基本」を開催しました(浦和図書館)

3月10日(日)、さいたま市の弁護士で、法テラス埼玉副所長の 白鳥敏夫氏をお招きして、相続と成年後見についての講座を開催しました。 おかげさまで定員50名を上回るお申込みをいただき、10日前には満席に。当日の会場は熱気にあふれていました。

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遺言書を書く時はここに注意!
家族が多額の借金を残して亡くなったら?
相続放棄したら、生命保険金は受け取れないか?
認知症の高齢者の財産を守る方法
政府の相続法改正案で、今後の税負担はどうなる?

..などなど、ここだけは押さえておきたい基本的な知識について、具体的な事例を交えた親しみやすい講義でした。 多くの参加者のみなさんが90分間真剣に耳を傾け、質問も続々と寄せられました。

その後、浦和図書館司書より「法律情報の調べ方」として、相続・成年後見を例にとり、図書・雑誌・新聞記事の探し方や、無料相談窓口などお役立ち情報をご案内しました。

誰もが直面する相続や、老後の不安に備える成年後見制度について、非常に関心が高まってきているようです。

残念ながら今回ご参加いただけなかったみなさま、大丈夫です!

1 当日のテキストをご希望の方には、ご来館いただければ差し上げます(浦和図書館3階社会科学。産業カウンターにて)

2 図書館には、相続や成年後見制度の基本が理解できる、たくさんの図書や雑誌、DVDがあります!

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3 法律についてのお悩みや、成年後見制度について相談できる機関や窓口もご紹介します。

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参加された方からは「図書館ではこんなこともやっているんですね」というお声も頂戴しました。 その通り、図書館はお仕事・生活の悩みや課題解決のヒントとなる様々な情報をご提供しています。

みなさまのご来館や、お気軽なお問い合わせをお待ちしています。

2012年3月16日

調べ物のお手伝いをします!

浦和図書館・社会科学資料担当では、毎日、皆様からいただく質問を調査し、資料や情報を探すお手伝いをするレファレンスサービスを行っています。

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さて、どんな質問が寄せられているかというと・・・

?粟餅はどのように作るのか。
?塩にはカロリーがあるのか。

というごく身近なものから

?耕地整理に関連する法令の載っている資料を見たい。
?労研方式による養育費の算定方法を知りたい。

といった専門的なものまで多岐にわたっています。

浦和図書館は「ビジネス支援サービス」にも力を入れているため

?世界の主な穀物流通ルートについて知りたい。
?過去のヒット商品の発売日を調べるための資料を知りたい。

など、お仕事関連の質問もたくさんいただいています。


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調査は、複数の司書が協同で、事典・統計・年鑑などの図書や雑誌、新聞、さらにはインターネット、契約している商用オンラインデータベースなど、さまざまなツールを活用して行い、関連の資料・情報をご紹介しています。

埼玉県立図書館は3館が主題別に資料を分担する専門館になっていることから、質問内容によって、各館が相互に連絡をとりながら、より詳しい資料で調査を行うようにしています。

ご質問いただく時に
・いつまでに回答が必要か
・質問の内容はどんな資料に載っていたのか
・すでに調べた資料は何か
などの情報をいただけると、より効果的な調査ができます。

ご質問は、直接来館、電話のほか、埼玉県立図書館ウェブサイトにある「調査・相談(レファレンス)」のページ
https://www.lib.pref.saitama.jp/licsxp-opac/WOpacRefRefUkeDispAction.do
からも受け付けています。

みなさんからのご質問・ご相談を職員一同お待ちしています。

2012年3月12日

今日もどこかの街へ...

はじめまして。埼玉県立熊谷図書館・図書館協力担当です。

みなさんが普段利用する図書館で読みたい本をリクエストをした時、その図書館とは別の図書館のバーコードが付いた資料を手渡されることはありませんか? 一つの図書館だけでは、置ける資料に限りがあります。だから、同じ街の中の図書館はもとより、県内のそれぞれの街の図書館とお互いに協力し合いながら、持っている資料を貸し借りしているのです。これを「相互貸借」といいます。

そして、この図書館同士の相互貸借の橋渡しをするのが我々の仕事。各図書館の相互貸借の資料を、集めて・分けて・届けます。

さて、春の訪れをほんの少し感じるようなある日。今日は秩父方面の図書館8か所に巡回し、資料を届けます。

まず、専用箱に詰めた資料を運搬車(「協力車」といいます。)に積み込みます。
忘れ物がないか、もう一度確認したら、早春の秩父路に向けて、安全運転で出発進行!!

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荒川の清流を横に見ながら走ります。朝から降っていた小雨が止み、顔を出したお日様が川面を照らして、キラキラ輝いていました。

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「こんにちは 県立図書館です」

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「お預かりします」

協力車から降ろした専用箱を、巡回先の図書館の職員に渡します。(写真左側)代わりに、この図書館から他の図書館に運ぶ資料を預かります。(写真右側)このように、巡回先の各図書館に資料を届け、同時に他の図書館に送る資料を集めていきます。

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今日の巡回先の一つである皆野町公民館の図書室には、町で購入した新着図書と一緒に、県立図書館の資料が置かれていました。これは、図書館が設置されていない町村に、県立図書館の資料をまとめて長期間貸し出しているものです。(「配本所貸出」といいます。)

途中、横目に見た武甲山の頂には、まだうっすらと雪化粧が残っていました。

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夕方になり、巡回を終えた協力車が県立熊谷図書館に戻ってきました。巡回先から集めてきた専用箱を降ろします。ここからは気力と体力、集中力の勝負。この資料をその日のうちに、すべて行き先ごとに仕分けます。そして、明日届ける分の準備をします。

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...こうして一週間のうちに、県内すべての市町村を一回巡り、資料を届けています。明日は、あなたの街の図書館にお届けする日かもしれませんね。

なお、詳しくは、埼玉県立図書館ウェブサイトにある「埼玉県立図書館の図書館協力ネットワーク」のページ https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/service/net/ index.html

で御紹介しています。ぜひ、このネットワークの「力」を御利用ください!