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2018年6月

2018年6月19日

16mm映写機技術講習会を開催しました!

こんにちは。県立熊谷図書館視聴覚資料・図書館振興担当です。


去る6月3日(日)、6(水)に平成30年度「16mm映写機技術講習会」が開催されました。

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今回のブログでは講習会の様子を紹介するとともに、そもそも16mm映写機とは? 16mm映画フィルムとは? なぜ講習会が必要なのか? といったことにも触れてお話できればと思います。

みなさまは16ミリフィルム、16mm映写機と聞いてすぐその姿を思い浮かべることができるでしょうか。
参考に下に写真を載せておきます。

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▲映写機はこちら(北辰X280)

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▲フィルムがこちら(『半落ち』のフィルム。120分のものは大リール三本にもなります)

じゅうろく・ミリ【十六ミリ】一六ミリメートル幅の映画・写真フィルム。また、それを使用する撮影機・映写機。
[広辞苑 第7版 2018年1月12日発行より引用]

広辞苑 第7版にはこのように記されていました。8ミリフィルムや32ミリフィルムと同じように幅が16ミリのフィルムを16ミリフィルムといい、それ専用の映写機があるというわけです。

図1.png

▲幅が16ミリなので16ミリフィルム

家庭用再生機がビデオデッキからDVDやブルーレイディスクプレイヤーに変わり、映画館での上映もほぼデジタルに変わったと聞きます。
しかし、団体が非営利かつ来場者から入場料を徴収せず映画会を開こうという場合、16ミリフィルムほど有効な視聴覚資料は他にないと思われます。なぜなら、上映を目的として制作され、権利者の許諾を得ている資料だからです。(ちなみに個人所有のDVDやレンタルショップで借りたDVDなどで無断で映画会をすると著作権侵害とみなされる可能性があります。ご注意を!)
なお、県立図書館の16ミリフィルムの所蔵は4000本以上あり、劇映画、郷土資料、子ども向けアニメーションなどさまざまなジャンルのフィルムを所有しています。図書館でもDVDの貸出を行っていますが、それはあくまで個人への貸出のみが認められた資料であり、団体に貸出すことができ、かつ上映が可能なものというとまだまだ充実しているとはいえないのが現状です。

このような事情があり、フィルムの製造そのものが終了した現在においても、16ミリフィルムの需要はまだまだあるのです。今年度は図書館や公民館、幼稚園などさまざまな団体の方が受講してくださりました。二日間の受講者の合計は27名。例年、非常に多くの応募があり、受講できない方がいらっしゃいましたが、今年は定員を12名から24名と倍増することができました。
講習会を無事修了した方には、県立図書館所蔵の16ミリフィルムや映写機、あるいは各視聴覚ライブラリー所蔵のフィルムを借りて上映会ができる「16mm映写機技術講習会修了証」が交付されます。
映写機やフィルムは高価かつ繊細なもので、その扱いには注意が必要です。(過去には映写技師と呼ばれる職業もありました。)誤った使い方をすると上映中にフィルムが切れる、フィルムに傷をつけてしまう、映写機が壊れるといったことが十分に起こりえます。
こうしたトラブルが起きないように、あるいは問題が発生したときに適切な対処ができるような知識を身に付け、無事に映画会を開いてもらうための講習会が、今回の16mm映写機技術講習会というわけです。


前置きが長くなってしまいましたが、果たして、受講者の皆様は無事に講習会を終え、修了証を獲得することができたのでしょうか。

講師は北辰映像株式会社 樋口一雄様にお願いしました。
最初の一時間は、実際の映写機の操作に入る前に、フィルムに関することや映写機の構造・操作についてお話を頂きました。

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▲実際の映写機を用いて、映写機の構造や映写の原理について説明して頂きました。受講者の皆様も回りに集まって熱心に説明を聞いています。

その後は実習に入ります。グループごとに各一台の映写機を用いて、実際にフィルムを装填して映写の練習です。
フィルム通路の清掃、空転試写、フィルムの装填、映写、映写後のフィルムの巻き取りなど覚えることが多く、皆様最初は四苦八苦していらっしゃるようでした。

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▲目合わせつまみで、フィルムがしっかり映写機に装填されているか確認しています。映写中のトラブルを防ぐための大事な操作です。

実習の途中では、フィルムが切れた時どうするのかというお話もあり、実際に切れたフィルムをつなぐ練習も行いました。

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▲セロハンテープではなく、フィルム用の特殊なテープを使います。

昼休みを挟み、グループ同士相談しながら回数を重ねていくと徐々に操作になれてきた様子でした。
しかし、この後にテストを控えており、テストでは何も見ずに1人で全ての工程をこなさなくてはなりません。合格点は90点以上です。

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▲テストの様子です。グループごとに受講者同士が採点しあいます。

実習中は慣れていた人も工程の抜けがあったり、思わぬミスをしてしまうのがテストです。みなさま、修了証を無事に持ち帰ることができるように、緊張感を持って最後まで取り組んでいました。

その結果、無事に二日間とも全員テストに合格し、修了証をお渡しすることができました。
受講者のみなさま、大変お疲れ様でした。

16mm映写機技術講習会は来年度も同時期に開催する予定です。映画会を開いてみたい団体様のご応募をお待ちしております。

2018年6月13日

資料展「平成を振り返る。」開催中!(熊谷図書館)

こんにちは

熊谷図書館 人文・社会科学資料担当です。

最近は曇りや雨の日も多く、本格的に入梅という感じになってきましたね

今年は5月から暑い日が続き、熊谷では30度を超えることもありました。そして、梅雨が明ければいよいよ夏の到来です

今年の夏の暑さが、今から思いやられます......

ですが、今年の夏が少し特別なのは、暑さだけではありません。

そう、何と言っても今年の夏は「平成最後の夏」です

先日、天皇陛下の生前退位を認める特例法が参院本会議で可決されました。これに伴い、来年の2019年5月1日に元号が改められます。つまり、「平成」の時代は1年も残されていません。あなたがこのブログを見てくださっている今日の日も、来年には「平成」31年ではなくなっているのです

あなたは、平成の時代にやり残したことはありませんか?

この30年間のこと、きちんと思い出せますか?

現在、熊谷図書館では、資料展「平成を振り返る。」を開催しています

平成が終わると聞いてどきりとしたあなた、この機会に是非、図書館で平成の時代をタイムトラベルしてみませんか



さて、長かった前置きも終わり、ここからは展示の紹介です。

早速ですが、担当イチオシのコーナーを紹介しますよ

平成ベストセラーコレクション.JPGベストセラー本.JPG

こちらは、本展示の目玉コーナー「平成ベストセラーコレクション」です

ここではその名の通り、平成元年(1989年)から平成29年(2017年)までの年間ベストセラー本が一堂に会しています。

ベストセラー本は、いわばその年を象徴する本です。ずらりと並んだその本たちは、「平成」という時代の流れそのものと言っても過言ではありません。

どうですか? 表紙を見ているだけで懐かしい気持ちになりませんか?

でも、懐かしの資料はこれだけじゃないんです

これが流行った平成.JPG平成バックナンバー.JPG

埼玉県立図書館で所蔵しているのは、図書だけではありません

話題になったアーティストのCDや映画・ドラマ化された小説、時代を映し出す雑誌や新聞など、あらゆる方向から「平成」を象徴する資料を集めたコーナーもあります。

担当自身、「うわぁ懐かしい!」と言いながら資料を並べておりました

でも、平成の時代は、決していい出来事ばかりではありません。

多くの事件自然災害に見舞われた時代でもありました。

そして今でも、その爪痕は至る所に残されています。

平成の事件・事故.JPG

これらの事件・事故は、時代が変わっても決して忘れてはいけないものです。

1日も早い復興や今後の対策を考えるためにも、あの日のことを資料と共に振り返りましょう!



このように、本展示は平成の時代を懐古しながら、未来への展望も深められる展示となっております

終わると思っていなかった、いつまでも続くような気がしていた「平成」の時代。

もちろん、まだ実感は湧きづらいかもしれません。

しかし、夏は気だるい暑さと共に、間違いなくやってきます。夏が終われば秋が来て、冬が来て......。

やがて季節は巡り、「平成の終わり」がやってきます。

「平成」をきちんと見送るためにも、「平成」を未来に語り継ぐためにも、ここで1度立ち止まって「平成を振り返って」みませんか?

資料展「平成を振り返る。」

期間 5月26日(土)~7月29日(日)※図書館休館日を除く

場所 埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー

皆様の御来館をお待ちしております