2023年10月
2023年10月31日
資料展「遊んで埼玉 図書館×ボードゲーム with かるた」開催中!
こんにちは!
埼玉県立熊谷図書館 地域・行政資料担当です。
突然ですが、皆さんはゲームが好きですか?
最近は様々なゲームが発売され、話題になっていますね。
しかし、今熱いのはデジタルゲームだけではありません。
新型コロナウイルスの流行によって人との交流が減ったことで、みんなで集まって卓を囲む「ボードゲーム」にも注目が集まっているのです。
図書館でもボードゲームを用いたイベントが話題となっています。
ボードゲームを貸出したり、実際に図書館で遊んだり......。
そして、埼玉県立図書館でも今年12月に開催される「図書館と県民のつどい埼玉2023」でボードゲームを遊ぶスペースを開設することになりました!
これに合わせ、熊谷図書館では資料展「遊んで埼玉 図書館×ボードゲームwithかるた」を開催しています。この展示ではイベント当日に遊ぶことのできるボードゲームと、それらに関連する埼玉資料を紹介しています。
1 図書館とゲーム
そもそも、図書館でゲームをしていいの?
図書館って静かにしないといけない場所なのでは......。
そう思ったあなた!
図書館は読書や研究をする施設というのはもちろんですが、同時に人々が集まる拠点でもあります。
そこで、図書館で沢山の人が楽しく交流し、コミュニケーションを取るためのツールとして、ゲームが注目されているのです。
このコーナーでは図書館とゲームを関連付けた取り組みや、ゲームに関する図書館資料を展示しています。
2 埼玉とボードゲーム
最近ではボードゲームは図書館以外でも、様々な場面で注目されています。例えば、郷土の偉人の紹介や子どもの生活習慣の啓発のために、かるたやすごろくなどのボードゲームが作られています。
特に渋沢栄一は来年から発行される一万円札の顔になることもあり、話題沸騰中! 関連のボードゲームがいくつも制作されています。
3 図書館で"さいたマップ"
今回の展示における目玉の1つが『みんなのさいたマップ』です!
このゲームは埼玉資料として図書館に所蔵されている資料です。こちらは埼玉ボードゲームサークル「ヴェルヘル」様協力の元、ボードゲームの実物と埼玉の名産・名所を紹介する資料を展示しています。
4 郷土とかるた
埼玉県立図書館にはたくさんの郷土かるたが所蔵されています。
郷土かるたはいろはかるたの一種で、その地の名産・名所や偉人などを詠んだものです。埼玉県立図書館ウェブサイトの蔵書検索を〈タイトル:かるた & 対象資料:埼玉資料〉で検索すると、152件の資料がヒットします。もちろんかるたそのものではない資料も入っていますが、その数の多さは感じてもらえるかと思います。
残念ながら全てのかるたは展示できなかったので、比較的新しいカルタを中心に展示しています。
5 本とゲームで辿る渋沢栄一の人生
「埼玉とボードゲーム」でも紹介したとおり、最近は至るところで渋沢栄一が注目されています。その中で制作されたのが『渋沢栄一人生ゲーム』! タカラトミーが発売したあの大人気ゲーム「人生ゲーム」で、渋沢の生涯を辿れるゲームです。
今回は埼玉県観光課から実際のゲームをお借りして、渋沢栄一関連資料と併せて展示しています。
いかがでしたか?
本展示は、ゲームを通じて楽しく地域資料に触れることができる展示となっています。
埼玉資料は使ったことがないけれど、ゲームは好きというあなた! 是非、熊谷図書館でボードゲームと埼玉資料を見てみてください。
ご来場をお待ちしております!
資料展「遊んで埼玉 図書館×ボードゲーム with かるた」 開催日時:令和5年9月23日(土曜日)~令和5年11月26日(日曜日) ※図書館休館日を除く 詳しくは埼玉県立図書館ウェブサイトを御覧ください。 |
※展示資料は貸出できません。館内でご利用ください。
2023年10月24日
情報・地域協力担当の仕事について
こんにちは。久喜図書館の情報・地域協力担当です。
今まで私たちの担当の仕事について、「地域協力」の部分はこちらやこちらでご紹介してきました。
では、「情報」の部分はどんな仕事があるでしょうか。名前からは具体的にどんなことをしているのか想像しにくいこの仕事について、ご紹介したいと思います。
まず、利用者の方に直接関わる仕事として、情報の探しかた講座の運営があります。
情報の探しかた講座では、それぞれのテーマに関する情報を探す方法についてご紹介します。今年度は10月26日から開催いたします。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
次に、利用者の方からは見えにくい仕事として、レファレンスサービス関係の仕事の取りまとめがあります。
レファレンスサービスとは、利用者の方の調べ物を、図書館職員がお手伝いするサービスです。
具体的には、利用者の皆様から受け付けたご相談を下調べし、内容によって各担当へ振り分けたり、回答を取りまとめ、国立国会図書館のレファレンス協同データベースに提供したり、皆様がご自分で情報を探す際の手がかりとなるリンク集の管理をしたり、といったことをしています。
私たちが国立国会図書館へ提供したレファレンス事例は、以下からご覧いただけます。キーワードで検索することも可能ですし、提供した全ての事例の一覧を見ることもできます。
レファレンス事例データベース - 埼玉県立図書館 (pref.saitama.jp)
私たちが管理しているリンク集は、以下から見ることができます。埼玉県内の大学や博物館・資料館などで図書資料を閲覧できる場所を紹介する「埼玉の図書館類縁機関案内」や、調べものや情報収集に利用できるウェブサイトをまとめた「調査・研究に役立つリンク集」などがあります。
調査・相談(レファレンス)に役立つリンク集 - 埼玉県立図書館 (pref.saitama.jp)
ぜひご活用ください!
2023年10月20日
資料展「埼玉さあ行こう!~埼玉の観光地と観光ビジネス~」は終わったけれど、埼玉観光は終わらない!
みなさんはこの夏、観光をしましたか? 観光をするには、ガイドブックやパンフレットを見てどこに行くかを検討しますよね。実は図書館にも観光プランを立てるのに役立つガイドブックなどがたくさんあります。
またホテル業や旅行業などの観光ビジネスには多くの人が携わっており、インバウンドやワーケーション、グランピングが近年注目を集めています。
県立熊谷図書館では、埼玉の観光地や観光ビジネスに関する資料展「埼玉さあ行こう!~埼玉の観光地と観光ビジネス~」を令和5年8月1日(火曜日)~令和5年9月21日(木曜日)にかけて開催しました。埼玉の観光地や観光ビジネスに関する資料を展示して展示を見た人に観光してもらい、図書館も県内観光産業の発展に貢献したいという思いから企画した資料展です。このブログでは、どのような展示だったのかをテーマごとに写真も交えて紹介していきます。
1 埼玉の観光地
「さあ行こう!」となったら、みなさんはガイドブックやインターネットを使って事前に観光地の情報を集めることが多いと思います。図書館で所蔵しているフリーペーパーにも観光地に関する情報が掲載されています。フリーペーパーはデザインや写真の撮り方を工夫しているものが多く、見ているだけでわくわくしてきます。フリーペーパーだけでなく、埼玉の観光地を舞台にした漫画『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』やボードゲーム「みんなのさいたマップ」も展示しました。
2 埼玉の観光地と食
観光に行ったら、その土地にあるおいしい食べ物を食べたくなるもの。埼玉にも地域に根差したおいしい食べ物がたくさんあります。埼玉といえばうどん! こうのす川幅うどんや熊谷うどんが有名ですよね。他にも東松山の焼き鳥や北本のカレーを紹介したグルメガイドもあります。表紙を見るだけで食べたくなってきませんか?
3 観光ビジネスとは
観光ビジネスとはどのようなものなのかや業界動向が分かる図書、コロナ禍を総括する特集が掲載された雑誌などを展示しました。新型コロナウイルスの感染拡大による宿泊業・旅行業への影響やこれからの観光業について知ることができる資料も揃っています。
4 観光ビジネスとまちづくり
コンテンツツーリズムや聖地巡礼、観光地域づくり法人(DMO)をキーワードに展示しました。埼玉県は「クレヨンしんちゃん」の春日部市、「心が叫びたがってるんだ。」の秩父市、「らき☆すた」の久喜市などの聖地巡礼スポットがあります。聖地巡礼も観光ビジネスのひとつなのです。
5 新たな観光ビジネス
ここでは、新たな観光ビジネスとしてワーケーションやグランピング、ウェルネスツーリズムについて書かれた資料を展示しました。まだ耳慣れない用語もあるかもしれません。そんなときは是非、展示した資料を読んでみてください。
県観光課から借りたポスター
埼玉県で観光に関する展示をするなら、あの方のポスターを展示したい! ということで県観光課からポスターを借りました。それがこちら。埼玉バーチャル観光大使春日部つくしさんのポスターです。ポスターは川越の時の鐘をバックにしたものとイロドリ埼玉の2種類。どちらも旅情をかき立てますね。このポスターを見るために図書館に足を運んでくれた方もいたのではないでしょうか。
ここまで、展示の内容を紹介してきました。「埼玉さあ行こう!~埼玉の観光地と観光ビジネス~」展示資料リスト(PDF:1.5 MB)には、展示資料のほかに関連するウェブサイトのリンクも掲載しています。こちらも併せて御覧ください。
季節は夏から秋へと移り変わっています。私は9月に嵐山町で1泊2日のキャンプをして日本酒とキャンプ飯を堪能しました。資料展は終わっても、観光シーズンは終わりません。このブログを読んでくれているみなさんも、最高の埼玉観光を楽しんでください。
2023年10月7日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『虫から死亡推定時刻はわかるのか? 法昆虫学の話』
(三枝聖著 築地書館 2018)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:498.9/ムシ>
本書は、不幸にして人間より先に昆虫に発見された死者(孤独死や遺棄された殺人事件の被害者)について、死体に定住する昆虫(主にハエの幼虫)からいつ亡くなったかを推定する自称「法昆虫学者」によるお仕事解説書である。
最後の生存確認情報や解剖所見では判別できない場合にお呼びがかかり、第一発見者である昆虫から証言を聞き取るのが「法昆虫学者」の仕事らしい。法医解剖室で昆虫を採集し、標本を作り、死体発見現場の環境や天候、解剖室への移動時間を鑑みつつ種類を特定、成長段階や個体数から死後経過時間を推定していく。生命活動を終えてから土に還るまでの観察実験も興味深い。
虫のことを見るのも考えるのも嫌という方にはおすすめはしないが、人間も他の生物と同じように自然の循環のなかにいる、という当然のことに思いいたる。
一般人とていつなんどき法昆虫学にお世話になるかわからない。このニッチな世界をのぞいてみてほしい。
(紹介者:神原陽子)
■No.2■
『ささやく恋人、りきむレポーター 口の中の文化(もっと知りたい!日本語)』
(定延利之著 岩波書店 2005)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:811.1/ササ>
美味しい料理に、つい唸る。誰かにお願いメールをする時に、土下座の絵文字を使う。そんな日本語話者にとってはごく普通の光景に、他言語文化の視点からスポットライトを当てて、新たな側面を見せてくれる一冊。
本書では、言語学者である著者が、私たちが会話をする上で日常的に・無意識のうちに行っている事象をつぶさに観察し、音声コミュニケーションにおける気持ちと音声の結びつきを分析している。
「えっと」「あの」といったつなぎ言葉(フィラー)や、つっかえ、イントネーションとアクセントの変化、りきみ、空気すすりといった行為には、存在理由と意味があった。
豊富な事例紹介と軽快な語り口に、つい読む姿勢が前のめりになる。
(紹介者:S・O)
■No.3■
『呼べばくる亀 亀、心理学に出会う』
(中村陽吉著 誠信書房 1991)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:487.9/ヨ>
飼い犬は名前を呼ばれると駆け寄ってくるが、亀の場合はどうだろうか。本書は、ある心理学者と「カメちゃん」ことペットの亀の交流や心理学的実験の記録である。
カメちゃんは飼い主を探して部屋を移動する。餌付けしたわけではないのにただ甘えたくて飼い主に歩み寄り、握手するように手を差し出すこともある。
なぜ亀とこのような信頼関係を築くことができたのか?本書を読むと、その秘訣は心理学者ならではの観察力にあることがわかる。時に客観的に、時に愛情たっぷりに、亀の心理や行動を分析したユーモラスな一冊。
(紹介者:M・M)
それでは、次回もお楽しみに。