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2022年12月

2022年12月27日

埼玉県民の日-こどもスペシャルイベント-開催しました

こんにちは。久喜図書館の子ども読書推進担当です。

今年もあと残すところわずかとなりました。

埼玉県立久喜図書館では、11月14日(月)に、「埼玉県民の日 こどもスペシャルイベント」(14時~15時20分)を開催しました。

こどもスペシャルイベントでは、ボランティアグループ「トムの会」によるおはなし会と当館職員による工作会をそれぞれ行いました。

当日は、強風にも関わらず、全部で46名の方にご参加いただき、無事に開催することができました!

おはなし会の内容は、紙芝居や手遊び、大型絵本の読み聞かせです。参加した子どもたちは、食い入るように見ていました。

紙芝居の様子 手遊び「どんぐりころちゃん」 の様子
紙芝居

手遊び「どんぐりころちゃん」

どっちの手にドングリが入っているかな?

工作会では、リング飛行機を作りました。子どもたちには、自由に絵を描いてもらいました。それぞれの個性が出ていて、どれも素敵なものが出来上がりました!子どもたちは、リング飛行機を作り終えるとすぐに図書館前の中庭で飛ばしていました!

リング飛行機(完成形) 「リング飛行機」に絵を描いている様子
リング飛行機(完成形) 「リング飛行機」に絵を描いている様子。

皆様には、鮮やかなイチョウの紅葉を背景に、楽しい時間を過ごしていただくことができました。

「トムの会」さん、そして参加してくださった皆様、ありがとうございました!

子ども図書室では、毎月おはなし会(第1~3土曜日、第2水曜日は小さい子向きおはなし会、第4水曜日は親子ふれあい講座)、工作会(第4土曜日のみ)を開催しております。当館ウェブサイトや館内掲示にてご確認いただき、是非ご参加ください。たくさんの方のご来館をお待ちしております。

2022年12月23日

11月5日(土) 百周年記念文化講座「埼玉県立図書館あんな話こんな話~映像と語りによる としょかん回顧録~」を開催しました

こんにちは。熊谷図書館の人文・社会科学資料担当です。
11月5日(土)に、令和4年度熊谷図書館文化講座「埼玉県立図書館あんな話こんな話~映像と語りによる としょかん回顧録~」を開催しました。
今年度の文化講座は、埼玉県立図書館百周年を記念したもので、テーマはもちろん「埼玉県立図書館」です!
「語り手」として、埼玉県立図書館元職員の北爪健一(きたづめ けんいち)さん、小山正記(こやま まさき)さんのお二人をお迎えし、要覧や年表には載っていない「こぼれ話」を語っていただきました。
百周年記念のため、講師と職員とで協力し講座内容を構成しました。「1 黎明期と浦和図書館」「2 熊谷図書館開館の頃」「3 移動図書館のおはなし」「4 新聞記事に見る埼玉県立図書館」「5 映画会・視聴覚資料のおはなし」「6 久喜図書館開館の頃」「7 現在の姿」「8 みんなの県立図書館」の8つのテーマに分け、懐かしい映像、写真、新聞記事等を見ていただきながら県立図書館の歩み等を振り返りました。
講師の方のたくさんの素敵なお話に、参加者の皆さんは最後まで熱心に耳を傾けられていました。
Image20221108165700.jpg

講座で語られたエピソード等について、ほんの一部ですが、ご紹介したいと思います。

1.黎明期と浦和図書館
明治期に埼玉師範学校に併設された浦和書籍館は広く利用されることがないまま数年で廃止となったこと、大正11年(1922年)に現在の県立図書館の前身となる埼玉図書館が開館したこと、巡回文庫のことなど、写真や統計等を紐解きながら、黎明期に思いを馳せました。

下は、埼玉図書館が設置された郡役所の写真です。

県教育会立埼玉図書館.png

平成27年(2015年)に廃館となった浦和図書館が、昭和35年(1960年)に落成した当時の映像を上映し、竹等の素材を使った個性的なデザインの天井3種類の写真などもご覧いただきました。この天井、記憶に残っている方はいらっしゃるでしょうか?

浦和図書館天井.png

浦和図書館と隣接する埼玉会館は著名な建築家前川國男氏の作ですが、敷地が緩やかに地続きとなっており一体感がありました。独特な天井の意匠と相まってなのか(?)浦和図書館を著名な建築家の設計と勘違いして来館される方もいらっしゃったようです。

2.熊谷図書館開館の頃
熊谷図書館の開館準備や1980年代の様子を記録した映像を上映しました。資料を鋭意受入れる様子、資料保存のための収蔵庫、今も変わらない障子の窓辺などが紹介されていました。

現在の障子の窓辺.png

資料の受入れとともに、所蔵の有無を検索するための目録カードの整備も同時に行われました。大量の目録カードを書名や著者名の50音順に繰り込む作業は、昼食後は眠気との戦いだったとか。

目録カード.jpg

資料検索は、今ではオンライン検索が主流となりました。埼玉県立図書館では、川越図書館閉館前後の辺りで、電算化が進んだというお話がありました。

3.移動図書館のおはなし
活動の様子、各館の移動図書館車の概要の紹介がありました。車の愛称の由来も教えていただきました。例えば、久喜図書館「みずほ号」は、県東の田園地帯のみず穂のたなびきから命名されたそうです。

みずほ号と職員.jpg

県立図書館最後の移動図書館車の設計図や写真を見ながら、こだわりのポイントや活躍の様子をお話しいただきました。北爪さんは移動図書館業務に長く携わるとともに、個人的にアジア・アフリカと共に歩む会で活動されており、役目を終えた図書館車がアフリカに贈られる事業についてもお話しくださいました。

4.新聞記事に見る埼玉県立図書館
昭和30年代にレファレンスサービスを紹介する記事があったり、昭和50年代に全国初の点字版図書目録を作成した記事、浦和図書館閉館間際に映画『北のカナリアたち』の撮影に関する記事があったり...、新聞記事から埼玉県立図書館のあれこれを振り返りました。
昭和54年(1979年)3月10日の『埼玉新聞』に掲載されていた「珍しやカイの木 県立熊谷図書館で」という記事には、現在も敷地内にある木について書かれていました。そんなに珍しい木だったとは...。

現在のカイの木.png

5.映画会・視聴覚資料のおはなし
昭和の映画会の様子を記録した映像を、会場内に設置した映写機で再生。フィルムの回る独特の音を聞きながら鑑賞しました。時代が変わっても、大勢で鑑賞する映画会の良さは変わらないというお話に、参加者の皆さんもうなずきながら耳を傾けていらっしゃいました。
図書館で視聴覚資料を収集する意義、フィルム保存の難しさなど、長年にわたり視聴覚資料のサービスに従事してきた小山さんの経験や思いをお話しいただきました。

フィルム庫の様子.png

6.久喜図書館開館の頃
オープン当時の賑わいを記録した映像をご覧いただきました。
あまりの混雑に迷子が出たり、入口外のピロティーで利用登録の受付をしたりと、休む間もない忙しさだったそうです。
開館記念に郵便局では記念スタンプが作成されたというエピソードには驚きました。

開館記念スタンプ・切手.png

久喜図書館が開館し4館体制となったことで、合同目録作成の事業が始まりました。目録は冊子からCD-ROM版に移り変わり、そして、今ではオンライン検索に。便利な時代になりましたが、紆余曲折あったのですね。

合同蔵書目録(A5).jpg

小山さんの久喜図書館での思い出の締め括りに、東日本大震災当日の手記の紹介がありました。書庫資料の大量落下、お客様の混乱の様子など克明な描写に改めて震災の恐ろしさがよみがえりました。甚大な被害を受けた久喜図書館は、復旧のため2日間臨時休館することとなりました。

7.現在の姿
4館体制の時代を経て現在は熊谷、久喜、浦和分室の2館と1分室という体制となっています。現在の様子を現役職員から少しご案内させていただきました。

2館1分室.png

8.みんなの県立図書館
最後に、参加者の方に県立図書館の思い出などを伺いました。「図書館が好き」という想いが伝わる温かいお言葉、司書に対する思いなど素敵なお話をお聞きすることができました。
講座終了後、参加者の方から「移動図書館の話が懐かしかった」「熊谷図書館の障子の窓、いいですね」「貴重なお話と映像だった」などのご感想もいただきました。

Image20221108165722.jpg

講師のお二人が特に力を注いでこられた「移動図書館」「映画会・視聴覚資料」については、その当時を知るお二人だからこそ語ることのできる、まさに"こぼれ話"がたくさん飛び出しました。移動図書館車を見つけて「来た来た!」と喜んでくれる子どもたち、図書館や映画館のない地域で開催された出張映画会のエピソードなど、その時の様子が鮮明に思い浮かぶようでした。
サービスの形は変わっていったかもしれませんが、皆さんにとって身近で便利な図書館でありたいという想いは今も昔も変わらず図書館に引き継がれています。先輩方の意志をしっかりと引継ぎながら、時代と共に進化し続ける埼玉県立図書館でありたい...と、講座を企画した職員一同思いを新たにする機会となりました。

北爪さん、小山さん、参加してくださった皆様、ありがとうございました。

※上映タイトル、新聞記事情報については、「 講座使用資料リスト.pdf (PDF:125.6 KB)」をご覧ください。

2022年12月20日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。

書架の様子.jpg

さて、今月は...

■No.1■
『英文サインのデザイン』(小林章著 ビー・エヌ・エヌ新社 2019)

<所蔵館:久喜図書館 請求記号:727/エイ>

多言語での案内板を街中で見かけることが多くなってきた。この英語で作られた案内板は日本人にとってはわかりやすいが、本当に英語話者に通じているのだろうか?例えば、日本語の「」を英語の""に置き換えた文章がある。日本人は「」内を強調したいだけだが、""は皮肉を込めた強調と受け取られ、要らぬ誤解を招く。この本はどのような文章・フォント・記号を使えばよいかを教えてくれる。この本を読んだ後は街中の多言語案内板をまじまじとみつめてしまうことになるだろう。

(紹介者: T・O)

■No.2■
『「悩み」の正体』
(香山リカ著 岩波書店 2007年)

<所蔵館:久喜図書館 請求記号:493.7/ナヤ>

「「悩み」の正体」書影.jpg

時代によって人々の「悩み」は変わっていく。現代社会においても現代特有の様々な悩みを抱え日々生活をしている。著者もまた、「悩み」の中身が時代によって変化してきているのだと述べている。従来なら悩みにならなかった問題が、悩みになってしまっている。 私たちは今抱えている悩みをどう解消すればいいのか?様々なケースから悩みの背景を丁寧に解きほぐし、「悩みの正体」を見極める。本書には何かしらのヒントが集まっている。

(紹介者:ET)

■No.3■

『正解は一つじゃない 子育てする動物たち』
(齋藤慈子ほか編 東京大学出版会 2019)

<所蔵館:久喜図書館 請求記号:481.78/セイ>

「正解は一つじゃない」書影.jpg

カッコウの托卵は育児放棄?いやいや、子孫を残すために最適な方法を、長い年月をかけて模索してきた結果なのだ。メスのワンオペ、オスの授乳。様々な動物の驚きの育児方法は、どれも正解であり、また発展途上の形態でもある。動物の子育てを知り、自分自身の最適な育児を探っていくための参考書となる楽しい一冊。なんと執筆者は全員(人間の)子育て経験者だ。 人間はどのように子育てすべきか...それももちろん、正解は一つじゃない。
(紹介者:山本)


それでは、次回もお楽しみに。