2018年11月
2018年11月19日
「図書館と県民のつどい埼玉2018」中高生ビブリオバトル中学生予選会を開催しました。
11月14日(水)県民の日に、「図書館と県民のつどい埼玉2018」中高生ビブリオバトル中学生予選会を聖学院大学にて開催しました。
中学生予選会の開催は今年で3回目となりますが、年々中学生バトラーのレベルが上がってきていると感じます。
今回の中学生予選会は、9月に県内すべての公立・私立中学校にバトラー募集のお知らせをしたところ、13校から22名のバトラーが参加しました。今年は各校から2名を上限に募ったのですが、それでも昨年の18名を上回る応募がありました。中学校でもビブリオバトルは着実に広がりを見せていることが伺えます。
予選会の運営も、参加者数に応じて毎年形を変えています。
今年は22名の参加者をくじ引きで6グループに分けて、グループごとにワークショップ形式で予選を行い、それぞれのグループのチャンプ本獲得者6名がイベント形式で決勝を戦うという形をとりました。
各グループの予選を見て回って感じたのは、ワークショップ形式に慣れていないバトラーが多いかなということでした。それでも、戸惑いながらも自分のおすすめ本の良さを伝えようと皆さん堂々と発表していました。
決勝に進んだ6名は、3組に分かれて1対1の決勝戦を戦いました。
いずれの発表もおおいに会場を沸かせ、どの本も「読んでみたい!」と思わせる発表でした。
最終的に決勝でチャンプ本を獲得したのは、
・さいたま市立与野東中学校 中澤優輝さん
「成りあがり How to be BIG」 矢沢永吉 著
・さいたま市立日進中学校 樽本咲月さん
「蜜蜂と遠雷」 恩田陸 著
・さいたま市立大宮東中学校 小林賢汰さん
「厭な小説」 京極夏彦 著
の3名でした。「図書館と県民のつどい」本戦での活躍も楽しみです。
参加したバトラーの皆様、引率の先生方、観覧にいらっしゃった皆様、お疲れ様でした。本当にどの発表もすばらしく、中学生の若々しさ、素直さに心打たれた方も多かったと思います。ビブリオバトルには、「本を通じて人知る、人を通じて本を知る」という本旨があり、それを実感した1日になりました。
最後に、予選会で紹介された本のリストを掲載します。参考にご覧いただければと思います。
本のタイトル | 著者名 | 出版社名 | |
1 | 厭な小説 | 京極 夏彦 | 祥伝社 |
2 | かがみの孤城 | 辻村 深月 | ポプラ社 |
3 | 神様ゲーム | 麻那 雄嵩 | 講談社 |
4 | キケン | 有川 浩 | 新潮社 |
5 | 今夜は眠れない | 宮部 みゆき | KADOKAWA |
6 | サクラダリセット | 河野 裕 | 角川文庫 |
7 | 桜のような僕の恋人 | 宇山 佳佑 | 集英社 |
8 | 死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録 | 古宮 九時 | KADOKAWA |
9 | 絶対主義 | 秋吉 理香子 | 幻冬舎 |
10 | タイムボックス | アンドリ・S・マグナソン | NHK出版 |
11 | だから私は明日の君を描く | 汐見 夏衛 | スターツ出版 |
12 | 手紙 | 東野 圭吾 | 文春文庫 |
13 | 成りあがり How to be BIG | 矢沢 永吉 | 角川文庫 |
14 | 博士の愛した数式 | 小川 洋子 | 新潮社 |
15 | 文豪ストレイドックス DEAD APPLE | 岩畑 ヒロ | 角川ビーンズ文庫 |
16 | 僕はロボットごしの君に恋をする | 山田 悠介 | 河出書房新社 |
17 | 星の王子さま | サン・テグジュペリ | 新潮社 |
18 | 蜜蜂と遠雷 | 恩田 陸 | 幻冬舎 |
19 | もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX | 神田 桂一・菊池 良 | 宝島社 |
20 | ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 | 田中 経一 | 幻冬舎文庫 |
21 | 連続殺人鬼 カエル男 | 中山 七里 | 宝島社 |
22 | 六人の赤ずきんは今夜食べられる | 氷桃 甘雪 | 小学館 |
2018年11月16日
久喜図書館文化講座「埼玉道中膝栗毛」を開催しました!
こんにちは。久喜図書館の芸術・文学資料担当です。
11月10日(土)に、久喜図書館で文化講座を開催しました</span毎年開催している当講座、今年は埼玉県立歴史と民俗の博物館で主任専門員兼学芸員の杉山正司(すぎやま まさし)氏を講師としてお招きし、「埼玉道中膝栗毛」と題した講演を行いました。
杉山先生は、近世交通史を専門としており、NHKの人気番組にご出演の経験を持ち、杉山先生の講演会なら!と参加を申し込まれたファン(?)の方もいました。
講師の杉山 正司(すぎやま まさし)氏
当日は天気に恵まれ、直前の申し込みも多く、気がつけば100名を超える程のたくさんの方々にご参加いただきました
講演は、4部構成となっており、第1部と第2部は江戸時代の中山道・日光道中と日光御成道を通った旅人の紀行文や道中記を中心に、埼玉県の宿場の様子を、第3部は明治時代の紀行文より外国人の旅人が見た埼玉県の宿場の様子を、第4部は埼玉から伊勢神宮への旅を庶民の旅日記をもとに辿りながら、わかりやすくお話していただきました。
講演でご紹介してくださった道中記や旅日記には、沿道の宿場の様子の他、宿泊時に本陣で出された献立まで詳細に書かれていて、当時何を食べていたのか、庶民や大名、武士など身分によって献立の内容が違うことなどがわかり、他の宿場ではどんな献立だったのか全部読んでみたくなりました。
また、伊勢神宮への旅では、伊勢参宮を目的とした伊勢講を村々で作り、旅費を積み立て、くじで代表を選んで参宮者を決めていたということに驚きました。講を代表して旅をするため、今で言う復命書代わりに旅日記を書いていたそうです。
それぞれの旅人目線で、当時の旅がどういったものだったのか、どんな風景を見ていたのかが垣間見えて、道中記や紀行文の魅力をより深く味わうことができました
受講した参加者の方からも「楽しくあっという間の1時間45分でした。」「大変勉強になった。わかりやすく面白かった。」などの感想をいただき、皆さまにご満足いただけた講座となりました
杉山先生、そしてご来場くださいました参加者の皆さま、どうもありがとうございました
なお、「講座には参加できなかったけれど、内容だけでも知りたい!」という方は、若干数ではございますが、講座の資料がございますので、久喜図書館2階カウンターまでお越しください。
また、この講演会にあわせ、2階公開図書室で11月18日(日)まで文化講座関連の資料展「埼玉と街道」を開催しております。
開催期間
平成30年10月10(水曜日)~11月18日(日曜日)
(図書館休館日を除く)
開催場所
埼玉県立久喜図書館 2階公開閲覧室
埼玉県に点在する中山道や日光道中の宿場町について書かれた資料、中山道を題材として取り扱った文学作品や絵画、そしてそれぞれの街道を通って旅をした人の紀行文(道中記)など展示しています。もちろん杉山先生の著作も展示しています。展示期間終了まであとわずか ご来館の際は、ぜひ手にとってご覧ください。詳しくはこちら。
2018年11月9日
「ボランティア養成 手作り布絵本講座」を開催しました!
今年度も県立久喜図書館で「ボランティア養成 手作り布絵本講座」を開催しました。
布絵本とは、布を主な素材とした絵本です。
ひもやファスナー・ボタン・スナップなどを使って、
はめる・あわせる・ほどく・むすぶなど
絵を動かして、指先の訓練をしながら遊ぶことができます
<布絵本『おめめをあけて』 動物の目の部分がボタンになっています>
様々なハンディキャップのある子どもたちが、
楽しめるよう工夫されています。
講師には、布絵本をつくるボランティア「ぐるーぷ・もこもこ」の相談役であり、
オリジナル布絵本作家でもある野口光世先生をお迎えしました
<野口先生のご指導を受けながら>
障害のある子どもたちにたくさんの布絵本や布おもちゃを作って届ける活動を続けていらっしゃる先生の熱意を感じ、ますます製作に熱の入るみなさん
<今回の講座では新しく5名の方が参加してくださいました>
布絵本は誰が作っているの?
久喜図書館で所蔵するほとんどの布絵本は、
布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」のみなさんが、1点1点、丁寧に製作したものです。
手作業で作るので、1年間に作れるのは、1タイトル(5点)くらいです。
「つくし」のみなさんは、月に2回の活動日に、地道に製作を続けるほか、
今回のような「手作り布絵本講座」に参加して、技術の研鑽にはげんでいます
<外の雨の音など気にせず、皆さん真剣に布絵本を製作中>
今年は、布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」が平成10年に結成されてから20年目にあたります。
日頃の感謝の意を表すとともに、20周年を記念して図書館から感謝状を贈呈しました
<図書館から感謝状を贈呈>
<野口先生を囲んで記念撮影>
布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」は、見学を随時受け付けています。
ご希望の方は県立久喜図書館子ども読書支援センター(電話 0480-21-2659 E-mail:kuki-jido@lib.pref.saitama.jp)までご連絡ください。
県立図書館では、障害のある子どもたちへのサービスのひとつとして、触って楽しめる 布絵本 を埼玉県内の特別支援学校(学級)や児童福祉施設に団体貸出しています。
手作り布絵本リスト・貸出案内のページ(https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/ko_shien/nunoehon_annai.html)
まだ、活用したことのない特別支援学校(学級)や障害児(者)福祉施設で働く職員のみなさん、ぜひ一度、手にとってみてはいかがですか。
布絵本ならではの"ぬくもり"を感じることができます