2012年12月
2012年12月5日
講座「社会起業のはじめ方 ~あなたの力が 地域を元気にする 新しいシゴトの形」
最近、お金儲けよりも社会に役立つ仕事がしたい、と望む若い人が増えているそうです。また、現役時代の経験を生かして地域貢献したい...と考える元気なシニア層も少なくないとか。
そこで、さる11月24日、浦和図書館ではビジネス支援サービスの一環として、社会起業/コミュニティビジネスの入門講座を開催しました。
社会起業とは、社会の課題や問題をビジネスの手法で解決しようとする取り組み。NPO、企業、協同組合などさまざまな経営の形があり、今、世界でも日本でもとても注目されています。地域限定の課題に取り組む場合、コミュニティビジネスとも言われます。
当日は、目のキラキラした意識の高いみなさんが集まり、熱心に耳を傾けてくださいました。後半のワークショップの時間では、参加者のみなさんどうしで地域の課題をテーマに話がはずんでいました。
講師の桑原静(くわはら しずか)さんは、コミュニビジネスセミナー講師として全国を飛び回る一方、ご自身でもさいたま市内で「シゴトラボ」 「BABAラボ」という合同会社を営んでいらっしゃいます。
100歳まで働けるものづくり職場を目指す「BABAラボ」のオフィスは静かな住宅街のなかの一軒家 打合せのため私もおじゃましましたが、孫育てのためのカラフルでかわいいグッズでいっぱい!ミシンを踏むおばあちゃん。「ただいま~」と駆けこんでくる学校帰りの子どもたち。テーブルを囲んで相談しながら作業するお母さん&お姉さんたち。なんとも温かなワクワクする仕事場でした。
近所にこんな居場所があったら、安心して暮らせそうです。
さて、桑原さんの講義から...
「普通のお店や会社と、社会起業はどう違うのでしょうか?」
その答えは、社会起業はスタートに「課題」があり、最終ゴールは「課題の解決」であること。
そして、あなたの理想に共鳴して、行政、商店街、近所の方々、企業、マスコミ、大学 ...といった様々な人々が、様々な形で力を貸してくれるようになる、ということ。
そうしたたくさんの人の力を借りて、点ではなく面として広がっていけば、課題解決力もぐんぐんアップ そう、社会起業に欠かせないのは、
つながり力!(熱く語る桑原さん)
いろんな人とつながろうと行動する、コミュニケーション力が大切なのです。
とはいえ、実際にお店や事業を始めるためには、どんな経営形態にしろ、しっかりした計画とビジネスの知識が必要です。
そこで、後半は、創業・ベンチャー支援センター埼玉の職員から、事業計画、販路、金融などの専門家相談やセミナーを開き、埼玉県民の起業を強力にサポートしています!というご案内がありました。 実際、こちらを利用して社会起業、コミュニティビジネスを立ち上げた方がたくさんいらっしゃるそうです。
そして図書館も、起業応援団の一員です。
起業入門書はもちろん、起業に欠かせないマーケティング調査に役立つ統計や専門図書、オンラインデータベースが揃っています。 でも必要な情報が何に載っているのかわからない...という方には、資料調査のプロである司書が調べもののサポートもいたします。
ビジネスに役立つ無料相談窓口のひとつしてご活用ください。 起業に役立つ情報の調べ方 社会起業・コミュニティビジネス図書リスト
ひとりで行動し決断する起業家、経営者の毎日はある面とても孤独でハードだとか。 同志や先輩とつながり、サポート機関を上手に使って、元気に地域の課題解決に取り組んでいただきたいものです。
2012年12月4日
貸出文庫は文庫本と関係あるの?
「貸出文庫」と聞いて何を思い浮かべますか?
これは、本屋さんに装丁を同一にして一定の大きさ(高さ15cm前後)で並んでいる「**文庫」のようなものではなく、読書会などのグループを対象にして貸し出せるよう、同じ本を20冊にセットしたものの名称です。
このように複数の同一本をセットにした県立図書館の貸出文庫の歴史は、昭和38年頃にまで遡ることができます。当時は「婦人向同一図書30冊を1セットとした」=婦人文庫、「青年向同一図書30冊を1セットとした」=青年文庫と称していたそうです。貸出も教育委員会を通じて行われていました。(名称や貸出方法に時代を感じますね!)
戦後は読書会が全国の職場、学校、地域などで盛んに行われましたが、現在ではその勢いは止んでいるようです。中高年の世代では読書会を学生時代に経験された方も多いと思います。
県立図書館の「貸出文庫」を利用されている団体には、20年以上続いているところもあれば、学校のPTA会員を母体としたグループもあります。高齢化が進み後継者もいないため、休止となったグループもあります。
購入されている分野は、複数の人が読んで様々な観点から意見を出しやすいようにとの配慮から、評判になった小説類が多くなっています。また、精読される機会が多いことから、選定に当たっては造本にも注意するようにしています。
読書会(読書グループ)の構成人数は2人以上(貸出冊数は2冊から20冊まで。タイトルにより10冊しかないものもあります。)、貸出期間は2か月以内としていますので、興味がありましたらお問い合わせください。
これから貸し出される貸出文庫(バラバラにならないようにひもで縛ってあります。)