図書館ブログ
2026年7月25日
令和8年度16ミリ映写機技術講習会を開催しました!
こんにちは。
埼玉県立熊谷図書館 視聴覚資料・図書館振興担当です。
去る5月29日(金)と30日(土)の2日間、熊谷図書館では16ミリ映写機技術講習会が開催されました。
本講習会は、16ミリフィルムを上映するため、映写機に関する技術を習得するためのものです。
講習会を修了すると修了証が交付されますが、そのためには実技試験に合格しなければなりません。
今回は、講習会がどのように行われたのか、その様子を紹介します。
果たして、受講者の皆さんは無事に合格できたのでしょうか。
1 「16ミリフィルム」とは
講習会の様子を紹介する前に、簡単に16ミリフィルムについて説明します。
皆さんは、16ミリフィルムやその上映作品を見たことがあるでしょうか。恐らく、多くの人は最近全く見かけない、もしくは存在すら知らなかったのではないでしょうか。
正直なところ、私も図書館で16ミリフィルムを扱う前は「昔、金曜の21時にシルクハットのおじさんが回してたやつ」程度の認識しかありませんでした(若い方には伝わらない話ですみません)。
16ミリフィルムとはその名のとおり「16ミリメートル幅の映画・写真フィルム」のことで、このフィルムを映写する装置が「16ミリ映写機」と呼ばれます。これらは高価かつ繊細なもので、映写技師と呼ばれる職業もあるほど、操作には専門的な知識が要求されます。金曜のおじさん(2021年に宮崎駿監督によって「フライデーおじさん」と名付けられたようです)もこの映写技師で、昔は国家資格だったようです。
16ミリは誤った使い方をすると、上映中にフィルムが切れたり、映写機が壊れたりといったおそれがあります。だからこそ、講習で正しい使い方を身につける必要があるのです。


▲16ミリフィルム(左)と16ミリ映写機(右)
なぜ16ミリフィルムが必要なのか?
昨今、映画はDVDやブルーレイ、配信サービスでの視聴が主流となりましたが、なぜ映画会では16ミリフィルムを使うのでしょうか。
その理由は主に2つあります。
1つは、図書館が所蔵する映像資料の中には、16ミリフィルムでしか見ることができないものが多くあるからです。
昔の埼玉県に関する映像や過去のテレビ番組など、現在は入手困難な映像も、16ミリフィルムとして残されているものが数多くあります。
もう1つは、16ミリフィルムは上映を目的として制作され、権利者の許諾を得ている資料であるからです。
そのため、映画会でも問題なく上映することが可能です。
これらの理由から、16ミリフィルムは現在も需要があり、講習会も例年多くの方から申込みをいただいています。
2 講義
さて、16ミリの簡単な説明も済んだところで、早速講習会の様子を見てみましょう。
講習会ではまず、講師である北辰映像株式会社代表取締役 樋口一雄様より講義をいただきました。

▲まずは座学から。初めて聞く言葉も多いです。(5月29日)
講義の冒頭、講師から実技試験の説明がありました。
「皆さんには講座の最後に、実技試験を受けてもらいます。90点が合格ラインです」
試験がある。そう聞いて、受講者の皆さんの背筋が一斉に伸びた気がしました。
「採点基準は既に配ったとおりです。手順もテキストどおりに、フィルムの映写機にセットするところから映写、片付けまでを行います」
とはいえ、受講者には手順がしっかり書かれたテキストが配られていました。これならテキストに沿って操作すれば大丈夫そうだと、皆さんも少し安心したようです。
「試験はひとりひとり、何も見ずに行います」
ちょっと話が変わってきました。
先ほどの安心した様子から一転、何も見ずに試験に臨むと聞いて、皆さん戦々恐々としています。
その後の講義では、映写機の基本的な説明の後、実際の映写機を用いて映写機の構造や映写の原理について説明していただきました。
講義中は質問も飛び交い、皆さん気を引き締めて臨んでいたようでした。

▲映写機の説明の様子。皆さん席を立って真剣に聞いています。(5月30日)
3 実技練習
講義の後は、実際に映写機を動かす練習時間となります。
講師から助言をいただきながら、皆さん真剣に取り組んでいました。
講義を受けていても、やはり実物を触ると不安な気持ちがよぎります。それでも、回数を重ねていくと徐々に操作に慣れてきた様子でした。
しかし、実技試験では何も見ずに最初から最後まで操作を1人でやらなければなりません。練習時間はあっという間に過ぎていきました。

▲グループで教えあいながら猛練習! 全員合格を目指します。(5月29日)
4 実技試験
そして、いよいよ実技試験が始まります。
練習中は慣れていた人でも思わぬミスをしてしまうのが試験というもの。皆さん修了証を無事に持ち帰ることができるように、緊張感を持って取り組んでいました。
果たして、採点の結果は......?
ドキドキの結果発表の前に、映写機やフィルムの取り扱い方などを分かりやすく解説している16ミリフィルム作品を上映し、受講者全員で鑑賞しました。
5 閉会式
鑑賞が終われば、講習会の閉会式となります。
閉会式ではいよいよ修了証の交付があります。気になる実技試験の結果は......?
全員合格!
5月29日・30日共に、受講した全員が90点以上を獲得し合格となりました。
合格者には、修了証が渡されます。
これがなければ上映ができない、そのプレッシャーもあったことでしょう、受け取る人は皆心の底から安堵した様子でした。
こうして、今年も16ミリフィルムを映写できる人が増えました。

▲合格発表の後、埼玉県立図書館の16ミリフィルムの利用方法などを案内しました。
これから皆さんが素敵な映画会を開催してくれるのを楽しみにしています!(5月30日)
埼玉県立熊谷図書館では、県内の機関・団体を対象に16ミリフィルム・映写機等の貸出を行なっております。
今回、この講習会を終えた皆様の所属する団体は、当館のフィルム・映写機等を借りての上映会が可能となりました。
16ミリ映写技術講習会は来年度も開催予定ですので、16ミリフィルムの上映会を行ってみたいという団体の皆様がいらっしゃいましたら、ぜひ御応募ください。
2026年7月10日
「リンク集」のご紹介
こんにちは。久喜図書館の情報・地域協力担当です。
生成AIの進化が著しい昨今、検索エンジンの検索結果の一番上に出てくるのは生成AIの要約記事になってきました。
もちろん、複数のウェブサイトの情報をまとめて要約してくれる生成AIは便利です。
一方、質問の仕方によって同じ質問に対する回答が違ったり、情報の信憑性に不安がある場合もあります。
皆さんも、「AIが引用したウェブサイトだけで十分かな?」「より多様な情報源を見たい......」と思うことはありませんか?
今回はそんなときに役立つ「リンク集」をご紹介します。
リンク集とは、専門機関のウェブサイトや、役立つ情報のウェブページへのリンクをまとめたものです。
県立図書館ウェブサイトには、私たち情報・地域協力担当や各担当が作成・管理するリンク集を掲載しています。
「埼玉県の専門機関のウェブサイトを一覧したい」「〇〇の分野を調べるときに使えるウェブサイトって何だろう?」といった、皆様の調べものに役立つ情報がまとまっています。
では、各リンク集を詳しく見ていきましょう!
埼玉の図書館類縁機関案内
埼玉県内の大学や博物館・資料館など、図書資料を閲覧できる場所を紹介しています。
扱う分野別に類縁機関が並んでいて、各機関名のリンク先では開館時間や資料の公開状況など、より詳しい情報を見ることができます。
図書館以外で図書資料を閲覧できる場所、と言われてすぐに思いつく方は少ないのではないでしょうか? 実は様々な機関に図書室や資料室があり、一般の方が閲覧できる場所も多いです。専門分野の調べ物をするときには、一度見てみてはいかがでしょうか。
調査・研究に役立つリンク集
調べものや情報収集に利用できるウェブサイトを紹介しています。
こちらも分野別にウェブサイトが並んでいて、サイトへのリンクと運営者、そのサイトについての簡単な説明が掲載されています。
公的機関や専門機関のウェブサイト・データベースだけでなく、個人が運営するマニアックなウェブサイトまで、様々なものがあります。司書のレファレンスに役立ったウェブサイトなどを毎年追加していますので、更新情報も要チェックです。
埼玉県暮らしに役立つリンク集
様々な分野について、埼玉に特化して調べたいときに役立つウェブサイトを紹介しています。分野別にサイトへのリンクと運営者が一覧になっています。
また、「埼玉県で暮らすための情報リンク集」(多文化サービス担当)もあります。
多言語またはやさしい日本語で書かれた、埼玉県での暮らしに必要な情報のリンク集です。暮らしのルール、困ったときの相談先、日本語学習などの幅広い情報が得られます。
さらに、「分野別ガイド - 埼玉県立図書館」から各分野のページを見ると、「子ども読書関係リンク集(イベント情報)」 | 「起業・就職に役立つリンク集」 | 「埼玉県内自治体例規集(リンク集)」 など、それぞれの担当が作成したリンク集を掲載しています。各分野ならではの詳しい情報がまとまっていますので、こちらもあわせてご覧ください。
以上、埼玉県立図書館ウェブサイトのリンク集のご紹介でした。
ウェブを使った調べ物の際は、ぜひ埼玉県立図書館をご活用ください!
2026年6月28日
こんな本あります!ー久喜図書館の書棚からー
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『恐竜の教科書』(ダレン・ナイシュ/著 ポール・バレット/著 小林快次/監訳 久保田克博/監訳 千葉謙太郎/監訳 田中康平/監訳 吉田三知世/訳 創元社 2019)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:457.87/キヨ>

「恐竜」と聞いて、みなさんが最初に思い浮かべる名前は何だろうか。 ティラノサウルス、ステゴサウルス、ブラキオサウルスなど挙げればキリがないはずだ。
本書は全6章で構成されており、恐竜の歴史や解剖学、生態と行動などを豊富な写真やイラストを交えて解説している。中でも興味深いのは、「鳥は恐竜そのものだということは、研究上重要な知見である」という記述である。鳥類に近縁な主竜類の化石が多数発見され、それらの化石には鳥類の祖先が持つと考えられていたあらゆる特徴がみられたという。このような鳥と恐竜の関わりについては、「第5章 鳥類の起源」で詳しく述べられている。
恐竜研究は日々進歩し、新たな発見が続いている。私たち人類が存在しなかった時代のことが、残された化石を研究することで明らかになってきている。本書を読んでこれまでの恐竜研究の歴史をたどり、恐竜たちの時代に思いを馳せてほしい。
(小柳 直士)
■No.2■
『最新の国際基準で見わける雲の図鑑』(岩槻秀明/著 日本文芸社 2021)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:451.61/サイ>

毎日、天気は刻々と変わり、時にはゲリラ豪雨や雷雨等、天気予報をチェックしていても急な悪天候に見舞われることがある。そこで、さまざまな雲を見て、天気を予測できたらどうだろうか。著者は「屋外活動をしていてすぐに気象情報をチェックできないようなときは、雲の表情の変化から危険をいち早く察知でき、身を守ることにつなげられる。」と述べている。
本書は様々な種類の雲の名前や写真をはじめ、解説から発生メカニズムについても知ることができる。 また、天気を予測する情報も掲載されている。空を見たときに、ぜひ手にしてほしい1冊。
(T.T)
■No.3■
『明治の地方ビール』(牛米努/著 吉川弘文館 2023)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:588.54/メイ>

今でこそ地域の特産を活かした小さな醸造所が作るクラフトビールがブームであるが、明治時代にも各地で小規模な醸造所でビールが作られていた。それは勧業政策と税制優遇措置に理由がある。全国府県の勧業課により、製造方法が全国各地に広まって、「地方のビール」として発展していった。後の税制改革により、地方の小規模醸造所は廃業を余儀なくされ、結局大手会社に集約されていったのであるが、本書ではその原因を増税だけではなく、輸出奨励のための原材料の変更にも見出している。
また、全国の地方ビールが都道府県ごとに紹介されていて、膨大な一次資料(歴史的な史料)から情報が丁寧に拾い集められている。埼玉県では、赤沼村(春日部市)の「マルコビール」と八子新田(吉川市)の「中村ビール」が紹介されているが、これ以外にも売り出しが報じられているだけのビールもあるようだ。史料がなく詳細はわからないが、まだまだ何か新しい史料がないか、図書館員として探してみたくなる。
(Y)
それでは、次回もお楽しみに。
2026年6月10日
こんな本あります!ー久喜図書館の書棚からー
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『少年時代』(ラビンドラナート・タゴール/著 めこん 2022)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:929.851/タコ501>

タゴールはアジア人で初めてノーベル文学賞を受賞した、インドとバングラデシュを代表する詩人である。この本は、彼が子供時代を振り返った追想記となっている。
約百年以上前のインド、その暮らしは何もかもが遠くに感じられるが、丁寧な注釈が頼りになる。特に料理名などの固有名詞の訳註から想像する味は、80歳になってから思い出す子供時代ということを差し引いても美味しそうに綴られている。ベンガル語からの完訳をしてもなお詩的な文章や、序文の後に掲げられている「序詩:少年」からタゴール作品の雰囲気もつかみ取れるだろう。
後半に付されている解説は、主にタゴール家の歴史についてまとめられており、先にこちらを読んでタゴールが育った環境を念頭に置いておくのもいいだろう。というのも、私が最初から読んでみたところカタカナばかりの慣れない人名に首を傾げ、早々に解説を読み出したからだ。特に、兄弟がたくさんいるタゴールは、この追想記も家族の話が大半を占めているので予習にもなる。読書は何も一ページ目から一文字一文字丁寧に読むばかりではない、ということを思い出させてくれる一冊でもある。
(M.O)
■No.2■
『虫と日本人 幕末~昭和戦前期の昆虫文化史』(保科英人/著 三弥井書店 2025)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:486.04/ムシ>

昔の日本人が虫とどのように付き合っていたかを解き明かす一冊である。町で売られる虫の価格は地方によってどうだったのか、戦前の蛍狩りはどのような様子であったのかなどを数多くの資料、特に地方新聞の記事から記述している。
戦前までの蛍狩りは蛍を捕まえて持って帰る文字通りの「蛍狩り」であったという。大衆にとっての一大娯楽でもあったため、蛍狩りがイベントとして実施された。事前に集められた何千何万もの蛍が会場に放たれ、それを捕えようと駆け回る参加者。あまりの熱狂ぶりに怪我人が出る、施設が破壊される、早々に蛍が捕り尽くされてしまい、後から来た客から蛍がいないとクレームが入るなど、現代における蛍狩りの優美なイメージとはかけ離れた騒動の数々が記されている。
このような昔の日本人と虫とのエピソードについては、筆者が戦前の地方新聞から見つけているのだが、このために全国の図書館や研究機関を訪問して、地方新聞を読み続けたそうだ。
ほかにも、いにしえのやんごとなき方々は、虫とどのように触れ合ったのか、戦前の満州や朝鮮に住む日本人に海を越えて届けられた虫たち、カブトムシとクワガタムシはいつから子供たちの憧れだったのか、など昔の日本人の虫に対する思いが伝わるエピソードが満載である。
(K.M)
■No.3■
『ハンチバック』(市川沙央/著 文芸春秋 2023)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:913.6/イチ038>

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
読書は何時でも我々の障壁となり、その自由を、生命を破壊する。健常性を有している者たちはその特権に気が付かず、バリアを大量に生産し続ける。特権に気が付いた誰かが配慮とか多様性などと言い、私たちを自分たちとは違う特別な人にする。
読書を愛しているからこそ、その媒体を憎む主人公、釈華の声から、どうか目を逸さず読了いただきたい。
(S.O)
それでは、次回もお楽しみに。
2026年6月4日
資料展「給食ヒストリー 献立レプリカとふりかえる、いま・むかし」開催中です!(県立熊谷図書館)
みなさん、こんにちは。熊谷図書館 地域・行政資料担当です。
現在、熊谷図書館2階ロビーでは、資料展「給食ヒストリー 献立レプリカとふりかえる、いま・むかし」を8月9日まで開催中です。

みなさんは「学校給食」というとどんな思い出がありますか。
年代によってさまざまな給食の思い出があるかと思います。
この展示を準備している間、館内の職員が様子を見に来ては、「懐かしい!」「この給食はしらない!」など、給食談議に花を咲かせていました。
この資料展は、タイトルにもあるとおり、学校給食のはじまりから現代に至るまで、図書館資料や献立レプリカで紹介しています。
今回は、この資料展で展示されている「献立レプリカ」をいくつかピックアップして紹介していきます。
【献立レプリカ : 明治22年 おにぎり、塩鮭、菜の漬物】

日本の学校給食は、明治22年(1889)山形県内の私立忠愛小学校が、貧困児童に対し、無償で昼食を提供したことが始まりとされています。
【献立レプリカ : 昭和40年 ソフト麺のカレーあんかけなど】

昭和40年頃には学校給食用の牛乳が普及。パン中心だったメニューにソフトめんが登場します。
【献立レプリカ : 平成元年 バイキング】

この頃から自分で栄養価のバランスと適量を選ぶバイキング方式をイベントとして行う学校が出てきました。
このほかにも各年代の「献立レプリカ」を展示しています。
また、各時代の様子が垣間見える図書館資料も展示しています(展示資料リスト)。
この資料展は(公財)埼玉県学校給食会との連携展示です。
展示している「献立レプリカ」は埼玉県学校給食会からお借りしているもので、埼玉県学校給食会の敷地内にある学校給食歴史館では、学校給食調理コンクールで入賞した献立のレプリカや歴代の食器等、多数展示されています。
この資料展をご覧いただきましたら、学校給食歴史館にも足を運んでみてはいかがでしょうか。

------------------------------
【熊谷】資料展「給食ヒストリー 献立レプリカとふりかえる、いま・むかし」
(公益財団法人埼玉県学校給食会連携展示)
開催期間:令和8年5月23日(土曜日)~令和8年8月9日(日曜日)
※図書館休館日を除く
場所:埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー
------------------------------



