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2023年12月26日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。

展示風景.jpg

さて、今月は...

■No.1■

『ムシの考古学

(森 勇一/著 雄山閣 2007)

<所蔵館:久喜図書館 457.8/ムシ >

ムシの考古学.jpg

遺跡から出土するのは石器や土器ばかりでない。本著では、日本各地の遺跡で発見された昆虫化石の種を特定し、その昆虫の生態から、当時の社会や生活環境を復元する。

例えば、鎌倉時代の遺跡からいくつも発見された謎のかたまり。これは土と大量の畑作害虫で構成されており、当時の人々が畑に大発生した虫を採って集めて穴に埋めて処分したのである。

昆虫化石からは、文献史料などでは分からない、当時の人々のリアルな暮らしを窺い知ることができる。

(紹介者:C・K)

■No.2■

『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語

(スティーブン・ジョンソン/著 朝日新聞出版 2017)

<所蔵館:久喜図書館 502/セカ>

世界を変えた6つの「気晴らし」の物語.jpg

動物は生存のための技術向上に力を入れるが、人間はなぜかそれ以外の技術や事柄に力を入れることがある。

この本では生存には必要のないはずの人間の気晴らしが技術や産業へ与えた影響を紹介する。

例えば人間は古代より音楽を楽しむための技術を熱心に磨いた。この熱意は最初のコンピュータが作成される千年も前にはプログラミング可能な水力オルガンを作成する。また中世の女性達の服のへの気持ちが百貨店という新しい買い物スタイルを生み出していく様子を紹介する。

(紹介者: T・O)

■No.3■

『食べる西洋美術史「最後の晩餐」から読む』

(宮下規久朗/著光文社 2007)

<所蔵館:久喜図書館 702.3/タヘ>

食べる西洋美術史.jpg

宗教画というと近寄り難さを感じるかもしれないが、食事風景といえば印象はがらりと変わる。

著者は、ルネサンス期から近代までの西洋美術を「食」という視点から見つめ直していく。食に傾ける情熱では引けを取らないはずの日本や中国では、なぜ近代になるまで食事風景が描かれなかったのか。粗食を善としながら晩餐の光景を繰り返し描くのはなぜなのか。

西洋美術史のみならず、キリスト教文化の入門にもおすすめしたい一冊である。

(紹介者:R・M)


それでは、次回もお楽しみに。