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2014年11月11日
県立熊谷図書館の「楷の木」について

こんにちは、県立熊谷図書館総務担当です。

楷の木.jpg

今日は熊谷図書館の正面入り口脇に植えてある木、「楷の木」の紹介です。
この「楷の木」、中国原産のウルシ科の木で、日本には自生しない大変貴重な樹木というのはご存知でしょうか。



かの孔子の墓にも植えられていたことから、」「孔木」ともいい、科挙の進士に合格した者に楷の笏を送ったことから、学問の聖木と呼ばれています。

ちなみに、直角に枝分かれすることや、小葉がきれいに揃っていりことから「楷書」にちなんで「楷」の木と名付けたとか・・・

日本でも、湯島の昌平坂学問所、神奈川の金沢文庫など学問のゆかりの深い地に植えられています。また、埼玉県内でも旧制浦和高校(現在は北浦和公園となっています)や熊谷農業高校などに植えられており、県立久喜図書館にもございます。

また、この熊谷図書館に植えられている「楷の木」はさらに貴重な木でもあるのです。

今でこそ科学の発達により人工交配で栽培できるようになりましたが、もともと「楷の木」は雌雄異株の木で種子により繁殖します。挿し木、とり木などが非常に困難でしかも開花まで数十年かかるとされ、さらに雌の木の開花もまれであるため、種子を得ることも非常に困難な樹木でした。

しかし、熊谷図書館にある、この「楷の木」は当時では難しい、ある種奇跡に近い、とり木から育ったものです。昭和53年に植樹されてから36年たった今でも春には花を付け、これからの季節はもう少しすると紅葉も楽しめます。

そんな貴重な当館の「楷の木」、大きく育ったのは喜ばしいことですが、少し問題点が。

立派に育った根が地表から顔を出してしまっています。

楷の木の根.JPG

このままでは利用者の方にもご迷惑がかかってしましますし、木自体にも悪影響を及ぼしてしまいますので、施設管理担当としては対策を講じたいと思います。