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2021年7月9日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、図書館職員が所蔵する図書をご紹介します。

さて、今月は...

■No.1■
『孤独なバッタが群れるとき』(前野ウルド浩太郎/著 東海大学出版会 2012)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:486.45/コト>
「孤独なバッタが群れるとき」表紙画像

「自分もバッタに食べられたい」から始まるこの本は、研究書である。副題に「サバクトビバッタの相変異と大発生」とあるように、サバクトビバッタについて書かれている。だが、ただの研究書ではない。独特なセンスが光る文章で、彼の研究人生も書かれている。これが実に面白い。彼は幼いころから虫を愛し、図書館で『ファーブル昆虫記』に出会い、昆虫学者を目指すが、現代ではとても厳しい道のりだ。しかし、彼は突き進む。いつかバッタに食べられる夢を見て。

(紹介者:芸術・文学資料担当 小林)

■No.2■
『名画を見る眼』(高階秀爾/著 岩波書店 1986)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:723/タ>

「名画を見る眼」表紙画像

西洋美術研究の大家が読み解く、15人の画家と15点の絵画。西洋美術理解のために避けては通れない、それぞれの絵画の裏にある歴史的背景や約束事の数々を、著者は鮮やかな語り口で解き明かしていく。1枚の絵画にこめられた意味、西欧の精神とは― 。 西洋美術に興味がある人、ただ絵をみるだけでなく少し学術的に「入門」したい人に最適な、「西洋美術の教科書」。この本を読まずして、美術好きを語るなかれ。

(紹介者 吉田 奈緒子)

■No.3■
『狐のだんぶくろ わたしの少年時代』(澁澤龍彦/著 潮出版社 1983)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:914.6/シ>
「狐のだんぶくろ」表紙画像

澁澤龍彦は、大河ドラマで話題の渋沢栄一の縁戚にあたり、翻訳家、博覧強記の評論家、小説家として活躍した。本書は主に昭和初期、著者少年時代の回想録である。当時の都内滝野川周辺の風景や生活の様子が淡々と描かれ、肩肘張らずに読み通すことができる。また、「最初の記憶」には、4歳まで過ごした川越の様子も記されている。さて、タイトルの「狐のだんぶくろ」とは何か。興味のある方は一読をお勧めする。

(紹介者 蓮見 博)

それでは、次回もお楽しみに。