2025年3月27日
健康・医療情報講演会「避難生活であなたと家族の健康を守るために ~災害サイクルとタイムライン~」を開催しました!
こんにちは。自然科学・技術資料担当です。
2月15日土曜日、石巻赤十字病院副院長の植田信策さんをお招きし、講演会「避難生活であなたと家族の健康を守るために ~災害サイクルとタイムライン~」を開催しました。
今回は来場型とオンライン配信型を併用したハイブリッド形式の講演会を実施しました。ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。
講演会は令和6年に発生した石川県能登半島地震の被災状況のお話から始まりました。
避難所で雑魚寝する被災者、小学校の校庭に作られた素掘りのトイレ、避難所に届いた菓子ぱんの山など、目を背けたくなるような写真とともに避難所生活の実情をご説明いただきました。東日本大震災や熊本地震にも共通することとして、避難所生活が健康被害をもたらしていることが明らかになっているそうです。
健康被害による災害関連死を防ぐため、植田先生が理事長を務められている避難所・避難生活学会では「TKB48」という標語を提唱されています。これはトイレ(T)、キッチン(K)、ベッド(B)を48時間以内に設置するという意味です。「TKB48」が実践された好事例の紹介に話が移ると、会場の雰囲気が少し明るくなり、好事例に学ぼうと皆さん熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
避難所の環境改善に尽力されてきた植田先生ならではのノウハウが詰まった講演で、質疑応答では沢山の手があがりました。
講演の後は、埼玉県の危機管理課職員による発表「あなたのイツモがモシモを変える ~災害に備えるための自助等について~」を行いました。
埼玉県では普段の生活の中で災害への備えに取り組む「イツモ防災」を推進しています。発表では特に重要なイツモ防災(自助)として、1.家具の固定、2.災害用伝言サービス、3.3日分以上の水・食料の備蓄 の3つが紹介されました。
最後に、当館の司書から「調べ方ガイダンス「いざというときを生き抜く情報」を行いました。
講演会とあわせて開催していた資料展「いざというときのヘルスケア ~事故や災害を生き抜くために~」の展示資料解説や、情報探しのポイント、関連ウェブサイト、当館の健康・医療情報サービスなどをご案内させていただきました。
資料展では、危機管理課や防災科学研究所提供のパネルや携帯トイレ、県内企業からお借りした簡易段ボールベッドなど、様々な防災グッズを展示しています。講演会後に一部撤収したグッズもありますが、資料展は4月24日木曜日まで開催しています。ぜひお越しください!