2019年3月29日
資料展「図書館資料と写真で巡る熊谷宿」について
熊谷図書館 地域・行政資料担当です。
現在、熊谷図書館では、資料展「図書館資料と写真で巡る熊谷宿」を5月12日(日)開催中です。
この展示は昨年11月25日(日)に開催された「ウィキペディアタウンin熊谷」の関連展示です。
ウィキペディアタウンとは、街の名所や旧跡などを歩き、見聞きしたことをインターネット上の百科事典「ウィキペディア」に投稿し、世界中に街の魅力を発信するワークショップ形式のイベントです。
展示では、イベントで散策した熊谷宿周辺の名所・旧跡等を紹介。
実際に歩いた2時間のコースを順番にたどる構成となっています。
◆箱田用水沿い~裁判所方向へ歩く
用水沿いの民家の間に位置する「熊野堂 くまんどう」。『新編武蔵風土記稿』によると熊谷という地名にゆかりのある場所と言われています。
裁判所付近には「坊ちゃん」のモデルと言われている弘中又市の旧居趾。漱石の子 夏目伸六が著書『父の法要』の中で語る弘中のエピソードはとても興味深いです。
そして「千形神社」。今はなき土俵・奉納相撲の写真が『熊谷の姿』に掲載されています。
◆八木橋付近を歩く
大正期の貴重な姿を残し、国の登録有形文化財となった「聖パウロ教会」は『近代埼玉の建築探訪』などの資料で紹介されています。
八木橋デパート入口には「宮沢賢治の歌碑」が。『宮沢賢治「修羅」への道』に熊谷を訪れた足跡がまとめられています。
この他、「熊谷寺」「奴稲荷」「竹井本陣趾」関係の資料を展示しています。
◆星川上流~県立図書館方向へ歩く
熊谷随一の景勝地「星溪園」はもともと「石上寺」の庭園でした。『埼玉県地誌略』には狩野派の絵師による「石上寺庭池図」が。美麗です!
「高城神社」の宝物で、宝暦2年(1752)に描かれた「熊谷町古絵図」は『熊谷の文化財』に複製が収録されています。
この他、このエリアには星川の「戦災者慰霊之女神像」、国道17号沿いの「札ノ辻趾」があります。
街歩きの終点は、熊谷直実にちなんだ桜の木が植えられている「中央公園」。これからの季節、花見に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(資料の書誌情報は省略させていただきました。)
◆地域の魅力を発見するイベント「ウィキペディアタウン」
街を歩いて終わりではなく、図書館資料で調べて理解を深め、記事を発信するのが「ウィキペディアタウン」の醍醐味。最後に、イベント参加者の皆さんがウィキペディアに投稿した記事を展示しています。
編集したウィキペディアの記事一覧
(地名をクリックすると記事のページに移動します)
ウィキペディアタウンを実施するにあたってご協力をいただいた熊谷市観光ボランティアガイドの会「くまがい探偵団」、ITで街を盛り上げる取組をしている「Code for kumagaya」の皆さんをご紹介するコーナーもあります。地元愛に溢れた各団体の今後の活動が楽しみです。
以上、展示の概要をレポートしました。ぜひ、ご来館の上、資料現物をご覧ください。お待ちしています。
資料展 「図書館資料と写真で巡る熊谷宿」
期間 平成31年2月23日(土)~平成31年5月12日(日)(※休館日を除く)
場所 埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー