資料紹介
2019年9月25日
「貸出文庫」のご紹介
こんにちは。
県立熊谷図書館の図書館協力担当です。
皆さんは、「貸出文庫」という言葉をお聞きになったことがありますか?
ほとんどの方は耳なじみがないかもしれません。
「貸出文庫」とは同じ本(ほとんどが小説)を20冊セットで購入し、読書会等の集団読書用として、市町村立図書館を通じ県内の読書グループや学校に提供しているものです。
*"読書会" とは本来、個人個人が行っている読書を同じ本を使い集まって読書をする会のことです。
現在、「貸出文庫」を利用していただいている読書グループの使い方は、メンバーが10名のグループであれば一つの「貸出文庫」を10冊(例えば「愛なき世界」三浦しをん著を10冊)借り受け、定例日に市町村立図書館の集会室等に集まり本を配ります。但し、その場ですべて読み終えることはできませんので、各自がその本を家に持ち帰り、次に集まる日までに読んで感想など述べあいます。(その他、独自に講演会や文学散歩を開催している読書グループもあります。)
県立熊谷図書館・図書館協力担当では毎年2回、7タイトルずつ計14タイトルを選定し、年間280冊(14タイトル×20冊)を新しく購入しています。
購入するのは、直木賞、芥川賞、本屋大賞他、主要な文学賞を受賞したり、その候補作となった作品など、読書グループ皆さんに喜んでいただけるような作品を選定するよう心掛けています。
本来であれば、読書グループの皆さんからリクエストを受けられれば良いのですが、年間に購入できるタイトル数が限られるので難しいところです。
但し、読書グループの皆さんから予約の電話をいただいた時、
「あまり長編の作品(頁数が多いもの)は使いにくい。」
『本屋大賞を受賞した「○○○○○」は買っていないの?』
などのご意見・ご質問をいただくことがあり、できるだけ選定に反映させるよう心掛けています。
ちなみに平成30年度第2回の貸出文庫選定購入作品は、
1.「ファーストラヴ」 島本理生著 文藝春秋 2018.5
2.「赤い風」 梶よう子著 文藝春秋 2018.7
3.「愛なき世界」 三浦しをん著 中央公論新社 2018.9
4.「悪玉伝」 朝井まかて著 KADOKAWA 2018.7
5.「極夜行」 角幡唯介著 文藝春秋 2018.2
6.「送り火」 高橋弘希著 文藝春秋 2018.7
7.「地球にちりばめられて」 多和田葉子 講談社 2018.4
の7作品です。
最後に「貸出文庫」の利用方法についてご説明します。
◆ 予約受付について
<受付開始日>
当該月を含まない6ヶ月前から
例:2019年9月の場合は、2020年3月貸出分まで受け付けます。
<受付方法>
電話、FAX、来館
<受付タイトル数>
6タイトルまで予約受付可能です。(上下本は、2タイトルに数えます)
<貸出冊数>
1タイトルにつき20冊までです。
*古い「貸出文庫」では、所蔵冊数が10冊のことがあります。
<貸出期間>
2ヶ月間以内です。
ここまでの話で「貸出文庫」について興味を持っていただけた方は、お近くの市町村立図書館に活動中の読書グループがないかお尋ねになってみてはいかがでしょうか。
2018年12月26日
障害者サービス用資料の見つけ方 誰でも専用サイトで探せます
みなさんこんにちは。障害者サービス担当です。
今日は障害者サービス用資料の探し方についてご説明いたします。少し難しいところもあるかもしれませんが、お読みいただき、実際に探していただけるとうれしいです。
点字・録音などの障害者サービス用資料で市販されているものはとても少なく、図書館で製作するには時間と手間がたくさんかかります。そのため、活字の図書のように1つの図書館で多くの資料を収集することはできません。そこで、全国の公共図書館や点字図書館等で所蔵する資料を相互に提供し、利用者が希望する資料をお届けしています。
私たちが実際に資料を探すときは、下記の2種類の総合目録サイトで検索をしています。
1 サピエ (https://www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW)
サピエは、日本点字図書館がシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営を行う電子図書館サイトです。全国の点字図書館等が会員となっていて、そこで製作または所蔵された障害者サービス用資料を誰でも検索することができます。
さらに、会員になると検索結果からデータそのものをダウンロードできるようになります。視覚障害者等は無料で個人会員になれます。
個人会員になるには連絡用のメールアドレスと、図書館などの施設会員への利用登録が必要です。埼玉県立久喜図書館は施設会員ですので、サピエの会員登録を希望される方で、埼玉県内に在住・在勤・在学の方は当館へご相談ください。
2 国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
国立国会図書館が取りまとめる各種資料の総合目録です。「障害者向け資料検索」にタブを切り替えると、「点字図書・録音図書全国総合目録」の書誌情報や、「視覚障害者等用データ送信サービス」のデータを検索することができます。埼玉県立図書館で製作した資料の書誌情報やデータも、ここで探すことができます。
上記の1と2は相互に連携し、もう一方も合わせて検索するようになっていますが、どちらかだけですべての資料を検索することは残念ながらできません。希望する資料が見つからない場合は、両方を検索します。お探しの資料を希望する形(録音、点字など)でお届けできるよう、担当として努力してまいります。また両方を検索しても見つからない資料については製作も検討します。必要な資料がありましたら図書館までご相談ください。
2017年6月27日
マイクロフィルムの使い方
こんにちは。
熊谷図書館の海外資料担当です。
みなさんは熊谷図書館の3階にあるこの機械を使ったことがありますか?
置いてあるのは知っているけれど使ったことがないという方もいらっしゃると思います。
これは"マイクロフィルム"という資料を見るための機械です。
しかし、いきなりマイクロフィルムといわれても、想像しにくいかもしれません。
マイクロフィルムというのは下の写真のような資料です。
このマイクロフィルムの中には、紙では所蔵していない昔の新聞が写されています。
どのような資料がマイクロフィルムになっているかは、埼玉県立図書館所蔵購入新聞一覧【日本語新聞】をご覧ください。
今回はこのマイクロフィルムの使い方を紹介します。
使い方
1まず、カウンターに利用したい新聞の誌名・日にちをお伝えください。資料を職員が持ってきます。
2フィルムをセットします。
3このつまみを右に回すとフィルムが進んで、左に回すとフィルムが戻ります。
4このつまみを動かすことで、資料を写す位置を動かすことができます。
どうですか?
この機械を使えば、新聞の古い記事を見ることができます。
また、記事を印刷することもできます。(印刷方法は職員にお尋ねください。)
ぜひ、古い新聞記事を探したいというときは使ってみてください。
2015年3月24日
新聞マイクロフィルム


2014年9月10日
書物の海で遊びませんか ~国会図書館デジタル化資料提供サービスのおすすめ~
この夏から、国立国会図書館で所蔵する図書のうち 131万冊以上のデジタル化資料を、埼玉県立図書館3館内のパソコンでご利用いただけるようになりました。
国立国会図書館では、蔵書をデジタル化して公開する大型事業が進んでいます。
現在約246万点もの資料がデジタル化されています。
実はすでに、みなさまのお家のインターネット端末からも、このうち48万点の資料(=インターネット公開資料)をご覧になることができます。
国立国会図書館ウェブサイト デジタル化コレクション トップ画面
こちらのサイトで検索をして、読みたい資料が「インターネット公開資料」に該当すれば、ご自宅などインターネットにつながる端末で図書や雑誌の本文の画像を見ることができます。
また、検索結果一覧には「インターネット公開資料」だけでなく、国会図書館のデジタル化資料すべてが表示されます(書名、著者など出版事項や目次など)。
そのうち、 国立国会図書館/図書館送信限定
の表示のある資料は、埼玉県立図書館(など図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館)の館内端末で閲覧ができるもの。
つまり、あらかじめご自宅などで、どんな資料を埼玉県立図書館内で読むことができるのか、ご確認いただけるというわけです。
さて、このサービスの対象資料131万点ですが、一言でいうとこんな資料群です。
「国立国会図書館が 1968年までに 受け入れた図書・雑誌のうち、絶版 などで 現在手に入らないもの」
例えばこんな話題の本も
「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子をモデルとした、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」 が人気を呼んでいます。
ドラマの中では主人公や周囲の人物の著作が次々と登場。その関連本は図書館でも予約が続くなど、多くの方にご利用いただいています。
さて、村岡花子が翻訳し、昭和2年に出版された、
マーク・トウェーン「王子と乞食」(「世界家庭文学大系 第2巻」 平凡社刊)
この本を「国立国会図書館デジタル化資料提供サービス」で読むことができます。
(残念ながら、著作権法の制限により図書の画像はご覧いただけません)
ドラマでは「王子と乞食」は亡き義理の弟へ捧げられていましたが、こちらの本の扉には、
「我が 「まぼろしの少年」 道雄の霊に捧ぐ」 とあります。
「序」にも、前年の夏に満六歳の誕生日を控えて逝ってしまった息子への切々とした思いや、涙をぬぐって翻訳に取り掛かり、日本の少年少女への溢れる愛を感じながら訳了したことなどが綴られています。
さらに、花子の親友 柳原白蓮 が、後の夫 宮崎龍介と出会うきっかけとなった、
戯曲「指鬘外道 しまんげどう」(白蓮著 大鐙閣 大正9年刊) も。
本の口絵には竹久夢二の絵「幻の地獄」が添えられています。
... 以上ご紹介したデジタル化資料は、すべて県立図書館内でご覧いただけます。
今まで、国会図書館へ足を運ばなければ読むことのできなかった、膨大な書物の海 を、パソコンを使って散策してみませんか。
きっと、あなただけの宝物の一冊 が見つかることでしょう。
館内では閲覧だけでなく、著作権法の範囲内で複写サービスも御利用いただけます。
*御利用には、埼玉県立図書館の図書館カードが必要です。