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2014年3月25日
埼玉県立図書館の図書館協力者(朗読者・DAISY編集者)について

こんにちは。障害者サービス担当です。

今回は、障害者用の録音図書や雑誌を製作していただいている埼玉県立図書館の図書館協力者(朗読者・DAISY編集者)についてご紹介します。


ここで紹介する図書館協力者は、一言でいうと、視覚に障害のある方や、活字による読書に障害のある方のために、その方の目の代わりとなって求めている情報をお伝えする方のことです。県立図書館では、対面朗読や録音資料の製作をしていただいています。
県立図書館の図書館協力者として活動するには、新規養成講座で朗読(音訳)やDAISY編集技術を学び、専門技術を身に付けなくてはなりません。


例えば、朗読(音訳)の技術は、本の内容をできるだけ忠実に読むことが原則となります。書かれている文字だけではなく、表紙・図表・写真なども原稿を作成した上で読み込みます。聞き手に正しく内容が伝わるように読むことは、大変難しい技術です。

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県立図書館では質の高い録音資料製作を目指して、朗読者・DAISY編集者のための「録音資料製作マニュアル」を作成し、技術の進展に合わせて何度も改訂を続けています。

県立図書館では、図書館協力者のための朗読(音訳)や編集技術の研修会を毎年行っています。

去る、3月6日には、 日本で初めてDAISY(デイジー)を製作したNPO法人DAISY TOKYO 代表の森田聰子氏をお招きし、 DAISY製作の教本である 「『はじめての DAISY』改訂内容と編集者に役立つツール」と題して講義を行いました。

DAISY とは、障害者用に開発された便利なデジタル録音図書です。DAISY図書は、読みたい箇所への頭飛ばしやスキップ、読み上げる速度を遅くしたり、早くしたり、自由に操作できます。

そのDAISY図書を製作するためには、音源をパソコンに取り込み、原本にそって利用者の使いやすいように編集する作業が必要となります。その難しさや課題、注意点を熱心に伝えていただきました。

また、3月14日には、「よい音訳・悪い音訳 聞く耳を育てる」と「音訳の基本 意味のまとまりと日本語のイントネーション」と題して、研修を行いました。

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朗読者、DAISY編集者の方たちの研修での様子。

研修では、意味のまとまりの文例として、

「7と3の2倍はいくつですか」

という簡単な文章を読んでいただきました。実は、短い文章ですが、意味によって読み方の違いがあります。それは、

「7と3」の「2倍」はいくつですか という意味。

「7」と「3」の「2倍」はいくつですか という意味。

「7」と「3の2倍」はいくつですか という意味。

原本があれば、そのいずれかの意味であるかがわかるはずですが、文脈に合わせた読み方が必要となります。例えば、語と語の間にちょっとした間を入れたり、音をたてたりします。「音をたてる」とは、その語を少し強く読むことです。

朗読(音訳)の世界は、知れば知るほど奥が深く、面白い世界です。

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同じ3月6日、7名の方が朗読者としての活動を終了されることになり、感謝状をお渡ししました。

7名の中には、久喜図書館開館時から30年以上、朗読者として活動して来られた方も。

皆さん、長い間本当にありがとうございました。

埼玉県立図書館には、すばらしい技術を持った図書館協力者(朗読者・DAISY編集者)がたくさん活躍されています。