図書館の仕事
2015年12月28日
図書館お引っ越し日記3
「図書館お引っ越し日記」第3回は、
外部書庫の様子をお知らせします。
9月18日のブログで一部の棚を設置したときの様子を
取り上げました。
それから約3か月、今の外部書庫はどうなっているかというと...
このように、棚に着々と図書が並び始めています
箱詰めした資料を業者の方が運び込み、所定の棚へ並べています。
現在は、図書館が未設置の町村へ貸し出すための資料や、
熊谷図書館で所蔵していた利用の少ない旧版の資料などの
収容を行っています。
この外部書庫はかつて高校だった建物を利用しているため、
図書の移動用のエレベータなどはありません。
では、業者の方はどうやって上の階に資料を運んでいるのでしょうか
それは・・・
こちらのリフトを使います
いすのような形の台に資料の入ったダンボールを乗せて、
上の階まで上げていきます
お引っ越し日記第2回でご紹介した、
解体した棚の移設も開始されました。
それぞれの部屋に搬入され、順次組立てが行われています。
熊谷図書館のリニューアル後は、この外部書庫も
県内図書館間での協力貸出サービスを支える施設の一つと
なります。
一般の利用者の方には直接の利用はできませんが、県立図書館や
お住まいの地域の図書館へのお取り寄せを通じて
外部書庫にある本をご活用いただけます。
「図書館お引っ越し日記」は今年最後の更新となります。
ですが、図書館再編の業務はまだまだこれから
来年も引き続き熊谷図書館リニューアルオープンに向けた作業を
お伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします
2015年12月1日
図書館お引っ越し日記2
熊谷図書館 再編整備担当です。
「図書館お引っ越し日記」第2回は、資料移動の作業を詳しく
お伝えします。
第1回目のお引っ越し日記では、旧浦和図書館の様子と移動する
資料の計測についてご紹介しましたが、とうとう資料の梱包が
始まりました
作業のためにたくさんの梱包用品が用意されています。
旧浦和図書館の資料をすべて移動させるには、
大量のダンボール箱が必要なのです。
移動する資料が詰まったダンボール箱。
これでもまだ、所蔵資料のほんの一部です。
11月中旬から作業が始まり、行先別に資料をまとめて
上の写真のように箱詰めしています。
現在は、3階の社会科学・産業資料室にあった図書の箱詰めが
ほぼ終了したところです。
館内もだいぶすっきりしてきました。棚が空いて
どんどん物が少なくなってくるのを見ていると、
ちょっと寂しい気分になりますね・・・
そして、このからっぽになった棚を解体する作業も
始まりました。
写真は棚板を外して、柱だけになった状態です。
この柱も取り外してさらにばらばらにしていきます。
解体された棚の一部も外部書庫へ送られて、
旧浦和図書館や熊谷図書館から移動した資料を並べるために
使われる予定です。
このように、旧浦和図書館での資料移動作業は順調に
進んでいます
できるだけ早く、また皆様に資料を利用してもらえるよう
職員一同業務に励んでいますので、熊谷図書館リニューアル
オープンまでしばらくお待ちください。
2015年11月5日
図書館お引っ越し日記1
こんにちは
埼玉県立熊谷図書館 再編整備担当です。
今回から「図書館お引っ越し日記」として、
熊谷図書館リニューアルオープンまでの移管業務を
ご紹介していきます。
第1回は、旧浦和図書館のいまをお伝えします。
去る平成27年3月31日、たくさんの来館者に見守られながら
閉館した浦和図書館。
実は、今もその建物の中では、職員が毎日資料を
熊谷図書館や外部書庫へ移すための作業をしています。
新聞や電話帳の並んでいた2階閲覧室。
現在は仕分け中の資料置き場になっています。
雑誌が並んでいた棚もからっぽに...
現在は、図書、雑誌、CDなど旧浦和図書館所蔵の資料をすべて
仕分けして、行き先ごとにどのくらいの量があるのかを測る作業
が進められています。
計測が済んだら熊谷図書館や外部書庫での受入れ準備を行い、
順次移動させることになります。
そうして、旧浦和図書館で扱っていた本たちはそれぞれの行き先
へと旅立っていくのです。
今後もこのように、リニューアルに向けた作業の様子をお伝え
していきたいと思います。
資料や機能の引継ぎが終わるまではまだまだかかりますが、
新しい熊谷図書館にぜひご期待ください
おしらせ
熊谷図書館は、施設の改修や資料の移動・再配置のため、
平成27年11月4日(水)から平成28年3月下旬まで
休館いたします。
休館中は熊谷図書館・旧浦和図書館の所蔵資料は御利用いただけません。
御不便をおかけいたしますが、御理解くださいますようお願い申し上げます。
2015年10月31日
全国図書館大会で健康・医療情報サービスについて発表しました
10月16日(金)、東京代々木で開かれた
「第101回全国図書館大会 ~ 図書館は 地域の広場 生きる力 ~ 」
第20分科会(健康情報)で、久喜図書館の健康・医療情報サービスの実践について発表しました。
分科会テーマは、「健康情報サービスから探る地域との協働」
自治体の専門部署や専門機関、地域の団体と積極的に連携することにより、住民へ充実した医療・健康情報サービスを提供している図書館等から、5件の事例発表がありました。
久喜図書館の事例発表
「連携を通して見えてきた、公共図書館にしかできない健康・医療情報提供 ~ 埼玉県立久喜図書館 がん連携を中心に ~ 」
のタイトルで、昨年度まで健康・医療情報サービスの担当をしたS司書が、2年間の歩みをまとめてお話しました。
久喜図書館では、「困っている人にとって本当に必要な情報を提供する」ことを目的に、
図書やインターネット情報だけでなく、相談窓口や支援事業などできるだけ多くの情報を集め、それらをわかりやすく整理・編集して提供する
そのために行政の担当課、医療機関、支援機関、NP0、患者会、親の会、などたくさんの団体と連携する
ひとりでも多くの県民に情報が届くよう、図書館サービスの効果的な広報、見える化に努める
... といった取り組みをしてきました。
がん連携事業からスタートし、この2年間で7件のイベントを開催、合計40団体に協力していただき、皆様の心に寄り添うサービスを心掛けてきました。
連携先からは多くのことを学び、公共図書館だからこそできる健康・医療情報提供 が社会的にも評価をいただけることが見えてきたこと、
さらに、健康・医療情報の調べ方へのニーズに応えるため 「健康・医療情報リサーチガイド@埼玉」(小冊子) を発行し配布していることなどをお話しました。
他県の先進的な事例発表
滋賀県の 「公共図書館がん情報提供事業」
滋賀県では、滋賀県がん対策推進基金より補助を受け、滋賀県公共図書館協議会が行う 「公共図書館がん情報提供事業」 がスタートしています。
この事業について、がん対策を所管する行政側と、公共図書館側の2者の発表がありました。
滋賀県健康医療福祉部健康医療課の医師からは、正確な情報発信ができ、県民が気軽に相談できる場所として公共図書館に期待していることや、
がん対策政策の最新動向について解説していただきました。
がんサバイバーが増加し、がんと生活や仕事を両立することが課題となり、
「いのちとからだ」 から 「こころとくらし」へ 政策も大きくシフトしていくそうです。
また、滋賀県公共図書館協議会がん情報提供委員会を代表して、東近江市立八日市図書館司書の方がこの事業について説明されました。
県内公共図書館 と がん相談支援センターとの2回の交流会をきっかけに 事業実施されるに至ったこと、
そして フォーラム開催、研修事業、がん情報誌の発行 など具体的な事業案についてもお話がありました。
和歌山県立図書館 の 「がん」情報提供と連携
「がんコーナー」の開設に始まり、積極的な広報や県民からの声が後押しとなり、県庁担当課や医療機関との連携、館内で「がん患者サロン」を開設、利用者との連携など一歩ずつ着実にがん情報提供を充実させていったとのこと。
担当司書の方の温かく誠実な対応と地道な努力が実を結んだことが伺える実践報告でした。
「県内に網の目のような連携体制を」 鳥取県立図書館
ビジネス支援でも有名な同館ですが、健康・医療情報サービスにおいても多くの専門機関等と連携し、講座開催、出前図書館の実施、研修講師の相互派遣など多様な事業を実施しています。
最近では病院図書室のバックアップのために、病院図書室、市町村・県立図書館の連絡会議を開催。
抜群の行動力とフットワークの軽さで、県内図書館を支え全県にサービスを広げていっています。
発表後は、田村俊作氏(慶應義塾大学名誉教授)によるまとめと、報告者とのディスカッション、質疑応答がありました。
会場は80席が満席になるほどの盛況ぶり。
公共・病院・患者図書館など図書館員のみならず、自治体職員、医療関係者、議員、一般市民とさまざまな立場の方が参加され、図書館の健康・医療情報提供へ高い関心が集まっているようです。
発表の詳細はこちらから
日本図書館協会健康情報委員会のページ (当日パワーポイント資料あり)
久喜図書館の活動情報はこちらから