図書館ブログ
2022年8月26日
第1部第1回「県民とともにつくる新県立図書館ワークショップ」が開催されました。
2022年8月20日(土曜日)に、「県民とともにつくる新県立図書館ワークショップ」が開催されました。
当日は、10名の方が参加されました。(県立図書館の職員もオブザーバーとして参加しました。)
中には、県内だけではなく、都内から足を運んで参加してくださった方もいました。
ここでは、どのようなワークショップが実施されたのか。
すこしご紹介したいと思います。
《県民とともにつくる新県立図書館ワークショップ - 埼玉県》(埼玉県教育委員会主催)
(https://www.pref.saitama.lg.jp/f2215/library-info/sinkenritu-workshop.html)
当日は、10人ほど集まり、そこで2人1組ずつで作業を行いました。
ワークショップの講師を担当されたのは、
同志社女子大学名誉教授の上田信行先生です。
ワークショップの流れについて、上田先生から説明があった後に、
CUTUPS(カットアップス)という手法を使って、実際に手を動かしながら作業をしました。
まず、雑誌からこれからの図書館のイメージに合う写真や言葉を
探し出し、ちぎります。
それを材料に二人で対話しながら、
ロッケンロール紙という名のロール紙に、
糊で張り付けたり、マーカーで書いた線や言葉でグルーピングし、
その後、CUTUPS(カットアップス)の内容を全体と共有しました。
ワークショップでは、スクライビングという方法を用いて、
書記として参加された方が記録をしていました。
記録したものは、ワークショップの作業の区切りごとに、
全体で共有され、今、どのようなことが話し合われていて、
どのような作業が進行中なのかを共通の認識を持つことができるような
仕組みになっていました。
最後に、こんな県立図書館になってほしいというテーマで
個別に発表がありました。
当日のスクライビング
意見を共有する際には、自然と拍手が生まれて、
作業を進めるにつれて、初めは緊張した表情だった方も、楽しそうに笑う場面が見られました。
これからも下記のワークショップが予定されており、
第2回を希望される方は9月2日(金曜日)まで、第3回を希望される方は9月21日(水曜日)まで、
お申込みを受け付けています。
第1部ワークショップ
・第2回(9月10日(土曜日)):熊谷市男女共同参画推進センター「ハートピア」会議室
・第3回(9月28日(水曜日)):オンライン参加(Zoom)
第2部ワークショップ(10月15日(土曜日))
・埼玉カンファレンスセンター ロイヤルパインズホテル浦和会議室1+2
または オンライン参加(Zoom)のいずれかを選べます。
詳細は、下記のURLをご参照ください。
《県民とともにつくる新県立図書館ワークショップ - 埼玉県》(埼玉県教育委員会主催)
(https://www.pref.saitama.lg.jp/f2215/library-info/sinkenritu-workshop.html)
ご興味のある方は、ぜひご参加ください!
2022年8月10日
中学生が職場体験学習にやって来ました!
久喜図書館では7/21(火)、7/22(水)の2日間、伊奈学園中学校の生徒1 名の職場体験学習を実施しました。
2日間のスケジュールは、図書館の基本的な仕事であるカウンターでの返却処理や書架整頓(本が決められた順番(分類)どおりに並んでいるかを確認して、間違って配架してある本を戻したり、本棚がみだれているのを直したりする作業)、各担当が行っている図書館サービスなど内容は盛りだくさん。
その中から今回は、情報・地域協力担当の業務のひとつである図書館協力業務の体験の様子についてご紹介します。
図書館協力業務は、みなさまからリクエストされた本などを集めて県内の図書館へ「協力車」(搬送車)に積んで送り出し、また久喜図書館に届いたリクエストの本などを各カウンターに届けるという仕事です。「協力車」は県立図書館2館に加え、市町村立図書館や大学図書館、図書館類縁機関を巡回しています。「協力車」が運行していることにより、埼玉県内全ての公共図書館等が蔵書を共有し、図書館間で本を貸し借りすることができます。「協力車」については、詳しくはこちらをご参照ください。
まず、担当が毎日必ず最初に行うことは、「協力車」が到着する前にリクエストされた本やCDなどの資料を棚から探します。中学生には、2階公開閲覧室の本棚からリクエストされた本を探してもらいました。
資料を集めてきたら、貸出処理をして資料を入れるオリコン(折りたたみコンテナの略)に詰めます。
オリコンに詰め終わったら車庫に運び、協力車の到着を待ちます。市町村立図書館行き、県立熊谷図書館行き、浦和分室行きとオリコンを分け、この日送るのは合わせて全部で13箱でした。
「協力車」が到着しました。集めた資料を車に載せて、県内各図書館へと出発します。
「協力車」から受け取った久喜図書館宛てのオリコンは、この日11箱でした。
届いた資料はリクエストの資料と返却資料に仕分けして、返却資料は返却処理を行ってから各カウンターへ届けます
ここまでで時間がきてしまい、情報・地域協力担当の仕事の体験は終了です。飲み込みが早く、仕事も丁寧で大変助かりました。
今回のいろいろな体験を通して図書館や本により興味を持ち、今後利用者として図書館を使ってもらえたら嬉しいです。2日間、お疲れさまでした。
2022年7月27日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『教養の日本美術史』(古田亮編著 ミネルヴァ書房 2019)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:702.1/キョ>
日本美術のこれまでの歩みを考えた時、それは常に文化であり、政治であった。
作品は時代を映す鏡であり、作者は作品の中で生き続ける。本書は日本美術史の通史を時代ごとに詳細に解説した入門書である。美術史と言うと覚える事が多いと思いがちであるが、本書は読者がその関心に応じて各作品への興味を広げられるような構成となっている。
豊富な図鑑と分かりやすい解説で、日本美術史の魅力を存分に味わうことのできる一冊!
(紹介者: 尾崎)
■No.2■
『極光のかげに(冨山房百科文庫1)話』(高杉一郎著 冨山房 1977)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:916/キ>
1945年8月9日、ソビエト(現ロシア)は日ソ不可侵条約を破棄し旧満州に侵攻した。その後、約57万5千人の日本兵等を強制的にシベリアに抑留し、鉄道建設などの労働を課した。
これは、極寒の地イルクーツク捕虜収容所での体験記である。当時のスターリン社会主義体制を背景に政治局員、将校やロシア人女性との交流を内面から描いている。
著者は4年後に復員したが、5万5千人が死亡した。戦争がもたらすものは何かを問いかける。
(紹介者:前野)
■No.3■
『蓬州宮嶋資夫の軌跡』( 黒古一夫著 佼成出版社 2021)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:910.268/ミヤ002>

あとがきや年譜を読んでみてほしい。1930年、宮嶋資夫(1886-1951)は臨済宗本山天龍寺に入門する。
45歳。妻子もいて、週刊誌や文芸誌、新聞で小説や随筆を、「赤い鳥」では童話を発表し、ファーブル昆虫記の刊行に翻訳者として関わるような「流行作家」の宮嶋は、なぜ出家したのか。
著者はこの問いに焦点を当てながら、1人の作家の戦いを浮かび上がらせている。読めばわかる。この評伝は、誠実な仕事だ。
(紹介者:YM)
それでは、次回もお楽しみに。
2022年7月5日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『明治生まれの日本語』(飛田良文 著 淡交社 2002)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:810.26/メイ>
言葉は時とともに移り変わる。本書では、現在使われている日本語の中から「東京」「ぽち」「家庭」など明治時代に造られた新語を取り上げ、その事情や背景を紹介している。
言葉の誕生は、物事のはじまりとつながっている。『太政官日誌』などの史料や当時の辞典を引用した解説により、事物起源を知る読み物としても楽しめる。
さて、「恋愛」の項にはなんとあるだろう。答えは本書の中に。
(紹介者: 関)
■No.2■
『日本の名随筆 別巻70 電話』(中野翆 編 作品社 1996)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:914.6/ニ>
最近、仕事以外であまり電話していないなあと思って、手に取ったのがこの1冊。
本書は、電話を切り口に集められた、35編の随筆集である。文筆家やイラストレーター、俳優に電話相談員など、様々な職業の方の電話との関わり方が短い文章で書かれており、テンポよく読み進めることができる。
編者が意図したわけではないのに、電話嫌いの心情をつづったエッセイが大半になってしまったというのが可哀想で面白い。
(紹介者:T)
■No.3■
『楽しい美術本ガイド』(美術手帖編集部 編 美術出版社 1994)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:703.1/タ>

「美術の好きな読書家のために」―表紙にはそう記されている。
当時、今よりもっと「美術の好きな読書家」であった私は、偶然この本と出会った。それからもうすぐ20年近く。今もこの本は、自宅の本棚にある。
大学教授や美術の専門家による「推し」の美術本紹介の部に加え、美術史の各時代やジャンルごとの基本図書など、情報量もたっぷり。すでに絶版の本もあるけれど、ぜひとも図書館を利用して沢山の美術本と出会っていただきたい。
(紹介者:吉田)
それでは、次回もお楽しみに。
2022年6月17日
資料展「鎌倉幕府黎明期の動乱~頼朝と義時の歩んだ道~」開催中!
こんにちは。
熊谷図書館の人文・社会科学資料担当です。
現在、熊谷図書館2階ロビーでは資料展「鎌倉幕府黎明期の動乱~頼朝と義時の歩んだ道~」を開催中です。
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観て、ドラマの舞台である平安末期から鎌倉前期の歴史や、北条義時をはじめとした歴史上の人物たちに興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
この資料展では源平合戦から鎌倉幕府成立、承久の乱までの鎌倉幕府黎明期の歴史が分かる資料や、源頼朝と北条義時を中心に、彼らをとりまく人々について知ることのできる資料を集めました。
時代の流れに沿いながら、大きく3つのテーマに分けて資料を展示しています。
1 源頼朝と鎌倉幕府
(1)源頼朝
(2)鎌倉幕府の成立
源頼朝の生涯と、彼が鎌倉幕府を築き武家社会が確立していくまでの歴史を追っていきます。
2 鎌倉殿をとりまく人々~頼朝の挙兵から源平合戦の終結まで~
(1)源氏一族
(2)東国の武士たち
源頼朝のとりまく人々のうち、源平合戦が終結し鎌倉幕府が成立するまで、彼を支え、時に対立した源氏一族と東国の武士たちについて分かる資料を集めました。
特に深谷市畠山出身といわれる畠山重忠をはじめとした、埼玉にゆかりのある人物も多い武蔵武士の資料が充実しています。
また、比企氏ゆかりの地・比企地域など、県内の鎌倉殿ゆかりの地について解説されたパンフレット類を東松山市役所政策財務課政策推進課様、埼玉県産業労働部観光課様よりご提供いただきました!館内で配布しておりますので、ご自由にお取りください♪(無くなり次第終了です)
3 頼朝の死去から承久の乱まで
(1)御家人の争いと鎌倉将軍
(2)争いの覇者、北条氏
(3)後鳥羽上皇と承久の乱
頼朝の死去から幕府の政権をかけて御家人たちの争いが激化します。13人の合議衆をはじめとした御家人たちと鎌倉将軍、争いの敗者たちの生涯はどのようなものだったのでしょうか。
さらに、御家人同士の争いに勝利した北条氏と、その後の承久の乱について分かる資料をあつめました。
動乱の時代と、その時代を生き抜いた人物たちの生涯に、資料を通して触れてみませんか。
展示している資料は展示期間中でも貸出できますので(一部を除く)、ご希望の資料がございましたら職員にお声がけください。
期間:令和4年5月28日(土)~7月31日(日)
場所:埼玉県立熊谷図書館 2階ロビー
みなさまのご来館をお待ちしています!