図書館ブログ
2022年3月25日
資料収集・整理業務の紹介
熊谷図書館 資料収集・整理担当です。
資料収集・整理担当は、県立図書館で受け入れる本を選んだり、本にバーコードや背表紙のラベルを貼ったり、県立図書館のウェブサイトや館内の検索端末で検索できるよう本のデータを作成したりといった業務を行っています。
なお、資料収集・整理担当は熊谷図書館にありますが、久喜図書館の本もこの担当で受入をしています。
今回は資料収集・整理担当の業務の紹介を通して、どのようにして図書館に本が受入されるのかを見ていきたいと思います。
本の選定について
本を選定では、実際に手元に本があってそれを選定する場合と、手元にない本の情報を集めて選定する場合の2種類があります。
本を手に取って確認する選定では、週に100~200冊の新刊本の現物を見てその中から受け入れる本を選びます。
▼ 棚に並べた本の中から、週に1度どの本を受け入れるかを担当内で話し合います。
本の現物が手元にない場合は、新刊本の情報を掲載している雑誌や、出版社から送られてくるパンフレット・チラシ、出版社や書店のウェブサイトなどから本の情報を確認し、何を受け入れるか選びます。
▼ 新刊本の情報が掲載されている「週刊新刊情報」
本を選ぶ際には、本の主題や著者、出版社といった基本的な情報に始まり、類書の有無、参考文献や索引がついているか、想定される読者対象、出版された経緯、本の装丁が保存に適しているものか、など様々な事項を踏まえて検討しています。
埼玉県立図書館がどのような本を収集するかは、埼玉県立図書館資料収集方針に定められています。
県立図書館として求められる専門的・学術的な本や、調べ物に役立つ本などを中心に収集しています。
また、埼玉県立図書館には官公庁や団体、企業、個人の方などが発行した本が寄贈されるため、それらの資料についても受入を行っています。中には書店では売られていない希少な本や非売品の本などもあります。
本の装備について
選んだ本が図書館に用意できても、そのままでは新刊コーナーに並べることはできません。
本に図書館の所蔵資料であることを示すための印を押したり、貸出・返却の時に読み込むバーコードや背表紙のラベルを貼ります。さらに利用の多い本は透明のフィルムでコーティングします。そのような作業を「装備」と呼びます。
装備について詳しく知りたい方は当ブログの2011年12月1日記事「図書館資料の「装備」について」をご覧ください。
装備を行うことで、みなさんが図書館で見る本のかたちになります。
本のデータ作成について
最後に、コンピュータで本の情報を管理したり、図書館内の検索端末やウェブサイトで検索できるようにしたりするためのデータの作成を行います。
このデータにはタイトルや著者名、出版年月といった本の基本的な情報だけでなく、本のテーマに沿ったキーワード(件名)や、図書館のどこにあるか分かるようにする情報などが含まれています。
また、埼玉県立図書館独自の作業として、本の内容の一部に埼玉県に関する記述があった場合はデータに加えています。
▼ 以下は埼玉県立図書館のウェブサイト蔵書検索の資料詳細画面です。タイトルや内容紹介には書かれていませんが、渋沢栄一や尾高惇忠についての記述があることが追記されています。
▼ 以下は同じ本の国立国会図書館(NDL ONLINE)のデータですが、こちらには渋沢栄一や尾高惇忠といった人名は書かれていません。
他にも、「秩父の地名伝説の虚実(うそほんと)」という本があります。この本のタイトルの「虚実」は「うそほんと」と読みますが、漢字の読み方どおりに読んで探す人がいるかもしれません。そのため2通りの読み方をデータに加えています。
▼ タイトルを「ちちぶのちめいでんせつのうそほんと」で検索した場合
▼ タイトルを「ちちぶのちめいでんせつのきょじつ」で検索した場合
このように図書館の本をより探しやすく、より使いやすくなるように工夫してデータを作成します。その後、熊谷・久喜の県立図書館にそれぞれ本を送ります。
その本が新刊コーナーに並べられ、図書館の本としてみなさんにご利用いただいています。
いかがでしたでしょうか?
みなさんが多くの本と出合えますように、これからも担当一同業務に尽力してまいります。
2022年3月25日
記録集が完成しました!「図書館と県民のつどい埼玉2021」
「図書館と県民のつどい埼玉2021」の記録集が完成しました。
・司書が語るLiveイベント
・中学生のビブリオバトル
・鈴木まもるさん講演会
・伊吹有喜さん記念講演
・司書が魅せる!WEB展示
それぞれのイベントの様子をA4,24ページで、ご紹介しています。
鈴木まもるさんの講演会のページでは、絵本のことや、鳥の巣研究家になった理由など、
伊吹有喜さんの記念講演のページでは、アマチュア時代に図書館をとても利用されていたことや、作家になる前に少女雑誌のイベント運営を担当されていたことなど、お話しいただいた内容をまとめ掲載しています。
その他のイベントも「どのようなことを行ったのか」「工夫したところ」「苦労したところ」など詳しく掲載しています。
以下サイトで全ページダウンロードできますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
https://www.sailib.net/tudoi(埼玉県図書館協会ウェブサイト)
こちらのページでは、今年度の開催分だけでなく、2007年第1回目から2021年第15回目まで、全ての回の記録集を掲載しています!
ぜひ、ご覧いただけたら幸いです。
2022年3月9日
親子ふれあい講座を紹介します
こんにちは、久喜図書館の子ども読書推進担当です。
図書館ではおはなし会など各種子ども向けイベントを、感染対策を徹底して開催しています。
今回は毎月第4水曜日開催、オンラインイベント「親子ふれあい講座」を紹介します。
0~4歳までの子どもと保護者を対象に、埼玉県の家庭教育アドバイザーが講師となって、てあそびやわらべうたを中心に親子で楽しく遊べる講座です。
オンラインなのでご自宅からZoomで参加できて、子育てに関する質問やアドバイスを聞くこともできちゃいます!
- 家庭教育アドバイザーとは...保育士や教員の経験者などが、埼玉県が主催する研修を経て活動しています。
プログラムは主に「てあそび・わらべうた」、「子育てに関する質問コーナー」、「図書館司書おすすめ絵本の紹介」の3つで構成しています。
例としてある日の講座の様子をご紹介します。
てあそび・わらべうた
♪ととけっこうよがあけた
♪いとまきのうた
♪いっぽんばしこちょこちょ
♪いもむしごろごろ
♪うまはとしとし
まず「ととけっこうよがあけた」で、ぐっすり寝ているくまくんを起こしてあげます。
初めて聞くわらべうたでも、先生がゆっくりていねいにレクチャーしてくれるので安心です。
先生のわらべうたやてあそびにあわせて手を動かしたり、「うまはとしとし」ではお父さんお母さんの膝の上に乗って、まるでお馬さんに乗っているように揺らしてもらったりと、参加してくれた親子は全身を使って楽しんでいました。
子育てに関する質問コーナー
「発語がほかの子より遅い気がするけどどうしたらいい?」
など、悩みや疑問に家庭教育アドバイザーがアドバイスを交えて答えてくれます。
ちょっとしたことでも、お気軽に聞いてください!
図書館司書おすすめ絵本の紹介
県立図書館で配布中の『埼玉県立図書館司書がすすめるとっておきのえほん100冊-親子のふれあいえほんばこ』 (PDF:1.8 MB)から、おすすめの絵本を毎回1冊紹介します。
この日に紹介した絵本は、『しろくまちゃんのほっとけーき』(わかやまけん[ほか]著 こぐま社)。
絵本の一部を画面に映しながら、あらすじやおすすめポイントを紹介します。
この日は偶然ご自宅に同じ本をもっていたお子さんが、手元で一緒にページをめくりながらお母さんと一緒に聞いてくれました。
参加してくださった方と、Zoomを通じて絵本でつながることができて感動しました!
あっという間の30分でした。
埼玉県立図書館ウェブサイトのこどもページでは、講座の様子を体験できる動画を掲載しています。
親子ふれあい講座のほか、おはなし会などの情報も掲載しているのでぜひご覧ください。
令和3年度最後の講座は、3月23日(水)11:00~です。皆様のご参加お待ちしています!
2022年2月1日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、図書館職員が所蔵する図書をご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『大河ドラマをつくるということ』(大石学、時代考証学会編 名著出版 2012)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:778.8/タイ>
渋沢栄一に畠山重忠。埼玉ゆかりの偉人が相次いで大河ドラマに登場する。彼らや活躍した時代をどう描き出すか。それには時代考証が欠かせない。本書は時代考証学会によるシンポジウムの記録である。考証会議を重ね脚本が修正される過程、歴史学者だけではなく衣装や照明担当者の考証など、取り上げる作品は違えども制作現場の裏側を窺える。各地で新資料が発見されることもあるとか。大河ドラマの見かたを広げてくれる一冊。
(紹介者: 大島)
■No.2■
『昆虫の飛翔』(栗林慧著 平凡社 1981)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:D486.1 /ク>
3万分の1秒。これは、昆虫の羽ばたきを撮るために必要なシャッタースピードである。失敗と改良を重ね、著者は昆虫の飛行撮影システムを開発した。本書はその成果を収めた写真集である。鳥は飛ぶとき、肢を縮める等して空気抵抗を減らす。一方、昆虫はそんなことお構いなしに、肢や触覚を目一杯広げて飛ぶ。彼らのユーモラスかつ見事な飛翔術に、小さな昆虫の偉大さを垣間見た。身近な昆虫の知らない姿を教えてくれる一冊。
(紹介者:松本)
■No.3■
『〈いのち〉とがん』(坂井律子著 岩波書店 2019)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:491.65 /イノ>
本書は、NHKディレクターの著者が、自身の膵臓がんとの闘い・共存の日々を記した闘病記である。治療法の選択や抗がん剤の副作用による食の問題など貴重な「がんの実際の情報」を知ることができるだけでなく、いのちを見つめ直すきっかけを与えてくれる。二人に一人はがんになるという現代、がんは誰もが避けては通れない病となった。がんに関心がある人はもちろん、がんを他人事だと思っている方にも是非おすすめしたい。
(紹介者:石関)
それでは、次回もお楽しみに。
2022年2月1日
オンラインでも音訳者研修会
こんにちは。久喜図書館バリアフリー読書推進担当です。
当館の対面朗読や録音図書製作を支えてくださる音訳者の皆様。
その音訳技術をスキルアップするために、毎年音訳者研修会を開催しています。
今年は感染症対策のため、会場参加とオンライン参加を併用しています。(感染状況によっては会場参加を中止し、オンラインのみにすることも検討します。)
会場は三密にならないよう、間隔を空けて座っていただきました。
入り口には消毒を設置し、その場で体温も確認しました。もちろんマスク着用と会場の換気も行っています。
オンライン参加は、zoomを使用しています。事前に希望者に向けてzoomのインストールや使い方を講習し、スムーズに研修会を受けられるように配慮しました。
講師の声はもちろんのこと、会場やオンラインの参加者の発言がお互いに聞こえるように、マイクつきスピーカーを活用しています。
配布資料は画面共有することで、会場のスクリーンやオンライン画面に映し出すことができました。
オンライン参加者の皆様からは、会場の発言が聞こえにくかったとのコメントもありましたが、講師の声はきちんと届いており、zoomの操作もすぐに慣れていただけたようです。
まだまだ課題はありますが、図書館から遠方にお住いの音訳者様が自宅で研修会に参加できる、そんな環境を整えることができたと思います。
今年の音訳者研修会はまだ続きます。会場でもオンラインでも、音訳者の皆様のスキルアップができますように!!