資料紹介
2022年7月5日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『明治生まれの日本語』(飛田良文 著 淡交社 2002)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:810.26/メイ>
言葉は時とともに移り変わる。本書では、現在使われている日本語の中から「東京」「ぽち」「家庭」など明治時代に造られた新語を取り上げ、その事情や背景を紹介している。
言葉の誕生は、物事のはじまりとつながっている。『太政官日誌』などの史料や当時の辞典を引用した解説により、事物起源を知る読み物としても楽しめる。
さて、「恋愛」の項にはなんとあるだろう。答えは本書の中に。
(紹介者: 関)
■No.2■
『日本の名随筆 別巻70 電話』(中野翆 編 作品社 1996)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:914.6/ニ>
最近、仕事以外であまり電話していないなあと思って、手に取ったのがこの1冊。
本書は、電話を切り口に集められた、35編の随筆集である。文筆家やイラストレーター、俳優に電話相談員など、様々な職業の方の電話との関わり方が短い文章で書かれており、テンポよく読み進めることができる。
編者が意図したわけではないのに、電話嫌いの心情をつづったエッセイが大半になってしまったというのが可哀想で面白い。
(紹介者:T)
■No.3■
『楽しい美術本ガイド』(美術手帖編集部 編 美術出版社 1994)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:703.1/タ>

「美術の好きな読書家のために」―表紙にはそう記されている。
当時、今よりもっと「美術の好きな読書家」であった私は、偶然この本と出会った。それからもうすぐ20年近く。今もこの本は、自宅の本棚にある。
大学教授や美術の専門家による「推し」の美術本紹介の部に加え、美術史の各時代やジャンルごとの基本図書など、情報量もたっぷり。すでに絶版の本もあるけれど、ぜひとも図書館を利用して沢山の美術本と出会っていただきたい。
(紹介者:吉田)
それでは、次回もお楽しみに。
2022年6月16日
除菌した布絵本をお届けします!
文字を読むのが苦手な子どもにも、絵本を楽しんでほしい。
楽しく遊びながら、手先の訓練もしたい。
子ども一人でも読める絵本があったらいいな。
そんなお悩みをお持ちの先生方、「布絵本」を使ってみませんか。
布絵本は、フェルトなどの布で作られた手作りの絵本です。
やさしい手触りはあたたかみがあり、あざやかな色使いで目にも楽しいだけでなく、ひもやファスナー、ボタンなどを使って"絵"を動かしたり、取り外したりすることができるのが特徴です。
指先を使った作業などを通し、遊びながら創造力・観察力・動作能力が培われるので、さまざまな障害のある子どもたちに喜ばれています。
障害のある子どもたちに、読書の楽しみを伝えるため、県立久喜図書館では、特別支援学校(学級)や障害児(者)福祉施設に、布絵本の団体貸出を行っています。
(個人の方への貸出は行っておりません)
さて、この素敵な布絵本ですが、布絵本は返却ごとにオゾンで消毒しています。
今年度、布絵本の消毒用BOXを新調いたしました!
こちらです。
大きい!これはたくさん入りそうです。
紫外線照射後、オゾンで除菌してくれます。
箱の中に布絵本を、広げて、広げて。可愛いおばけがこっちを見ていますね。
ふたを閉めて、スイッチオン!
100分後、除菌完了!
心なしか、おばけもすっきりした顔をしています。
毎回パーツが揃っているかを確認し、キレイに除菌してからお送りするので、安心して利用してくださいね。
布絵本の貸出は無料で、貸出期間は3ヶ月です。
県内全域をカバーする図書館協力車によって、お近くの市町村立図書館までお届けいたします。
詳しくは、「手作り布絵本貸出案内・布絵本リスト」のページをご覧ください。
https://www.lib.pref.saitama.jp/guidance/spnd/nunoehon-annai.html
おまけ
よいしょ
ぼくには ちいさかったみたい
2022年5月27日
こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―
こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、所蔵する図書を図書館職員がご紹介します。
さて、今月は...
■No.1■
『歴史に気候を読む』(吉野正敏 著 学生社 2006)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:451.8/レキ>
歴史を変えてきたのは、いったい何だろうか。偉人か英雄か。それとも戦争や革命か。もちろんそれらは間違いないが、気候もまた歴史を変える大きな要因となる。
本書では、気候の変化が歴史にどのような影響を与えたのか、孫子の兵法や北欧のヴァイキング、日本では川中島の合戦など、古今東西16の事例を挙げ紹介している。
当時の自然環境を想像してみるのも、歴史の新しい楽しみ方かもしれない。
(紹介者: 小林)
■No.2■
『語感トレーニング』(中村明 著 岩波書店 2011)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:810/コカ>
昨今、文字だけのやり取りが多くなった。表情や声色で微妙なニュアンスが伝えられないからこそ、伝え手も受け手も言葉のセンスと感受性が問われる。本書は、55個の問題を通じて学びながら、日本語における似て非なる言葉の意味やニュアンスの微妙な違いなど、思いを正しく授受するための「語感」を研ぎ澄ますための本である。例えば、「快調」「順調」「好調」一番調子がいいのはどれ?メール、SNSが当たり前の今、必読の1冊。
(紹介者:東)
■No.3■
『暮らしのなかの左右学』(小沢康甫 著 東京堂出版 2009)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:404/クラ>
朝顔は右巻き、スイカズラは左巻き。植物の蔓の巻き方は遺伝的に決まっているという。エスカレーターの立ち位置は地域により左右が異なり、衣服の襟の重ね方は時代で変遷している。
本書は様々なジャンルの「左右」について、豊富な資料に基づいて考察している。自然現象から文化まで、「左右」が決まるのに多くの理由があって興味深い。身の回りの「左右」について、誰かに話したくなる一冊。
(紹介者:大島)
それでは、次回もお楽しみに。
2022年5月13日
こどもしつのおともだちをしょうかいします
こんにちは!
熊谷図書館 視聴覚資料・図書館振興担当です。
今回は子ども室でみなさまを待っている仲間たちをご紹介します。
\ようこそ熊谷図書館子ども室へ!/
知っているキャラクターはいたでしょうか??
ということで、ここでクイズです!
写真にうつっているぬいぐるみのお名前は何でしょう??
ぜひ、家族と、またはお友達といっしょに考えてみてください。
さぁ、わかったかな??
それでは正解と一緒に、登場する絵本もご紹介していきます。
気になる絵本があったら、お電話や子ども室で、お気軽に職員にお声がけください。
正解は・・・・
ピーター
・『ピーターラビットの庭しごと』(福音館書店)
・『ピーターラビットのてがみの本』(福音館書店)ほか
パディントン
・『パディントンのかいもの』(偕成社)
・『パディントンえきにあらわれる』(ほるぷ出版)ほか
マックス
・『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)
おだんごぱん
・『おだんごぱん』(福音館書店)
ぐり、ぐら
・『ぐりとぐらのうたうた12つき』(福音館書店)
・『ぐりとぐらとくるりくら』(福音館書店)ほか
アンパンマン
・『アンパンマンとくろいとり』(フレーベル社)
・『アンパンマンとぴいちくもり』(フレーベル社)ほか
最後はみんな大好きアンパンマンでした!
ちなみに、おだんごぱんと、ぐりとぐらは、
なんと、むかーし職員が手作りしたものだそうです。
いくつ分かったでしょうか??
そして最後にご紹介するのは、
昨年度、新たに仲間になった、こぐまちゃんです!!
・『ひらいたひらいた』(こぐま社)
・『はじめてのこぐまちゃん じどうしゃ』(こぐま社)ほか
これから仲良くしてくださいね!
ほかにもこども室ではたくさんの仲間がみなさまをお待ちしております。
もちろん、おはなし会の日にだけ現れる、あの子も...
おはなし会は毎月第2・3・4土曜日、午後2時から3時までです。
熊谷図書館子ども室は、子どももおとなも大歓迎!!
ぜひぜひみなさまで遊びに来てください。
2022年3月31日
ひまわりの咲く国より
視聴覚資料・図書館振興担当です。
毎日届けられる戦禍の知らせに心を痛めている方も大勢いらっしゃるかと思います。
図書館でも当事国について問い合わせを受けることが目に見えて増えており、
皆さまの関心の高さが伺えます。
こうした状況を受けてでしょうか。最近多くのリクエストが寄せられる映画作品があります。
イタリアの巨匠、ヴィットリオ・デ・シーカ監督による映画「ひまわり」(熊谷図書館所蔵VD)です。
1970年に公開された本作は、ソビエト戦線に送られた夫、アントニオとその帰りを待つ妻ジョバンナが戦争により引き裂かれる姿を描きます。声高に反戦を叫ぶことなく、淡々と進行するストーリーをヘンリー・マンシーニの重厚な音楽が彩ります。
そしてこの映画のもう一つの見どころが、地平線までひろがる一面のひまわり畑です。これはウクライナの首都キエフから南へ500kmにあるヘルソン州で撮影されたもので、今でも7月下旬頃になると辺り一面に咲きほこるひまわりを見ることができます。
映画では、行方不明となった夫、アントニオを探すためにジョバンナは戦争終結後のソ連へと旅立ちます。そこで彼女を迎えたのはどこまでも続くひまわり畑とおびただしい数の白い十字架でした。
あまりにもはてしない光景に目を奪われ、ただ呆然と立ち尽くす彼女。
その姿は時代の波に翻弄された人間のやるせなさに満ちています。
欧州における今世紀最大規模とも言われる今回の侵攻。
いつか荒廃した街が復興し、ひまわりの花が咲くころ、人々の悲しみは癒えているのでしょうか。
アントニオやジョバンナのような思いを抱く人が一人でも少なくなることを祈ります。
向日葵に天よりも地の夕焼くる
山口誓子