メニューにジャンプこのページの本文へジャンプ
埼玉県立図書館 あなたの調べるを応援します

« 資料からみる秩父事件「暴動」から再評価へ ー資料展示のみどころー | 図書館ブログ | 休館日は職員研修 »

2011年9月21日
新聞・雑誌担当のマニアックな仕事

皆さまこんにちは。久喜図書館の新聞・雑誌担当です。
バックヤードに徹し謎に包まれた新聞・雑誌担当の業務について、数話に分けてご紹介いたします。
今日は第1話。どうぞ最後までお付き合いくださいませ

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆


新聞・雑誌担当のマニアックでディープな話 ≪第1話≫
~華々しく生れ、活躍する雑誌。その一生とともに~


☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆


雑誌は、図書のように一度刊行されれば終わり、ではなく長期間刊行され続けます。
毎年幾多の雑誌が生れては、その長い一生の間に別々の雑誌が一緒になったり、
名前(誌名)が変わったり、一つの雑誌から別の雑誌が生まれたり、
華々しく活躍し、そして役目を終え静かに休刊したり...
と、人の一生のようです

IMGP0058.JPG〈今も現役。長寿の雑誌〉


刊行中は、他にも様々な変化があります。
雑誌担当は、そうした細かい変化の一つ一つに対応し、自館蔵書データや総合目録等データベースの修正、雑誌現物の管理をしています。


★誌名や出版社などが変わったとき、放置するとどうなるでしょうか

蔵書検索をしてもヒットせず、「本当はあるのに無い」状態になってしまいます。
膨大な資料がある図書館では、蔵書データの修正と現物管理は非常に重要です。

「データが無い=現物が無い」状態になってしまうからです。

★たとえば誌名が変わったら

まずは、蔵書目録や総合目録等のデータベースの修正です。変更後の新しい誌名のデータを独立させ、変更前後のデータと連携させます。
たとえ古い誌名・新しい誌名のいずれかしか覚えていなくても探せるように...
データの修正が済んでも、まだまだ作業は終わりません


★雑誌を書庫に収める

公開閲覧室にある雑誌は、一定期間が過ぎると書庫内に収めますので、このための書棚スペースが必要になります。
県立図書館では、雑誌を誌名の50音順に並べています。
そこで新しくなった雑誌を、50音順に収めようとすると、たいてい...

「スペースがないっっ!!」

IMGP0054.JPG〈いつも雑誌でいっぱいな棚〉


★書棚との果てしない闘い

空きスペースを確保するため、前後の雑誌をずらします。
ふにゃふにゃで結構重い雑誌たちは、自立できず、あちこちで倒れては雪崩をおこします。闘います。
そして多くの場合、もう前後にずらせるスペースはありません。
永年保存している県立図書館の棚は、いっぱいいっぱいです


弱気な気持ちを抑え、遙か先を見渡すと... 一番奥に誠に素晴らしい、空きスペースがあります。

aki-tana.jpg〈スペース発見。〉

雑誌担当はちょっぴり息を吐き、そして決意します。

「は~い! 頑張ってずらしま~す ('0^)/」


★迅速にご提供するために

無駄な作業に見えますが、これには訳があります。
それは、出納のご要望があった場合、迅速にご提供できるようにすることと、資料群として適正に管理するためです。
雑誌は薄く他に紛れ不明になりやすいため、群れとして扱う必要があります。

棚との格闘。タップリ汗をかき、ついに雑誌を収めることができました。こうして小さな変更に伴う一連の作業が終わります。


☆*☆*☆*☆*☆*☆
雑誌の"一生"とともに...
次回は、市町村図書館が廃棄した雑誌をもらい受け、一度終わりを迎えた雑誌をよみがえらせる、「移管雑誌」の仕事についてお話します。


情報を速報することが目的の雑誌は、その時代、その瞬間を映します。
1冊だけでは一滴の水であっても、雑誌はその蓄積によって川のように過去から現在を流れ、"今"を感じることができます
これにどっぷり浸るロマンチスト集団。それが新聞・雑誌担当です。

(文責:久喜図書館新聞・雑誌担当 S)