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イベント

2023年3月10日

文化講座「ミステリー文学における横溝正史の位置づけ」を開催しました

令和5年1月28日(土)、久喜図書館で、文化講座「ミステリー文学における横溝正史の位置づけ」を開催しました!

1月21日(土曜日)より、さいたま文学館では、横溝正史生誕120周年記念の企画展「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」を開催しています。今回の文化講座では、展示を企画したさいたま文学館・主任専門員の加藤光男(かとう みつお)氏を講師としてお迎えし、横溝正史の業績を中心に、松本清張などと比較しながら、1945(昭和20)年の戦後から、1970年代後半(昭和45~53年)における「探偵小説」から「社会派推理(ミステリー)小説」の流れについてお話いただきました。

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<金田一耕助風の帽子姿の講師>

会の前半では、まず、横溝正史の位置づけを確認するにあたって、
「探偵小説」から「推理小説」という呼び名に移り変わる時期のお話がありました。

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メモを取る方も多く、みなさん熱心にお話に聞き入っていたのが印象的でした。

後半は、横溝正史と松本清張についてのお話でしたが、
横溝に関連する貴重な資料が世田谷文学館と二松学舎大学にある背景など、
裏話を交えながら、当日配布された資料を補足していく形で進められました。


その後、当館司書より
調べ方案内(Milestone 63)「日本の推理小説の調べ方~江戸川乱歩を例にして~」
基づき、県立久喜図書館での資料の調べ方について説明がありました。

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県立久喜図書館では、関連する資料展示「『探偵小説』の時代」を開催し、その資料リストを図書館ウェブサイトで公開しています。

【久喜】資料展「『探偵小説』の時代」ページ

また、今回の文化講座を共催したさいたま文学館では、下記の企画展を開催中です。

県政ニュース:さいたま文学館 横溝正史生誕120周年記念企画展「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」を開催します

企画展「金田一耕助さん!埼玉で事件ですよ」
【期日】令和5年1月21日(土曜日)~同年3月12日(日曜日)
【場所】さいたま文学館 企画展示室および常設展示室

終了まであとわずかとなりました。ご興味のある方は、ぜひさいたま文学館に足を運んでいただけると幸いです。

2023年2月15日

令和4年度情報の探しかた講座を開催しました!(久喜図書館)

こんにちは。久喜図書館の情報・地域協力担当です。

久喜図書館では115日(土)から28日(月)まで、「令和4年度情報の探しかた講座」全5講座を開催しました。

初日の11月5日(土)は健康・医療に関する講座2つを開催しました。

午前中の講座「カラダと病気の情報を探そう」では、自然科学・技術資料担当が講師となり、まず「健康情報の目利きになりましょう!」と題して、健康情報を探すときのポイントや注意点について説明がありました。その後久喜図書館が発行した冊子『健康・医療情報リサーチガイド@埼玉 改訂2版』をテキストに、パソコンを使って健康・医療情報を探す実習を行いました。参加者にはケーススタディをもっと学びたいという目的をお持ちの方、2度目の講座参加だった方もいらしたようです。

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同じ日の午後には埼玉県済生会加須病院図書室の司書・深谷里子氏を講師としてお招きし、「オンラインデータベース「医中誌Web」を使ってみよう」を開催しました。

「医中誌Web」は久喜図書館で利用できるデータベースの一つです。この講座では講師から医学論文の種類や文献の探しかたなどを学び、実際に医中誌Webを使ってみる内容でした。最後に久喜図書館の健康・医療情報サービスについて、自然科学・技術資料担当から案内がありました。文献検索の仕方の概要を知ることができて大変に有益だったという声を頂戴しました。

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11月9日(水)の講座「Googleだけじゃない 2002年、図版さがしの旅」は、芸術・文学資料担当が講師となりました。最初に、検索語彙や情報源に関する知識など、検索に関わる基礎的な問いかけがありました。次に受講者の皆さんに自己紹介をしていただき、場の空気が和んだところで、図版を探す実習に入りました。最後に講師から参考図書やデジタルアーカイブのページが紹介されました。自宅でアクセス可能なウェブサイトを多く知ることができる講座内容でしたので、受講者の皆さんが熱心にメモを取る姿が印象に残りました。

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県民の日である1114日(月)には、情報・地域協力担当が講座「郷土の地名を調べてみよう」開催しました。当館で受けるレファレンスは郷土関係のものが多く、ご自身で情報を使いこなせる一助になればと企画しました。熊谷図書館が昨年度作成したパスファインダー「埼玉県の地名について調べる」を元に、参考図書や埼玉関係データベース、埼玉県立図書館デジタルライブラリーや国立国会図書館デジタルコレクションなどを使った探しかたをご紹介しました。内容については反省点も多々ありますが、講座の内容を復習したい、これから活用したいという声を戴けたことが有難いです。

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「ワークショップ「入門!図書館で情報収集~使って、調べて、発見しよう!~」」は新聞・雑誌担当が講師となり、1128日(月)に休館日の公開図書室で開催されました。受講者自身がテーマを設定し、図書館資料を使って情報を収集・整理してまとめ、最後に調べた内容を発表し合い、成果を共有するワークショップ形式の講座でした。

最初に講師から図書館資料の概要や特色について説明があり、次に受講者が各自図書資料を手に取ったり、蔵書検索用端末、マイクロフィルムやオンライン・データベースなどを利用したりして情報を収集しました。ご自身の課題解決を図ろうと調査をする方やデータベースやマイクロフィルムに触れるのが初めての方、ご自身の業務の参考にと図書館司書の方も参加され、ワークショップを楽しんでいただけたと思います。

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今年度は昨年度を上回る38名の方に受講していただきました。

ご参加いただきありがとうございました。

なお、受講された方以外でも、今回や前回までの講座のテキストをご覧いただけますので、ぜひ参考にしてみてください。

2023年2月2日

「初めて読むジャンル」という面白さ

こんにちは! 熊谷図書館 海外資料担当です。


2月26日(日曜日)に、韓国文学についての講演会「メッセージが聴こえる~韓国文学の現在~」を開催します。

講師には、翻訳家の清水知佐子さんをお招きします。

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〈詳細ページ〉

韓国文学には特有の面白さがあり、それを知ることで、一冊一冊をより深く味わえるようになることと思います。

申し込みを受付中ですので、ふるってご参加ください。後日配信もあります。

この講演会には、今まで韓国文学に全く触れてこなかった方にも、ぜひ来ていただきたいと思っています。
というのも最近、読書をしていて気付いたことがあります。「読書を続けるほど、読む本の種類が一部に偏ってしまう」という傾向です。


ある本を読んで好きになり、またその良さを味わいたくて同じジャンルの本を読む...そしてその良さがそのジャンルに共通しているものだと分かると、他のジャンルへの冒険をせず、そのジャンルだけを読むようになっていく...。読書に限ったことではないかもしれません。皆さんにもこのような経験がないでしょうか?


良いと分かっている種類のものを楽しみ続けるのは、限られた余暇の使い方として効率的です。しかしひとつだけ、その方法では味わえないものがあります。初めてその種類を味わった時の感動です。


どんなものなのか、何が起こるか分からない状態で直面する面白さは、ひとつのジャンルにつき一回しか味わえません。何度も味わうには、新しいジャンルに挑戦していく必要があります。
そして韓国文学には、その感動を得られるだけの面白さがあります。挑戦して損のないジャンルといえます。


ですのでこの講演会、韓国文学にご興味の「なかった」方からも、お申し込みをお待ちしています。

**************お問い合わせ**************

埼玉県立熊谷図書館 海外資料担当

Tel : 048-523-6291

mail : lib-kaigai@pref.saitama.lg.jp

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2022年12月27日

埼玉県民の日-こどもスペシャルイベント-開催しました

こんにちは。久喜図書館の子ども読書推進担当です。

今年もあと残すところわずかとなりました。

埼玉県立久喜図書館では、11月14日(月)に、「埼玉県民の日 こどもスペシャルイベント」(14時~15時20分)を開催しました。

こどもスペシャルイベントでは、ボランティアグループ「トムの会」によるおはなし会と当館職員による工作会をそれぞれ行いました。

当日は、強風にも関わらず、全部で46名の方にご参加いただき、無事に開催することができました!

おはなし会の内容は、紙芝居や手遊び、大型絵本の読み聞かせです。参加した子どもたちは、食い入るように見ていました。

紙芝居の様子 手遊び「どんぐりころちゃん」 の様子
紙芝居

手遊び「どんぐりころちゃん」

どっちの手にドングリが入っているかな?

工作会では、リング飛行機を作りました。子どもたちには、自由に絵を描いてもらいました。それぞれの個性が出ていて、どれも素敵なものが出来上がりました!子どもたちは、リング飛行機を作り終えるとすぐに図書館前の中庭で飛ばしていました!

リング飛行機(完成形) 「リング飛行機」に絵を描いている様子
リング飛行機(完成形) 「リング飛行機」に絵を描いている様子。

皆様には、鮮やかなイチョウの紅葉を背景に、楽しい時間を過ごしていただくことができました。

「トムの会」さん、そして参加してくださった皆様、ありがとうございました!

子ども図書室では、毎月おはなし会(第1~3土曜日、第2水曜日は小さい子向きおはなし会、第4水曜日は親子ふれあい講座)、工作会(第4土曜日のみ)を開催しております。当館ウェブサイトや館内掲示にてご確認いただき、是非ご参加ください。たくさんの方のご来館をお待ちしております。

2022年12月23日

11月5日(土) 百周年記念文化講座「埼玉県立図書館あんな話こんな話~映像と語りによる としょかん回顧録~」を開催しました

こんにちは。熊谷図書館の人文・社会科学資料担当です。
11月5日(土)に、令和4年度熊谷図書館文化講座「埼玉県立図書館あんな話こんな話~映像と語りによる としょかん回顧録~」を開催しました。
今年度の文化講座は、埼玉県立図書館百周年を記念したもので、テーマはもちろん「埼玉県立図書館」です!
「語り手」として、埼玉県立図書館元職員の北爪健一(きたづめ けんいち)さん、小山正記(こやま まさき)さんのお二人をお迎えし、要覧や年表には載っていない「こぼれ話」を語っていただきました。
百周年記念のため、講師と職員とで協力し講座内容を構成しました。「1 黎明期と浦和図書館」「2 熊谷図書館開館の頃」「3 移動図書館のおはなし」「4 新聞記事に見る埼玉県立図書館」「5 映画会・視聴覚資料のおはなし」「6 久喜図書館開館の頃」「7 現在の姿」「8 みんなの県立図書館」の8つのテーマに分け、懐かしい映像、写真、新聞記事等を見ていただきながら県立図書館の歩み等を振り返りました。
講師の方のたくさんの素敵なお話に、参加者の皆さんは最後まで熱心に耳を傾けられていました。
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講座で語られたエピソード等について、ほんの一部ですが、ご紹介したいと思います。

1.黎明期と浦和図書館
明治期に埼玉師範学校に併設された浦和書籍館は広く利用されることがないまま数年で廃止となったこと、大正11年(1922年)に現在の県立図書館の前身となる埼玉図書館が開館したこと、巡回文庫のことなど、写真や統計等を紐解きながら、黎明期に思いを馳せました。

下は、埼玉図書館が設置された郡役所の写真です。

県教育会立埼玉図書館.png

平成27年(2015年)に廃館となった浦和図書館が、昭和35年(1960年)に落成した当時の映像を上映し、竹等の素材を使った個性的なデザインの天井3種類の写真などもご覧いただきました。この天井、記憶に残っている方はいらっしゃるでしょうか?

浦和図書館天井.png

浦和図書館と隣接する埼玉会館は著名な建築家前川國男氏の作ですが、敷地が緩やかに地続きとなっており一体感がありました。独特な天井の意匠と相まってなのか(?)浦和図書館を著名な建築家の設計と勘違いして来館される方もいらっしゃったようです。

2.熊谷図書館開館の頃
熊谷図書館の開館準備や1980年代の様子を記録した映像を上映しました。資料を鋭意受入れる様子、資料保存のための収蔵庫、今も変わらない障子の窓辺などが紹介されていました。

現在の障子の窓辺.png

資料の受入れとともに、所蔵の有無を検索するための目録カードの整備も同時に行われました。大量の目録カードを書名や著者名の50音順に繰り込む作業は、昼食後は眠気との戦いだったとか。

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資料検索は、今ではオンライン検索が主流となりました。埼玉県立図書館では、川越図書館閉館前後の辺りで、電算化が進んだというお話がありました。

3.移動図書館のおはなし
活動の様子、各館の移動図書館車の概要の紹介がありました。車の愛称の由来も教えていただきました。例えば、久喜図書館「みずほ号」は、県東の田園地帯のみず穂のたなびきから命名されたそうです。

みずほ号と職員.jpg

県立図書館最後の移動図書館車の設計図や写真を見ながら、こだわりのポイントや活躍の様子をお話しいただきました。北爪さんは移動図書館業務に長く携わるとともに、個人的にアジア・アフリカと共に歩む会で活動されており、役目を終えた図書館車がアフリカに贈られる事業についてもお話しくださいました。

4.新聞記事に見る埼玉県立図書館
昭和30年代にレファレンスサービスを紹介する記事があったり、昭和50年代に全国初の点字版図書目録を作成した記事、浦和図書館閉館間際に映画『北のカナリアたち』の撮影に関する記事があったり...、新聞記事から埼玉県立図書館のあれこれを振り返りました。
昭和54年(1979年)3月10日の『埼玉新聞』に掲載されていた「珍しやカイの木 県立熊谷図書館で」という記事には、現在も敷地内にある木について書かれていました。そんなに珍しい木だったとは...。

現在のカイの木.png

5.映画会・視聴覚資料のおはなし
昭和の映画会の様子を記録した映像を、会場内に設置した映写機で再生。フィルムの回る独特の音を聞きながら鑑賞しました。時代が変わっても、大勢で鑑賞する映画会の良さは変わらないというお話に、参加者の皆さんもうなずきながら耳を傾けていらっしゃいました。
図書館で視聴覚資料を収集する意義、フィルム保存の難しさなど、長年にわたり視聴覚資料のサービスに従事してきた小山さんの経験や思いをお話しいただきました。

フィルム庫の様子.png

6.久喜図書館開館の頃
オープン当時の賑わいを記録した映像をご覧いただきました。
あまりの混雑に迷子が出たり、入口外のピロティーで利用登録の受付をしたりと、休む間もない忙しさだったそうです。
開館記念に郵便局では記念スタンプが作成されたというエピソードには驚きました。

開館記念スタンプ・切手.png

久喜図書館が開館し4館体制となったことで、合同目録作成の事業が始まりました。目録は冊子からCD-ROM版に移り変わり、そして、今ではオンライン検索に。便利な時代になりましたが、紆余曲折あったのですね。

合同蔵書目録(A5).jpg

小山さんの久喜図書館での思い出の締め括りに、東日本大震災当日の手記の紹介がありました。書庫資料の大量落下、お客様の混乱の様子など克明な描写に改めて震災の恐ろしさがよみがえりました。甚大な被害を受けた久喜図書館は、復旧のため2日間臨時休館することとなりました。

7.現在の姿
4館体制の時代を経て現在は熊谷、久喜、浦和分室の2館と1分室という体制となっています。現在の様子を現役職員から少しご案内させていただきました。

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8.みんなの県立図書館
最後に、参加者の方に県立図書館の思い出などを伺いました。「図書館が好き」という想いが伝わる温かいお言葉、司書に対する思いなど素敵なお話をお聞きすることができました。
講座終了後、参加者の方から「移動図書館の話が懐かしかった」「熊谷図書館の障子の窓、いいですね」「貴重なお話と映像だった」などのご感想もいただきました。

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講師のお二人が特に力を注いでこられた「移動図書館」「映画会・視聴覚資料」については、その当時を知るお二人だからこそ語ることのできる、まさに"こぼれ話"がたくさん飛び出しました。移動図書館車を見つけて「来た来た!」と喜んでくれる子どもたち、図書館や映画館のない地域で開催された出張映画会のエピソードなど、その時の様子が鮮明に思い浮かぶようでした。
サービスの形は変わっていったかもしれませんが、皆さんにとって身近で便利な図書館でありたいという想いは今も昔も変わらず図書館に引き継がれています。先輩方の意志をしっかりと引継ぎながら、時代と共に進化し続ける埼玉県立図書館でありたい...と、講座を企画した職員一同思いを新たにする機会となりました。

北爪さん、小山さん、参加してくださった皆様、ありがとうございました。

※上映タイトル、新聞記事情報については、「 講座使用資料リスト.pdf (PDF:125.6 KB)」をご覧ください。