図書館の仕事
2011年9月21日
新聞・雑誌担当のマニアックな仕事
皆さまこんにちは。久喜図書館の新聞・雑誌担当です。
バックヤードに徹し謎に包まれた新聞・雑誌担当の業務について、数話に分けてご紹介いたします。
今日は第1話。どうぞ最後までお付き合いくださいませ
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新聞・雑誌担当のマニアックでディープな話 ≪第1話≫
~華々しく生れ、活躍する雑誌。その一生とともに~
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雑誌は、図書のように一度刊行されれば終わり、ではなく長期間刊行され続けます。
毎年幾多の雑誌が生れては、その長い一生の間に別々の雑誌が一緒になったり、
名前(誌名)が変わったり、一つの雑誌から別の雑誌が生まれたり、
華々しく活躍し、そして役目を終え静かに休刊したり...
と、人の一生のようです
〈今も現役。長寿の雑誌〉
刊行中は、他にも様々な変化があります。
雑誌担当は、そうした細かい変化の一つ一つに対応し、自館蔵書データや総合目録等データベースの修正、雑誌現物の管理をしています。
★誌名や出版社などが変わったとき、放置するとどうなるでしょうか
蔵書検索をしてもヒットせず、「本当はあるのに無い」状態になってしまいます。
膨大な資料がある図書館では、蔵書データの修正と現物管理は非常に重要です。
「データが無い=現物が無い」状態になってしまうからです。
★たとえば誌名が変わったら
まずは、蔵書目録や総合目録等のデータベースの修正です。変更後の新しい誌名のデータを独立させ、変更前後のデータと連携させます。
たとえ古い誌名・新しい誌名のいずれかしか覚えていなくても探せるように...
データの修正が済んでも、まだまだ作業は終わりません
★雑誌を書庫に収める
公開閲覧室にある雑誌は、一定期間が過ぎると書庫内に収めますので、このための書棚スペースが必要になります。
県立図書館では、雑誌を誌名の50音順に並べています。
そこで新しくなった雑誌を、50音順に収めようとすると、たいてい...
「スペースがないっっ!!」
〈いつも雑誌でいっぱいな棚〉
★書棚との果てしない闘い
空きスペースを確保するため、前後の雑誌をずらします。
ふにゃふにゃで結構重い雑誌たちは、自立できず、あちこちで倒れては雪崩をおこします。闘います。
そして多くの場合、もう前後にずらせるスペースはありません。
永年保存している県立図書館の棚は、いっぱいいっぱいです
弱気な気持ちを抑え、遙か先を見渡すと... 一番奥に誠に素晴らしい、空きスペースがあります。
〈スペース発見。〉
雑誌担当はちょっぴり息を吐き、そして決意します。
「は~い! 頑張ってずらしま~す ('0^)/」
★迅速にご提供するために
無駄な作業に見えますが、これには訳があります。
それは、出納のご要望があった場合、迅速にご提供できるようにすることと、資料群として適正に管理するためです。
雑誌は薄く他に紛れ不明になりやすいため、群れとして扱う必要があります。
棚との格闘。タップリ汗をかき、ついに雑誌を収めることができました。こうして小さな変更に伴う一連の作業が終わります。
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雑誌の"一生"とともに...
次回は、市町村図書館が廃棄した雑誌をもらい受け、一度終わりを迎えた雑誌をよみがえらせる、「移管雑誌」の仕事についてお話します。
情報を速報することが目的の雑誌は、その時代、その瞬間を映します。
1冊だけでは一滴の水であっても、雑誌はその蓄積によって川のように過去から現在を流れ、"今"を感じることができます
これにどっぷり浸るロマンチスト集団。それが新聞・雑誌担当です。
(文責:久喜図書館新聞・雑誌担当 S)
2011年8月31日
障害者サービス担当の紹介など
こんにちは。
久喜図書館の障害者サービス担当です。
こちらの担当からの投稿は初めてということもありますので、
最初に簡単に仕事の内容を紹介させていただきます。
障害者サービス担当は、主に録音資料(図書や雑誌を音読して録音したもの)や点字資料の貸し出しをしているところです。
なお、これらの資料をご利用いただける方は、長らく視覚障害の方だけでしたが、
平成21年6月に著作権法が改正されたことを受けて、現在は「活字による読書に障害のある方」へ
対象を広げてサービスをしています。
(詳しい説明は図書館ウェブサイト「視覚障害者等へのサービスのご案内」https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/shogai/sikaku.htmlをご参照ください。)
・・・と、お知らせはこのへんにさせていただき、
今回は録音資料についてのお話をしたいと思います。
現在、広く利用されている録音資料には、主に2種類の形式のものがあります。
デイジー(DAISY)図書とデイジー再生機
デイジー図書は、一見音楽CDと同じですが、専用の再生機などを使って聞くようにできています。
テープ図書
テープ図書はカセットデッキなどで聞けます。
2枚の写真のデイジーとテープは、元は同じ1冊の活字本です。
デイジーは、テープと比べて容量が大きいので、だいたいの図書が1枚に収まります。
テープのアナログな感じもいいですが、入れ替える手間などない分、使う方はデイジーのほうが楽かもしれません。
テープもまだ現役ではありますが、録音資料の製作、利用の主流はデイジーになってきています。
録音資料の世界も、アナログからデジタルへ、という流れなのかもしれません。
デイジーについては、次の機会に詳しくご紹介します。
(文責:障害者サービス担当 S)