図書館ブログ
2018年11月16日
久喜図書館文化講座「埼玉道中膝栗毛」を開催しました!
こんにちは。久喜図書館の芸術・文学資料担当です。
11月10日(土)に、久喜図書館で文化講座を開催しました</span毎年開催している当講座、今年は埼玉県立歴史と民俗の博物館で主任専門員兼学芸員の杉山正司(すぎやま まさし)氏を講師としてお招きし、「埼玉道中膝栗毛」と題した講演を行いました。
杉山先生は、近世交通史を専門としており、NHKの人気番組にご出演の経験を持ち、杉山先生の講演会なら!と参加を申し込まれたファン(?)の方もいました。
講師の杉山 正司(すぎやま まさし)氏
当日は天気に恵まれ、直前の申し込みも多く、気がつけば100名を超える程のたくさんの方々にご参加いただきました
講演は、4部構成となっており、第1部と第2部は江戸時代の中山道・日光道中と日光御成道を通った旅人の紀行文や道中記を中心に、埼玉県の宿場の様子を、第3部は明治時代の紀行文より外国人の旅人が見た埼玉県の宿場の様子を、第4部は埼玉から伊勢神宮への旅を庶民の旅日記をもとに辿りながら、わかりやすくお話していただきました。
講演でご紹介してくださった道中記や旅日記には、沿道の宿場の様子の他、宿泊時に本陣で出された献立まで詳細に書かれていて、当時何を食べていたのか、庶民や大名、武士など身分によって献立の内容が違うことなどがわかり、他の宿場ではどんな献立だったのか全部読んでみたくなりました。
また、伊勢神宮への旅では、伊勢参宮を目的とした伊勢講を村々で作り、旅費を積み立て、くじで代表を選んで参宮者を決めていたということに驚きました。講を代表して旅をするため、今で言う復命書代わりに旅日記を書いていたそうです。
それぞれの旅人目線で、当時の旅がどういったものだったのか、どんな風景を見ていたのかが垣間見えて、道中記や紀行文の魅力をより深く味わうことができました
受講した参加者の方からも「楽しくあっという間の1時間45分でした。」「大変勉強になった。わかりやすく面白かった。」などの感想をいただき、皆さまにご満足いただけた講座となりました
杉山先生、そしてご来場くださいました参加者の皆さま、どうもありがとうございました
なお、「講座には参加できなかったけれど、内容だけでも知りたい!」という方は、若干数ではございますが、講座の資料がございますので、久喜図書館2階カウンターまでお越しください。
また、この講演会にあわせ、2階公開図書室で11月18日(日)まで文化講座関連の資料展「埼玉と街道」を開催しております。
開催期間
平成30年10月10(水曜日)~11月18日(日曜日)
(図書館休館日を除く)
開催場所
埼玉県立久喜図書館 2階公開閲覧室
埼玉県に点在する中山道や日光道中の宿場町について書かれた資料、中山道を題材として取り扱った文学作品や絵画、そしてそれぞれの街道を通って旅をした人の紀行文(道中記)など展示しています。もちろん杉山先生の著作も展示しています。展示期間終了まであとわずか ご来館の際は、ぜひ手にとってご覧ください。詳しくはこちら。
2018年11月9日
「ボランティア養成 手作り布絵本講座」を開催しました!
今年度も県立久喜図書館で「ボランティア養成 手作り布絵本講座」を開催しました。
布絵本とは、布を主な素材とした絵本です。
ひもやファスナー・ボタン・スナップなどを使って、
はめる・あわせる・ほどく・むすぶなど
絵を動かして、指先の訓練をしながら遊ぶことができます
<布絵本『おめめをあけて』 動物の目の部分がボタンになっています>
様々なハンディキャップのある子どもたちが、
楽しめるよう工夫されています。
講師には、布絵本をつくるボランティア「ぐるーぷ・もこもこ」の相談役であり、
オリジナル布絵本作家でもある野口光世先生をお迎えしました
<野口先生のご指導を受けながら>
障害のある子どもたちにたくさんの布絵本や布おもちゃを作って届ける活動を続けていらっしゃる先生の熱意を感じ、ますます製作に熱の入るみなさん
<今回の講座では新しく5名の方が参加してくださいました>
布絵本は誰が作っているの?
久喜図書館で所蔵するほとんどの布絵本は、
布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」のみなさんが、1点1点、丁寧に製作したものです。
手作業で作るので、1年間に作れるのは、1タイトル(5点)くらいです。
「つくし」のみなさんは、月に2回の活動日に、地道に製作を続けるほか、
今回のような「手作り布絵本講座」に参加して、技術の研鑽にはげんでいます
<外の雨の音など気にせず、皆さん真剣に布絵本を製作中>
今年は、布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」が平成10年に結成されてから20年目にあたります。
日頃の感謝の意を表すとともに、20周年を記念して図書館から感謝状を贈呈しました
<図書館から感謝状を贈呈>
<野口先生を囲んで記念撮影>
布絵本製作ボランティアのグループ「つくし」は、見学を随時受け付けています。
ご希望の方は県立久喜図書館子ども読書支援センター(電話 0480-21-2659 E-mail:kuki-jido@lib.pref.saitama.jp)までご連絡ください。
県立図書館では、障害のある子どもたちへのサービスのひとつとして、触って楽しめる 布絵本 を埼玉県内の特別支援学校(学級)や児童福祉施設に団体貸出しています。
手作り布絵本リスト・貸出案内のページ(https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/ko_shien/nunoehon_annai.html)
まだ、活用したことのない特別支援学校(学級)や障害児(者)福祉施設で働く職員のみなさん、ぜひ一度、手にとってみてはいかがですか。
布絵本ならではの"ぬくもり"を感じることができます
2018年9月21日
「リレー・フォー・ライフ・ジャパン川越2018」に参加しました!




2018年9月11日
資料展「あなたのとなりの宇宙」(久喜図書館)
こんにちは
埼玉県立久喜図書館の新聞・雑誌担当です。
久喜図書館では、9月11日より、
資料展「あなたのとなりの宇宙」を開催します。
毎年9月12日は「宇宙の日」。
国際宇宙年であった1992年に、日本の科学技術庁(現・文部科学省)と宇宙科学研究所(現・宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)が公募により制定しました。日本人宇宙飛行士の毛利衛さんが日本人として初めてスペースシャトルに搭乗したのも9月12日です。
また、「宇宙の日」と10月4日から10月10日までの「世界宇宙週間」の両方を含む1ヶ月間は「『宇宙の日』ふれあい月間」なのだそうです。
2018年は年明けのスーパームーンに始まり、皆既月食にブルームーンと天体イベントが目白押しです。
流星群も年内に数回観測でき、7月末には2003年に次ぐ近さの火星大接近がありました。
さらに、小惑星探査機「はやぶさ2」が、目指す小惑星「Ryugu」(リュウグウ)に到達するなど、宇宙への関心も高まっています!
そこで、資料展では果てしない宇宙のなかでも、今回は特に比較的身近な太陽系宇宙に焦点を合わせた展示を行います。
普段はあまり注目されない書庫の雑誌やクリッピングした新聞記事などを多用し、久喜図書館の収集分野である天文学、宇宙科学、航空宇宙科学、文学(SF)などの関係資料から選りすぐった資料を展示します。また、CD、DVDなど音楽、映像資料も加えたメディアのミックス展示もお楽しみください
皆様のご来館を 宇宙イチ! お待ちしています!
期間 平成30年9月11日(火)~10月14日(日)
※休館日を除く
場所 埼玉県立久喜図書館 2階 公開図書室
2018年9月9日
「がんと活(い)きる」講演会を開催しました!
登壇者みんなで記念撮影
こんにちは。自然科学・技術資料担当です。
8月25日(土)「がんと活きる ~AYA世代がん患者の体験談を聴く~」講演会を開催しました。当日は残暑厳しい暑さにも関わらず、90名の方にご参加いただき、とても充実した会になりました。
今年の講演のテーマはAYA世代。Adolescent and Young Adult(15歳から39歳の思春期・若年成人世代))
「NPO法人 がんノート」代表理事 岸田徹さんの講演を軸に、盛りだくさんのプログラムで開催しました。
それでは当日の様子を、写真たっぷりでレポートさせていただきます!!
まずは講演会から。
講師にお招きしたのは、ご自身も25歳と27歳でがんを患い、そのご経験から"がん経験者によるがん患者のためのインタビューWeb番組"「がんノート」を立ち上げた岸田徹さんです。ご自身が出演されているがん保険のCMを投影しながらまずは自己紹介。
講師自己紹介場面
コミュニケーションを大切にする岸田さんらしく、講演会も双方向のやりとりができるように、参加者のみなさまにスマホを使っての設定を呼びかけます。
がんに関するクイズへの回答や、病気に関する質問などをリアルタイムに投稿できる、ウェブサイトを使っての参加型の講演は、距離感が近くてとても新鮮!
講演の様子
岸田さんからは、ご自身のがん体験から、今回のテーマであるAYA世代を取り巻く現状まで、明るく楽しく、時に笑いを交えてお話いただきました。
岸田さんが手術で取ったがんの画像、手術直後の写真、前を向いて「活きる」きっかけになったという先輩からのメッセージなども画像を交えてお話くださいました。
岸田さんを変えた言葉
がんになった時にお金がなくて大変だったことや、今後の生活をどうしたらよいか悩んだこと、病気に関すること以外の情報がなくて困ったこと・・・岸田さんにしかお話できないリアルなお話を、本当に沢山聴くことができました。
岸田さんの講演後、休憩をはさみ後半の部がスタートしました。
はじめに、県の疾病対策課 鈴木久美子さんから、埼玉県の小児・AYA世代のがん対策についてお話いただきました。これからはじまる県の取り組み等について、わかりやすくご講義くださいました。
「埼玉県の小児・AYA世代のがん対策」 疾病対策課 鈴木久美子氏
次に、埼玉県立がんセンター 地域連携・相談支援センター 城谷紀子さんから、がん相談支援センターの紹介をしていただきました。
「がん相談支援センターってどんなところ?」 埼玉県立がんセンター 地域連携・相談支援センター 城谷紀子氏
画面に映しだされた支援センター内の様子は、とても明るく温かい雰囲気。城谷さんの事例紹介を盛り込んだ具体的な説明のおかげで、相談支援センターがとても身近に感じられるようになりました。
次は、県内の各がん患者会・支援団体の活動紹介です。
現在1階ロビーで、各団体のパネル展示を行っているのですが、今回こうして直接お話していただけたことで、各会の特徴や想いを、ご参加の皆さまとより共有できたと感じました。
「すみれ会」
「NPO法人みらいねっと」
「あけぼの埼玉」
「リレー・フォー・ライフ・ジャパン川越」
「リレー・フォー・ライフ・ジャパンさいたま」
「Cava!」(職員による代読)
最後に、久喜図書館 自然科学・技術資料担当司書から、健康・医療情報調べ方ガイダンス「図書館でがんを調べる」と題して、久喜図書館がん情報コーナーのご紹介や、がん情報を入手するのに役立つ図書やウェブサイトをご案内させていただきました。
健康・医療情報調べ方ガイダンス「図書館でがんを調べる」
長時間のプログラムにも関わらず、みなさま最後まで熱心にご参加いただき、「この日のために一生懸命準備してきてよかった!」と心から思いました。
当日配布した資料リスト「がん、もっと知りたい!」や、調べ方案内「AYA世代のがんを知る」は、健康・医療情報のページからダウンロードも可能です。当日お越しになれなかった方も、ぜひこちらからご活用ください!
当日ご参加くださったみなさま、運営にご協力くださったみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
「がん情報コーナー」の充実ぶりに驚いて、写真をたくさんお撮りになっていた岸田さん。
資料展「がんと活きる」の前で岸田さんと一緒に自然科学・技術資料担当記念撮影