図書館の仕事
2012年3月16日
調べ物のお手伝いをします!
浦和図書館・社会科学資料担当では、毎日、皆様からいただく質問を調査し、資料や情報を探すお手伝いをするレファレンスサービスを行っています。
さて、どんな質問が寄せられているかというと・・・
?粟餅はどのように作るのか。
?塩にはカロリーがあるのか。
というごく身近なものから
?耕地整理に関連する法令の載っている資料を見たい。
?労研方式による養育費の算定方法を知りたい。
といった専門的なものまで多岐にわたっています。
浦和図書館は「ビジネス支援サービス」にも力を入れているため
?世界の主な穀物流通ルートについて知りたい。
?過去のヒット商品の発売日を調べるための資料を知りたい。
など、お仕事関連の質問もたくさんいただいています。
調査は、複数の司書が協同で、事典・統計・年鑑などの図書や雑誌、新聞、さらにはインターネット、契約している商用オンラインデータベースなど、さまざまなツールを活用して行い、関連の資料・情報をご紹介しています。
埼玉県立図書館は3館が主題別に資料を分担する専門館になっていることから、質問内容によって、各館が相互に連絡をとりながら、より詳しい資料で調査を行うようにしています。
ご質問いただく時に
・いつまでに回答が必要か
・質問の内容はどんな資料に載っていたのか
・すでに調べた資料は何か
などの情報をいただけると、より効果的な調査ができます。
ご質問は、直接来館、電話のほか、埼玉県立図書館ウェブサイトにある「調査・相談(レファレンス)」のページ
https://www.lib.pref.saitama.jp/licsxp-opac/WOpacRefRefUkeDispAction.do
からも受け付けています。
みなさんからのご質問・ご相談を職員一同お待ちしています。
2012年3月12日
今日もどこかの街へ...
はじめまして。埼玉県立熊谷図書館・図書館協力担当です。
みなさんが普段利用する図書館で読みたい本をリクエストをした時、その図書館とは別の図書館のバーコードが付いた資料を手渡されることはありませんか? 一つの図書館だけでは、置ける資料に限りがあります。だから、同じ街の中の図書館はもとより、県内のそれぞれの街の図書館とお互いに協力し合いながら、持っている資料を貸し借りしているのです。これを「相互貸借」といいます。
そして、この図書館同士の相互貸借の橋渡しをするのが我々の仕事。各図書館の相互貸借の資料を、集めて・分けて・届けます。
さて、春の訪れをほんの少し感じるようなある日。今日は秩父方面の図書館8か所に巡回し、資料を届けます。
まず、専用箱に詰めた資料を運搬車(「協力車」といいます。)に積み込みます。
忘れ物がないか、もう一度確認したら、早春の秩父路に向けて、安全運転で出発進行!!
荒川の清流を横に見ながら走ります。朝から降っていた小雨が止み、顔を出したお日様が川面を照らして、キラキラ輝いていました。
「こんにちは 県立図書館です」
「お預かりします」
協力車から降ろした専用箱を、巡回先の図書館の職員に渡します。(写真左側)代わりに、この図書館から他の図書館に運ぶ資料を預かります。(写真右側)このように、巡回先の各図書館に資料を届け、同時に他の図書館に送る資料を集めていきます。
今日の巡回先の一つである皆野町公民館の図書室には、町で購入した新着図書と一緒に、県立図書館の資料が置かれていました。これは、図書館が設置されていない町村に、県立図書館の資料をまとめて長期間貸し出しているものです。(「配本所貸出」といいます。)
途中、横目に見た武甲山の頂には、まだうっすらと雪化粧が残っていました。
夕方になり、巡回を終えた協力車が県立熊谷図書館に戻ってきました。巡回先から集めてきた専用箱を降ろします。ここからは気力と体力、集中力の勝負。この資料をその日のうちに、すべて行き先ごとに仕分けます。そして、明日届ける分の準備をします。
...こうして一週間のうちに、県内すべての市町村を一回巡り、資料を届けています。明日は、あなたの街の図書館にお届けする日かもしれませんね。
なお、詳しくは、埼玉県立図書館ウェブサイトにある「埼玉県立図書館の図書館協力ネットワーク」のページ https://www.lib.pref.saitama.jp/stplib_doc/service/net/ index.html
で御紹介しています。ぜひ、このネットワークの「力」を御利用ください!
2012年2月23日
レファレンス協同データベース 100万アクセスに迫る!
国立国会図書館では、全国の図書館等と協同で、調べ物のためのデータベース「レファレンス協同データベース」http://crd.ndl.go.jp/jp/library/index.htmlを構築しています。埼玉県立図書館もこれに参加しており、県立図書館で調査したレファレンス事例を多数登録しています。
そもそも「レファレンス」って何?って思いますよね。
図書館が行っている「レファレンスサービス」とは、図書館の資料を使って、資料や情報を探すお手伝いをするサービスです。各館の窓口やウェブサイトでお受けしたご相談の一部をこの「レファレンス協同データベース」に登録していますが、この事例はインターネット上で、どなたでもご覧になることができます。
平成23年に埼玉県立図書館の登録データを参照された件数(年間被参照数件数)は996,490件で、この事業に参加している図書館556館中トップでした。
http://crd.ndl.go.jp/jp/library/thanks_H23.html#list
たくさんの方にレファレンス事例をご覧いただき、とてもうれしく思っています。
「レファレンス協同データベース」には、公共図書館だけでなく、大学図書館や専門図書館も参加しているため、身近な事例から専門的な事例まで、様々な事例が登録されています。
その登録された様々な事例について、平成23年「レファレンス協同データベース」年間アクセストップ10が発表されました。
http://crd.ndl.go.jp/jp/library/access_top10.html
そこでは、当館の事例が第8位にランクインしています。
「さいたま市の地盤(液状化)がわかる地図を探している。」2005年9月15日作成
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000029740
昨年の東日本大震災の影響ですね。
ランクインはしませんでしたが、当館では新聞記事にも取り上げられた久喜市南栗橋の液状化に関連して、古い地図や地質図が見たいというご質問をたくさん受けました。
「旧栗橋町大字河原代に明治以前にあった沼、「内沼」「外沼」の位置がわかる地図を見たい。」2011年4月19日作成
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000089486
みなさんの多様な興味・疑問にお答えできるよう、私たち図書館員は日々奮闘しています。「レファレンス協同データベース」の事例が、お役に立てれば幸いです。
なお、今年も昨年に引き続き国立国会図書館から御礼状をいただきました。
久喜図書館 情報・地域協力担当
2012年1月12日
新聞・雑誌担当のマニアック仕事(第2話)
皆さまこんにちは。久喜図書館の新聞・雑誌担当です。
新聞・雑誌担当の業務についてご紹介するのも、2話目になりました。
今回もどうぞよろしくお願いします。
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新聞・雑誌担当のマニアックでディープな話 ≪第2話≫
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"読み終わったら捨てる"
雑誌にはそんなイメージがありませんか?
埼玉県立図書館では、受け入れた雑誌を永年保存しています
なかには大正期に刊行された古い雑誌もあります。購入したり、発行者から寄贈された雑誌が中心です。
ただ、購入や発行者からの寄贈だけでは、数多くのタイトルを集めることはできません
そこで、より多くの雑誌を集めるために、県内の市町村図書館から、保存期間が過ぎて処分した雑誌をいただき、受け入れています
各図書館で役目を終えた古い雑誌たち。
雑誌担当は、彼ら(雑誌)に優しく呼びかけます。
「おいでっ!県立図書館に たくさんの仲間(雑誌)がまってるよ」
(実際に市町村図書館にお願いするのは、処分対象雑誌名&号数のみの、クールなリストの作成です)
呼びかけに応じて集まる雑誌たち。
市町村図書館から届くたくさんの雑誌を、仲間としてむかえます。
(届いた雑誌を仕分け中。多い時期には20箱程度あつまります。)
受け入れ前に、県立図書館の館名シールやバーコードラベルを貼り、装備します。
(館名シールを装備中。新しい"名ふだ"をつけています)
このあと蔵書データを入力して書棚に入れれば完了!
一度は役目を終えた雑誌が、ふたたび活躍することになります
☆☆☆☆☆☆☆
市町村図書館からは、婦人誌やファッション誌、手芸などのカルチャー誌等々、ご家庭だと読み終わったら捨てるような雑誌もいただいています。
捨てないで蓄えておけば、その蓄積によって調査や研究に役立つことがあるからです
例えばファッション誌なら、刊行当時の流行のファッションを知ることができます。
古い号から通して見れば、流行の変遷をたどることができます。
情報を速報することが目的の雑誌は、その時代その瞬間を映すため、当時の情報を得るには最適なんですね
学術雑誌からカルチャー雑誌まで、多種多様な分野の雑誌を受け入れることで、埼玉県域の雑誌タイトルを確保し、より多くの情報をご提供できるように努めています。
2011年12月1日
図書館資料の「装備」について
こんにちは。
浦和図書館資料整理担当です。
11月9日の当ブログにて資料収集担当から、資料を集めている様子の紹介(http://libprefsaitama.seesaa.net/article/234324408.html)がありましたが、集められた資料はそのまま閲覧室の書架に並べられるわけではありません。資料収集担当が集めた県立図書館3館分の図書(外国語図書は除く)は「整理」の作業をして各館に送られることになります。
「整理」の作業には、資料が円滑に検索され利用されるように目録データを作成する作業と、資料に蔵書印を押したりバーコードを貼る等の図書館の資料として管理するための「装備」の作業があります。
今日はその「装備」の作業を紹介します。
主な「装備」用品です。
「装備」の基本的な作業には、「押す」「貼る」「覆う」の三つの作業があります。
まずは「押す」からです。
図書館の所蔵資料であることを表す「蔵書印」を奥付に押します。
「小口印」を資料の「地」の部分に押します。
次に「貼る」です。
貸出・返却時にスキャンする「バーコード」を「館名シール」と組み合わせて、資料の表紙または裏表紙の左下部分に貼ります。
資料の所在位置を表す請求記号を印字した「ラベル」を背表紙の下の部分に貼ります。
最後に「覆う」です。
図書館の資料を永く良好な状態でご利用いただくために、利用の多い資料には透明なフィルムでコーティングします。
そのほかに正誤表の貼付や付録の添付の作業が加わることもあります。
11月9日のブログで紹介されたように「埼玉資料」の場合、通常の形態の図書ではない資料も数多く受け入れています。
リーフレットやホッチキス止めの資料、これらをこのまま書架に並べたのでは他の資料の中に埋もれたり、傷んだりしかねません。このような資料は通常の図書とは違った装備をします。
リーフレットは封筒に入れます。
封筒の端にタイトルを印字したシールと請求記号ラベルを貼ります。
ホッチキス止めの資料はフラットファイルに綴じます。
図書館の資料は、資料の形態に応じて「装備」されて書架に並ぶことになります。
皆様のご利用をお待ちしています。